影
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「ベランジェの奴……セリア姉に何かしてたら本当に殺してやるんだから……!」
ララは地図を広げながら、セリア達も向かってくれているのであろう路へ向かって歩いていた。
歩調は当然、早くなる。セリアがベランジェと共に森の中を歩いているのだと思うと、もはや気が気ではいられない。
――まあ、ハルトが一緒だから大丈夫だとは思うけど……。
いや。
と、ララは歩く速度をさらに速める。
――もしかしたら、あの変態まで一緒になってセリア姉にエロいことしようとしてるかも……!
急がねば。自分が姉を守らねば。
ここはセリアにとって、いるだけでも辛い場所――大切な友人を失ったという過去と否応なしに向き合わされる場所だ。
ただそれだけでも辛いだろうに、こんなトラブルでさらに不安にさせられて、さらには失った友人のその兄から言い寄られたら、どんな気分になるか……そんなことは考えなくても容易に解ることだった。
――こんな時こそ、自分がセリア姉の傍にいなきゃいけないのに……!
そう自分を責めながら、合流地点へと小走りし始めていると、
「……?」
ふと日が陰ったように、周囲がスッと暗くなった。
ララは怪訝に思いながら背後を見上げて――息を呑んだ。
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