呪詛の眼差し(前編エピローグ)
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ステージ上で皆からの拍手を受けながら、優勝者に授与されるカップを受け取るララ……。
その照れた笑顔の横顔を、ステージ脇からじっと睨みつけている一人の少女の姿があった。エルマである。
「どうしてアンタがそこに……! そこはわたくしの場所なのに……一番美しいのはわたくしなのに……!」
エルマは伸ばした爪が割れるほどに強くそれを噛みながら、男たちの視線を一身に浴びるララに呪詛の籠もった眼差しを向け続ける。
ふと、その背の素肌に一点の黒いシミが生まれた。
それは白い布に落とした墨のようにじわりと広がって、やがて二本の細腕のような形になりながら、エルマの肩口へと……その細い首へと這い上がり始めた。
この浜辺の誰ひとり、そのことに気がついていない。
当然、エルマ自身でさえも。
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ここまでが『最強の兜と水着コンテスト』前編です。
かぶとになって、かぶとになったぼくのたいないをOPでいっぱいにしてもらえるというモーソーがとてもたのしかったです。
後編は現在、終盤近くを執筆中で、近いうちにまた連載を再開できると思います。
ではまたその時まで~。
2019年10月29日追記
読者の方々のアクセスから察するに、『魔に憑かれた屋敷』以降辺りからの展開を書き直した方がいいのかなと思っている今日この頃です。
これから『スキル《神層学習》―学習する最強の兜(俺)―』を読んでくださる方々(あるいは既に読まれた方々)はどう思われるでしょうか。
それについて何かご意見があれば聞かせていただけるとありがたいです。そのご意見をもし複数いただければ、それを総合的に判断して書き直し等にとりかかるかもしれません(し、現状維持を選択するかもしれません)。
よろしくお願いします。




