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秋月  作者: ダード
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美里町

今回は2回目の投稿です。恋愛ものを書こうと頑張りましたがまだまだ未熟で文章として成り立たない部分が多々あるかと思います。よろしければ最後まで、お付き合いください。

明日になれば、旅立ってしまう。

君がいなくなるこの町は、まるで光を失った月のように、儚く、切なささえ感じさせる。

そう感じさせるまでに、君という存在は、輝かしいもので、僕の中に居座りついていた。



僕が住む美里町に魅力を感じることはなかった。

それどころか僕はこの町を嫌っていた。

都会ではそこら中にあるカフェもなければ、今はやりのファッションブランドのお店もない。

映画館もショッピングモールも、家から車で片道一時間もかけなければなかった。

あたりを見渡せば田畑が広がり、夕方にはカエルと鈴虫の声が鳴り響く。

電車は一時間に一本だし、バスなんて朝に二本、夕方に二本の、四本だけだった。

こんなことを聞いていると、都会の人たちからすれば「どんな田舎だよ」「想像をはるかに超えてる」とみんな口をそろえて言うだろう。

よくSNSやテレビで「田舎でしずかにくらしてみたい。」「ちょっと不便なほうがいい。」と言っているのを見かける。

僕はその人たちに言いたい。

それなら変わってくれ、と。

それほどまでに僕はこの町が嫌いだった。

僕の両親は共働きで、父はこの小さな町の町長に勤めていた。

そんな父のせいで僕はたくさんの迷惑に見舞わされているのだが、、 

高校は地元の高校で偏差値は40から50と普通だった。

なぜこの学校を選んだのかというと、小中の友達大半がこの学校に進学するからだ。

そして何より、近くて通いやすかった。

そんなことをみんな考えているのか、学校には見慣れた顔ぶれであふれていた。

学校の周りにはもちろんなにもなく、田畑と学校の横には川が通っていた。

そんな僕の学校で、入学してちょうど二週間が過ぎたころ、ある一つの噂が広がった。

噂は男子の間で瞬く間に広まり、学校中に広まった。

その噂は男子学生では十八番おはこともいえる「かわいい子」の噂だった。

なんでもその子は、東京からこの町に引っ越してきたらしく、理由はわからないが、この学校に入学してきたらしい。

僕も一目見たくて、彼女のいるDクラスに友達の秋人と足を運んだのだ。

Dクラスにつき、中を覗き込んだ瞬間に、僕は一人の女の子に釘付けになった。

もちろん噂の子を見たこともないし、容姿だってかわいいということ以外何もわからない。

だけど僕は、今見ているこの子が噂の彼女だと確信した。

肩まで伸びた髪は、色素が薄く、くすんだ茶色色で、くりくりとした瞳は魅 力的でどこか切なさを感じる。

右目の下にはほくろがあり、それがなんともかわいらしかった。

スタイルはいいのだが、女の子のふくらみはまだ発育途中といったところだろうか。

とにかく飛び切りに異質をはなっていた。


 あれから特に変わったこともなく、学校生活を送っていた。

噂の子は西野菜輝にしのなつきというらしい。

名前もかわいらしい、、、

「それでは!第一回、美里高かわいいこ選手権を開催する!!」

「は?」

休み時間で俺の席に来た秋人が、突然選手権を始めるものだから、俺は不意には?と言ってしまった。


「は?じゃねーよー!高校に入学して一か月余り、誰も言い出さなかったものを俺が意を決して言ってやったんじゃないか!!」


「誰も頼んじゃいねーよ!大体この学校のほとんどが小中で一緒なんだから、決めるも何もないだろ!」


「はー。わかってねーな。小中で一緒だった奴らも、JKというブランドを身に着けたことにより、今までの何倍も魅力が詰まっているんだよ。」


「お、お前それ本気で言ってんのか?」


「大体、小中同じじゃないやつに、飛び切りのかわいい子ちゃんだっているだろ??」


「ま、まぁ確かに」


秋人の熱弁が終わりなぜか沈黙が訪れる。

数秒が過ぎたところで、秋人が強張った口を開いた。


「やっぱ、この選手権はやめよう。」


「さっきまでの威勢はどうしたんだよ。」


「いや、考えてみたんだが、どう考えてもDクラスの西野菜輝ちゃんが一番になってしまう。。」


そう言うと秋人はぶつぶつ何かを言いながら自分の席に戻っていった。

確かに秋人の言う通り、俺もかわい子選手権と聞いたときすぐに、あの子のことを思い浮かべた。

もちろん彼女以外にもかわいい子はいるのだが、それだけ彼女が群を抜いてかわいいということだ。


キーキーンコーンカーンコーン


そんなことを考えていると、次の授業のチャイムが鳴った。

次の授業は現代文で、担当の嘉登かと先生は今年50歳を過ぎる半おじいちゃん先生だ。

先生はチャイムが鳴り終わる直前に教室に入ってきた。


「気を付け、礼」


『お願いしまーす。』


点でばらばらの挨拶をすまし、みんな先生のほうに注目する。

先生は持参した教科書とノートを教壇に置いた。


「それでは、授業のほうを始めていきます。」


黒板に書かれていく文字をただただ写しノートを埋めていく。

すると、先生が僕ら生徒のほうを向き、おもむろに口を開いた。


「皆さんには、後悔していることはありますか?私は学生時代の後悔があります。ですが、過去は書き換えることができません。皆さんは悔いが残らぬように、これからの学生生活を送ってくださいね。」


先生のその言葉は、僕の心の奥にとどまり、深く考えさせられた。

別に過去に悔いがあるわけでもないし、未来が不安なわけでもない。

それなのにその言葉は、僕の中に響いた。


 一通り授業が終わり帰りのホームルームを迎えた。担任の足立先生は特に話もせずに、帰りの挨拶だけをして終わった。

どこの部活にも所属していない僕は、教室を出るとすぐに昇降口に向かい家に帰る。

はずなのだが、今日は違った。

昼休みに秋人が一か月たった今になって、部活に入りたいと言い出したのだ。

特に予定があるわけでもない僕は、渋々それを了解したのだが、、、


「よりにもよって何で天文部?」


「馬鹿野郎いつき!!星って聞くだけで、なんかこう夢を感じないか?」


「まったくわけのわからないことを。」


「だし、いつき天体観察好きとか言ってなかったっけ?」


「確かにするにはするけど、」


確かによく天体観測はする。

小学五年生の時、誕生日プレゼントで親父から天体望遠鏡をもらったときは、毎日のように筒を覗き込み星を見ていた。

かといってそこまで詳しいわけでもないし、、、


「まあ、覗いてみるだけなら」


そう僕が告げたと同時に、秋人は天文部の部室の扉をノックしていた。

が、中から返事はなかった。

少し経ち意を決してこちらから扉を開けようとしたときに、扉は中の住人により開かれた。


「ごめんなさい遅れて!天文部になにかようですか?」


とっさに扉の前から一歩下がり声の主のほうに顔を向けた。


「にしの、、、」


それは思ってもいないところで起きた。

扉を開けて僕らの目前に現れたのは、西野菜輝だった。

奇跡というのはこういったことを言うのかもしれない。

でももしかしたら秋人が分かっていてここを選んだのかもしれないと、秋人を見ると、秋人も驚いている様子だった。


「あれ?おーい」


はっと我に返り今の状況を飲み込む。


「あ、えっと俺ら天文部を見学したくて来たんですが、、、」


「ほんとに?」


「あ、はい。」


「どーぞどーぞ!好きなだけ見学してって!」


飛び跳ねるように喜んだ彼女に手を引かれるがままに、僕らは天文学部の部室へといっていった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。これから質を上げて行きたいと思っています。批評などたくさんお待ちしております!どうしたらいいのかなどアドバイスなどくださると幸いです。これからもどうぞ、よろしくお願い致します。

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