ばれた?
「ありがとう。私のことを心配してくれているのね……」
分かっている。ちょっと意地悪なところもあるけれど、ルイードは本当は優しいって。
あの時も、後で私がイチゴが好きだと誰かに聞いたのか、カゴ一杯のイチゴが贈られてきた。
あ、……でも思い出したわ。
その後のお茶会で人参グラッセ砂糖まぶしが出て、大っ嫌いな人参を食べるのを躊躇して覚悟を決めて食べようとしたときに、私の皿に「ほら、俺のもやるよ」と人参を乗せられたんだ……。
ぐぬぬ。
いくら甘くしても、人参は人参なの!かすかに香る人参の何とも言えない味が、味が……。
王族主催のお茶会で恐れ多くも殿下からいただいた人参を残すこともできず、もう、家に帰ってから吐きそうになって夕飯も食べられなかったんだから。
(天の声*親切が裏目に出る男ルイード……www)
と、そんなことを思い出している場合じゃない。
「でも、跡継ぎ問題なら、もう大丈夫だから!」
ふふふ。うちの子(予定)の姿を思い出して思わず顔をほころばせる。
「は?どういうことだ?まさか、誰かと婚約を?」
「内緒です!」
アルバートを正式に養子にできるまでは内緒。内緒。
「誰だ!俺よりいい男なんだろうな?」
アルバートがルイードよりいい男か?
「そりゃ、もう」
うちの子(仮)が一番に決まってます。
おっと、思わず親ばかが出てしまいました。
「俺よりいい男だと?一体誰だ」
ルイードがソファから立ち上がった。
いやぁね。ルイードは。自分が国で一番いい男だなんてナルシストなこと考えてるのかしらね。
自分よりいい男がいると聞いてむっとするなんて。
窓の外を見ると、中庭の向こう側に馬車から降りて歩いてくる人の姿が見えた。
「ああ、帰って来たわ」
制服姿ですぐに分かる。
アルバートだ。
「は?誰が?」
ルイードが私の視線に釣られて窓の外を見た。
「叔父上……な、訳はないか……まさか……」
どうしよう、アルバートのことは、まだ知られるわけには。
「ほ、ほら、えっと、新しく護衛を雇おうと思って、親衛隊養成学校の生徒をスカウト……して……えーっと」
考えてあった言い訳を慌てて口にする。
「そういうこと……か……」
納得してくれた?
「まさか、叔父上に……」
ん?
お父様がどうしたって?
「跡継ぎ問題は解決したって……確かに……」
あれ?えっと、バレてないよね?養子にすること……。
「……しかし……今になってとは、少しおかしいな。叔父上らしくない……」
勘違いVS勘違い
いや、もうね。何度も言うけど、コメディなので。
「なぜ、気が付かない!」って、コメディだから。




