エピローグ☆浩次と冴子
「冴子さん、なにやってるんですか?」
「未来に宛てた手紙を書いてるの」
「それ終わったら、今度こそ30年後・・・ホームワールドに戻りましょう」
「ええ」
本当は、大学生の浩次さんにもう一度会ってみたかった。あのときが一番、私の心に強く残っているから。
でも、そばにいる40才の浩次さんはそんなこと知らずに、ただ40才の時間軸に戻ってから、これからの私たちのことをどうするかを考えているようだった。
なぜ20才の時に20才の浩次さんと恋愛できなかったんだろう?
涙が自然と流れて、嗚咽がもれた。
「!」
浩次さんがかぷっと口で私の口を噛みついた。
なにするん・・・だ。
「俺のどこが嫌なんですか?」
挙動不審なところ!
「き、キスくらいふつーにできないんですかっ」
「これが俺のやり方です」
あんまりエキセントリックすぎてついてけないよおお。
「私、バツイチなんです」
「知ってます」
「子どもいないけど、もう、汚れてるんです」
「そんなことありません!」
「私、過去のあなたが好きなんです。今のあなたはイヤ」
「・・・」
さすがに浩次さんは黙りこんだ。
「・・・こうしましょう」
「?」
「冴子さんが50才のところへ今の40才の俺が行きます。過去の俺です」
「は?」
タイムマシンに乗り込んで時間軸のダイヤルをいじってる。本気だ!
「ちょっと待って!」
「はい」
「今のままでいいです」
「はい」
浩次さんが微笑んでいる。
両手をひろげて待っている浩次さんの胸の中へゆっくり飛び込んでいった。