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スキル《神層学習》―学習する最強の兜(俺)-  作者: 茅原
最強の兜と水着コンテスト
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伝説の剣? part2

「そう言われても……一体何をすればよいのでしょうか?」


 セリアさんが言うと、ガロン爺さんは「ふぅむ」と長い髭を一さすりして、神妙な面持ちで言う。


「例えば……そのおっぱいで剣を挟んでみてはどうじゃ? あるいは、ララさんのその引き締まった太ももで――」

「なんでそんなバカみたいなことしなきゃいけないのよ。こんなもん普通に手で抜けばいいじゃない」

「いや、しかしやはり――」

「いや、待てガロン爺さん。手は手でいいものだぞ」

「そうよ。ララちゃんなら、きっと手でも抜けるわ」


 と、セリアさんが不意に流れに乗ってくる。


 この乗り方は、ネタの意味が解っていなければできないものだ。セリアさん、やはり只者じゃない。


「……なんか、アタシにヘンなことさせようとしてない?」


 何かイヤな雰囲気は感じたらしい、ララはそうこちらを訝りつつも、セリアさんから俺を受け取って頭に被ってから、岩壁に突き立てられた剣の柄を掴んだ。


 それはやや珍しい形をしている。


 通常、剣の柄は掌にフィットするように楕円形をしているのが普通なのだが、いま目の前にある剣の柄は、見事なほどの円形だった。刀身は至って普通、短剣に近いやや短めな両刃の刃だが。


「……行くわよ」


ララは両手でその柄を握り締め、やや腰を落とす。そして、


「っ~~~~~~~~~~~!」


 歯を食いしばり、背を仰け反るようにさせながら剣を引っ張った。がしかし、


「抜っ……けない! 固っ!? 何よ、これ!?」


 手を放して、真っ赤になった手を痛そうに小さく振る。


「そうか……。では、ここはやはりセリアさんのおっぱいに――」


 と、ガロン爺さんがどこか嬉しそうにセリアさんを振り返った時だった。


「私に……触るな」


 突然、背後――洞穴の入り口のほうから女性の声がして、


「っ!」


 そのほうから何かが飛んできた。


その声のおかげで、俺は一瞬早く警戒することができていた。頭の中に声が響く。


『《探知網》に反応』

『白魔法・《カーズ・バリア》をダウンロードしますか?』


ああ、頼む!


『白魔法・《カーズ・バリア》――ダウンロード成功』

「《カーズ・バリア》!」


 習得したばかりの白魔法――闇属性の魔法を遮断する防御魔法をセリアさんの前に展開する。と、飛んできていた何かがそれに衝突し、黒い水滴のようなものを撒き散らしながら弾ける。


「あなたは……?」


 そのバリアに最も近い位置、つまり俺たちの最後尾に立っていたセリアさんが、後ずさりながら驚いた声を上げる。


 そこにいたのは――エルマだった。


 なぜこんな所にエルマが? というか、まさか今の魔法は……?


 ガロン爺さんもまた驚き困惑した様子で、


「エルマ……お主がなぜこんな所におる? というか、どうしたのじゃ? 靴も履かずに、そんな寝間着姿で……」


 確かに、エルマは寝間着らしい薄手の白いローブ姿で、その足には何も履いていない。まるでベッドから起き上がってそのままやって来たような様子である。


「待て、爺さん」


 エルマに歩み寄ろうとしていたガロン爺さんを俺は引き止める。


「何か、嫌な気配がする。気味の悪い……闇の力だ」


エルマ――いや、エルマに取り憑いているらしい何かが、ララを睨みつけながら怒鳴る。


「汚らわしい女共が……私に近づくな! ここから出て行け!」


 黒い衝撃波が、ドンッ! とエルマから発せられ、俺の《カーズ・バリア》にわずかに振動を起こす。


 ――『私に近づくな』……?


俺はその言葉に妙な違和感を覚えつつ、疑問を口にする。


「もしかして、お前が……この剣に取り憑いている霊なのか?」

「……あら。よく見れば、いい男がいるじゃない」


 言って、エルマは艶っぽい笑みを口元に浮かべる。


「いい男? それはまさかワシの――」

「ジジイは黙ってなさい。私はその――女の頭の上にいる(ひと)に言っているのよ」


と、エルマは確かに俺を――ララの頭上にいる俺を見る。

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