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僕たちが過ごした青春  作者: 劉蓮
3/6

第3回 チームメイト

自己紹介が終わると、すぐに部活が開催。五㎞のランニングから、筋トレと続いて結構ハードだった。一年生はまず体力作りかららしくて、ボールは一切触らせてくれなかった。

凌平さんは監督と顧問の両方と何やら会議をしている。後二ヶ月で郡市大会だと、二年生エースの原田(はらだ) 駿(しゅん)さんから聞いた。駿さんは優しくて、背が高くて何でも出来るいい先輩だけど、本当は誰よりも練習熱心だ。

「集合!」

凌平さんがそう言うと、全員が返事をして監督の前に円になって集まった。

男子バスケットボール部には特別に、マネージャーがついている。このマネージャーは、女子バスケットボール部の選手だったと言う。二年生が一人、一年生が一人ととても少ないので、マネージャーとして活動しているのだ。

「監督の、佐々(ささき) 宏祐(こうすけ)だ。一年生の諸君、よろしく頼むよ」

優しそうな白髪のお爺ちゃんはそう言ったが、本当はとても厳しくて腹黒いそうだ。笑顔でグラウンド走ってこいとか、ペナルティーとか言うみたい。

「顧問の石黒(いしぐろ) 梨夏(りか)です。よろしく」

顧問はまさかの女の先生で、国語を担当している人だった。見た目は若いのだが、本当の年齢は三十路らしい。その事を言うととても叱られる。

二年生のマネージャー、神崎(かんざき) 詩月(しづき)さんが予定を発表した。今週の日曜日に東中学校と中等教育学校、さらには本堂丸山中学校と練習試合らしい。この三校は、僕たちのライバルだと言っていた。

「今回、東のエース、佐藤(さとう) 孝章(たかあき)さんは左膝が悪いため試合には出られないそうです。中等の四番、七番は別の中学校と練習するため、二群選手と戦います。本堂丸山中は、新しく入った一年生エース、近藤(こんどう) 勇樹(ゆうき)くんを試合に出すと言っていました」

近藤勇樹くん。僕と同じ小学校で、共に戦った最強コンビだった。彼はFで、一対一が非常に強くて格好良かった。その反面、羨ましいとも思って、彼を僕の隠れたライバルトシテ見ていた。

僕は嬉しくなった。また彼の試合する姿を見られるし、さらには久しぶりに会えるのだから。

話し合いが終わり、部活を再開。僕たちはもう一度外に出て走り込みを繰り返した。

「ねえ、碧波だよね?」

声を掛けてきたのは、背が高くてチャラそうな人だった。僕は半信半疑で返事をすると、見上げて顔を見た。イケメンで、格好良かった。

「うん。新一くんだっけ?」

「呼び捨てで結構だよ。碧波」

「分かった、新一」

新一は嬉しそうにニコニコすると、僕の頭を撫でた。

僕と新一の身長差は、約三〇㎝で、かなり見上げないと顔が見えないくらいだ。新一が気を使ってしゃがんでくれるのだが、なぜか子供扱いされているみたいで嫌だった。

「俺とも仲良くしてよ」

「えっと、奏多くんだっけ?」

「俺の事も呼び捨てでな、碧波っち~」

「碧波っち?」

「そう!君身長低くて可愛いから」

「なにそれ」

奏多は、可愛い子には○○っちをつけるみたい。そこで僕は考えた。もし、たまごっちが可愛いと思えば、たまごっちっちになるのかな、と。まあそんなことはあり得ないと思うので、この考えは取り消しにしておく。

後の二人、青波くんと累くんは、もう走りに行っていたので、慌てて付いていった。

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