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灰被りの勇者と封印されし聖女~疫病神の英雄譚~ 作者:柏もち太郎

一章:かくして疫病神は灰を被る

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031 落ちていく十字架

 今朝は小雨が降っていた。昨夜轟いていた雷鳴は嵐の到来を予期させたのだが、どうやら杞憂に終わったらしい。小雨というのもこれはこれで肌を少しずつ濡らして気持ちが悪いのだが、嵐がきて訓練ができなくなるよりかは幾分かマシと言えた。
 別れてしまった幼馴染はどうしているだろうか。ときどき、実を言うと毎日だが、心配になってしまう。それもこれも、心配になる行動ばかりの彼が悪い。

 ──まったくもう……。

 けれど以前会ったとき、彼は昔のように──と言っても少しだけだが──明るくなっていた。嬉しいことであるのは確かなのだが、同時に一抹の寂しさを感じたのも憶えている。
 巣立ちの季節を迎えた親鳥はあんな気持ちだったのかもしれない。

 飾り気のない黒紐でくくられた髪先が円を描くように踊る。演舞の如く流麗な槍捌きを見せながら、南條麗華は微笑んでいた。
 しっとり濡れた肌が気持ち悪いが、こうして槍を振るっていると何故だかさっぱりした気分にもなる。昔から武道を嗜んでいたし、槍の腕もそれなりではあったのだが、ここまで槍を持つことに胸を躍らせるとは思ってもみなかった。

 この半年間で、麗華は相当な成長を遂げてきた。むろんザイクなどの猛者にはまだ届かないものの、実力は騎士団一と名高いセルグの折り紙つきだ。召喚勇者であることが起因して、麗華たちの魔力量は多く、扱える魔法の種類も豊富である。

 そこらのダンジョンは軒並み制覇してしまって、最近ではセルグとの手合せが主な訓練となっている。麗華が本気で戦っても、一向にセルグの底は見えないのだが、噂によればセルグは話に聞く初代勇者と同じだけの力を持っていると言う。

 それだけの実力者を有しているのなら、なぜ勇者として麗華たちを召喚したのか。それはひとえにセルグではまだまだ強さが足りないのだとか。
 どうやら麗華たちを呼びよせた召喚陣とやらは女神の力で造られたらしい。よって召喚陣で呼び寄せられた異界の勇者は女神の加護を受け、通常では得られない強さを得るとのこと。

 その話を聞いたとき、麗華は道理でと思った。まだ使いこなせない、どんなものなのかも不明であったりと事情はあるものの、幾人かのクラスメイトは固有魔法を持っている。
 普通たかだか四十人程度のなかからは固有魔法の持ち主など出てこない。身近にクルトがいるから感覚が麻痺しているだけであって、本来なら固有魔法はアルス王国全土を見渡しても一人二人いるだけである。現状確認されているのはクルトだけであるが。
 ちなみに固有魔法を持っているクラスメイトのなかで魔法の種類がどういったものなのかが判明している者もいる。

 名前を青山優奈と言って、麗華や愛華ともそれなりに親しい女子だ。臆病で恥ずかしがり屋な性格が前面に出過ぎているが、基本的には誰にでも優しく接することのできる女の子である。
 彼女の固有魔法は“転移魔法”だ。目に見える範囲内に召喚陣を二つ用意でき、一方を通ればもう一方に通り抜け、そのまた逆もしかり、という便利な魔法である。そのうち遠距離間の転移も可能になるだろうが、現状では魔力量的な問題で不可能。将来有望である。

 こういった生徒たちがいるが、反対にまったく魔法が使えない者もいた。

 ──どうしてなのかしら?

 幼馴染の一人である八雲にはなぜ麗華たちのような能力がないのか。
 幼いころ拓哉に見せられた漫画のようにピンチになったら能力が解放された、なんて都合のいい展開があるはずもなく。結果的に八雲はお払い箱みたいな扱いを受けてしまった。

「さぁてお前ら! そろそろ休憩にするぞ~」

 ザイクの気の抜けた声が響き渡る。
 途端にあちこちで「疲れたぁ」だの「もう無理……」だのと弱音を吐いている生徒が見られるが、麗華からすればまったくだらしがないとしか思えない。

「今日は人のこと言えないわね」

 しかしまあ、麗華も考え疲れてしまった。苦笑を忍ばせながら槍を置くと、遠くから一人の騎士団員が走ってくる。
 団員は必死の形相であり、言うなれば怒りと悲しみを同居させた顔つきだった。

 ──何かあったみたいね。

 聖也とセルグに視線を向けてみると、さぁ? と両者に首を竦められる。どうやら聖也関連でも騎士団関連でもないらしい。

「どうかしたか? そんなに慌ただしく」

 肩で息をする団員に代表してザイクが問いかける。団員はザイクに一礼すると呼吸を整えて、

「服部八雲殿が、亡くなられたとの情報が入りました」

 それは、幼馴染の訃報だった。訓練していた全員が手を止め、騎士団員の報告に耳を傾ける。皆一様に目を丸くしていて、何を言っているのかわかっていない風だった。

 ──……?

 突然告げられたことに、麗華は驚きを隠せなかった。彼は今、なんと言ったのだろうか?

「昨晩、レスティアが襲撃を受けました。騎士団で保護した者を除いて、村人は首謀者以外の全員が死んだと思われます」
「あ、ええと……え?」

 淡々と発せられる言葉に、麗華は二の句が継げなくなる。団員はギリギリと歯を食いしばって、悔しげに次の言葉を漏らした。

「これは我々が確認した事実であります」
「おいおい、冗談にしても善悪くらいはわかるだろ?」
「私はふざけているのではありません! 私はッ」
「……嘘だろ」

 ザイクが信じられないと呟く。だが彼の声音は別に騎士の伝達を疑っているわけではない。団員もそれはわかっているのだろう。ひとつ頷くと真っ青な顔で、

「現在、八雲殿と襲撃者と思われる人物だけが消息を絶っています」
「ならどうして八雲が死んだと言い切れる」
「証言者がおります。襲撃者に伝言役として生かされたとみられます……ッ」

 麗華の顔からさあっと血が引いた。それから、震える指で頬をつまんでみる。
 これは悪い夢なのだろうと思って(つね)ってみると、ほら、痛くない。痛くない。まったく、痛くない。痛くなんて、ない。だからきっと、悪い夢だ。だって痛くないんだから、夢じゃないとダメでしょう?

「村民を護ろうと戦っていたそうです。最後は、最後は……ッ!」

 団員の声が掠れ、肩を震わせる。ぽつ、と落ちた涙が土に溶けた。

「ざけんな……」

 感情を抑えるような低い声が響いて、次の瞬間、

「──ふざけるんじゃねえッ!! アイツが死ぬわけねえんだ! つまんねえ嘘ついてんじゃねえよ!!」
「うぐッ!?」

 激昂した拓哉が団員の胸ぐらに掴みかかる。
 これまでに見たことがないくらい苛烈な怒りを剥き出しにして、団員に食い掛かる。胸ぐらを掴まれた団員は強引に腕を振り払うと、これまた怒りを剥き出しにした。

「私だって信じたくない! 私たちはあの人が誰よりも努力していたことを知っている! あの人が死ぬなんて嘘だと思った! けど……ッ」

 団員の言葉が、空虚な雰囲気に消え入る。

「殺されて、身体を持ち去られた、と証言がある……!」

 唇をかみしめる団員に拓哉はだまりこんだ。

「くそ……ッ」

 悔しげに地団駄を踏んで、

「くそぉぉおおおおおおッ!!」

 さめざめと泣く曇天の空に吠えた。

 ──……拓哉……。

 麗華はそんな拓哉を見て、ようやくこれが悪い夢ではなく現実なのだと悟った。

「うくっ」

 同時に強烈な吐き気を催して膝を折る。溢れんばかりの苦しさで胸が張り裂けそうだ。喉が異様に熱くなって、鼻腔に痛烈な刺激が現れる。涙が出そうなのに、涙は出せなかった。

「服部が死んだって……そんなはずないだろ?」
「でも……」

 クラスメイトが(にわ)かにざわめきだす。
 騎士団員の皆が静かに涙を流し、すすり泣く声と嗚咽が聞こえ始める。

 ──あいかは……あの子は……?

 せり上がってくる胃の中身を喉元で押しとどめ、あたりを見まわす。何も言わずただ涙を流して地面を殴り続ける拓哉。違う。噛みしめた唇から血を流すクルト。違う。瞑目して黙祷を捧げているセルグ。違う。地面に剣を突き立てて男泣きするザイク。違う。表情一つ変えずに腕組みする中田。違う。呆然と立ち尽くし、とうとうがくんと膝を落とした少女──、
 愛華を見つけて、麗華は目を見開いた。

「やくも、くん……?」

 愛華はその場にへたり込んで首を傾げていた。瞳は何も知らないようでいて、涙を湛えたまま揺れている。そのうち唇がわなわなと震えて、

「いやだよ……」

 ぷつん、と糸を断たれた人形のように倒れ込んだ。

「あいかっ!?」

 すぐさま駆け寄って彼女を起こす。力を失った上体と、こちらに向けられた顔からは生気が感じられないまでだった。握られた手は弱々しく、雨に濡れて冷たい。
 涙を流さない自分と違って、愛華はボロボロと流涙していた。それがなんだか羨ましかった。まるで自分が彼の死を悲しんでいないように思われて、ますます自分のことが嫌いになりそうだった。

「れいかちゃん……うそだよね? 八雲くん、死んでないよね?」
「あいか……」
「絶対うそだよね? 死んじゃうはずないもん。八雲くんが死んじゃうはずないもん……」
「…………」

 何と言えばいいのか、わからなくなる。
 できることならば麗華だって泣きたかった。声に出してわんわん泣きたかった。
 けれど彼の顔を思い出すたびに、王城を発つ前の彼の『愛華を頼んだ』という言葉と笑顔が蘇ってくるのだ。

 ──わたし、は……っ!

 そうなってしまえば、麗華は泣くことができなかった。心が抉られて、じくじくと痛みがあって、辛いと叫ぶ感情を押し殺して愛華を支えようと思った。

「ねえ、れいかちゃん……うそだよね?」

 懇願するように愛華が問うてくる。
 しかし麗華は、何も出来やしない。堂々巡りに陥った思考と叫び続ける感情が鎖みたいに麗華を縛りつけて、身体を動けなくする。

「ごめんね……ごめんね、愛華……」

 護ると誓った彼を護れなかった。あの夜立てた誓いは今、他でもない麗華自身によって破られ、捨てられる。

「襲撃者は……」

 口を開いたのは聖也だった。一見すると毅然とした態度に見えるが、聖也は今にもこの場を飛び出しそうな気配で、麗華はその空気に危うさを覚えた。

「襲撃者の見当はついているんですか」

 涙は流さず、しかしただならない雰囲気を纏った聖也。ここまで感情を爆発寸前にした聖也を見るのは初めてだった。

「証言者によれば……テグスという男です」
「なっ!?」

 聖也が絶句するに同じく、麗華たちは凍りついた。
 八雲が話していた名前だ。八雲は、仲が良くていつも一緒に馬鹿な話をしたりしているんだ、と楽しそうに語っていた。そんな男が、なぜ?

「動機は不明。しかし証言者は確実に彼だったと言っています」
「……そうですか」

 聖也は苦しそうに言葉を切る。目は充血していて今にも泣きそうなのに、麗華と同じく聖也は涙を流さない。ただ俯くだけだった。

「葬儀は」
「……すでに遺体は燃やしています」
「くっ……」
「遺体に虫が群がるのは我々としても忍びないのです。どうかご理解ください」

 雨が少し強さを増す。
 驟雨(しゅうう)と思われる雨の匂いは、なんだか濡れたアスファルトの匂いに似ていて、昔を思い出させる。

 あの頃には戻れない。

 冷えた身体がびくっ、と震える。麗華の腕の中で気を失ってしまった愛華は、先ほどとは打って変わって柔らかな表情だった。
 その日、愛華は目を覚まさず、麗華は誰とも話さなかった。拓哉と聖也がどうしているのか気にもなったが、今は誰かと話すと泣いてしまいそうだった。

 結局、雨は止まなかった。


    ×   ×   ×   ×


 台風もかくやという風が吹きつける荒野。王城より離れた荒野にあるのは、いわば処刑場だった。そこには大地の裂け目があって、人々には『竜王の(あぎと)』と呼ばれている。
 今朝、王からある男を処刑せよとの命が入った。命令と言っても無理矢理従わせるようなものではなく、友好的な頼みを立場上勅命として出しているだけである。
 ともあれ、麗華たちはその男を処刑するためにこの場に来ていた。不穏な曇天の真下には、一つの十字架があって、それには一人の男が括り付けられていた。黒いローブを着た男の顔は、フードに隠れて見えない。

 王からの情報によれば、

「アイツが八雲を……ッ」
「そうです。私が直々に尋問しましたが、彼がテグスと言う男で間違いない。しかし拓哉さん、落ち着いてください。あまり気を立ててはいけません」
「あ、ああ。悪いな、キリシュさん」
「いえ、私も気持ちはわかります。早く奴を始末してしまいましょう」

 猛る拓哉を宥めたのは白衣の男だった。

「早く新しい素体で実験がしたいですしね……」

 ぼそりと何か呟いていたが、麗華の耳には聞き取れなかった。
 キリシュと名乗るその男は、八雲の出立時にも居合わせた男である。どうやら王城の研究者兼尋問係であるらしい。

「これでようやく仇が取れる……!」

 幼馴染の訃報からは数日が経っていた。あの日以来部屋に引きこもっていた愛華も、とうとう区切りがつけられたようだった。拓哉や聖也にもだんだんと笑顔がみられるようになっていた。
 麗華も、笑えるようになった。

「ねえ、愛華」
「どうしたの、麗華ちゃん?」
「貴女もあの男が憎いの?」
「……どうなんだろ」

 愛華は困ったようにはにかんだ。

「えへへ、ごめんね? でもわたし、よくわかんないんだ」
「……そう」
「八雲くんが死んじゃったなんて信じたくないよ。でもあの人の命を奪っても八雲くんが生き返るわけじゃないから……そう考えると、よくわかんなくなっちゃうの」
「愛華らしいわ」

 麗華は、ごめんねと謝る愛華をなでてやる。くすぐったそうな愛華の顔にはわずかな翳りが見て取れた。

 ――私は、どうしたいんだろう。

 麗華は自分自身がよくわからなくなっていた。八雲を殺したあの男が憎いが、しかし八雲に聞いた人物像からは人殺しをする男には思えない。

 一度話をしてみるべきか。

 だが怖くもある。もし話をして、八雲を殺したと楽しげに語られたりしたら、麗華自身暴走してしまうことは目に見えている。

 切なげな笑みを浮かべる愛華に麗華は目を細めた。

 笑っていていいのかな、なんて思ったりもしてみた。八雲が死んでしまったことによる穴は大きくて、それを埋めるためにはきっとたくさん笑ったりしないといけないだろう。
 しかしすべてを忘れて笑うのは、まだ難しい。拓哉が可笑しくて笑ったりもするし、愛華の可愛らしさに微笑んだりすることもあるが、心の奥底には八雲の死が眠っている。

 彼だったら、こんなときはどうするのだろう。
 一晩考えてみて出せた答えは、やはり笑うことだった。たぶん、八雲だってそれしかできないと思う。麗華がもし八雲の立場だったら、いつまでも自分の死を引きずってほしくない。かと言って忘れられるのも寂しい。
 だから、忘れない。絶対に忘れない。
 それが麗華の、八雲に対する精一杯だった。

 ――あとは愛華を護ること。

 愛華をなでつつ、麗華は拓哉たちを見る。おそらくは拓哉も同じ気持ちなのだろう。剥き出しになった激しい怒りのなかに、わずかな戸惑いが見える。
 だがクラスメイトたちはそうではなかった。

「早く殺して帰ろうよ……」
「人殺しなんて早いとこ殺しちまおうぜ」

 怯えた女子生徒は涙を浮かべ、幾人かの男子生徒は恐怖を否定するように喚く。
 するとその声に触発されてか、十字架に磔となった男の身体が動いた。

「まだ生きてるっ」
「早くやれっ!」

 恐慌状態に陥ったように、女子は自らを抱き、男子が急かす。執行人として選ばれていたのは、幸か不幸か一番の実力者である聖也だった。
 多数の声を浴びせられた聖也は、決心しきれず苦々しい渋面になる。

「ほら、早くやれよっ! そうすりゃお前は英雄だぜ!」

 楽しげな声音は、半年前の事件を起こした張本人、白井親義だった。その言葉に続いて、複数の生徒が悲鳴にも似た金切り声を上げる。

 ――どうして!?

 遠回しに聖也に人殺しになれと叫ぶクラスメイト達の姿に麗華は恐ろしさを感じた。ザイクやセルグは目を見開いて驚愕し、クルトは落ち着いてくださいとなだめる。しかしそれだけで収まるはずもなく、クラスメイト達はさらに声高に叫び始めていた。

「どうしてこんなにっ!?」
「みんな……どうしちゃったの……」

 怯える愛華とともに周囲を見渡した。数人は目が血走っていて、どこか錯乱しているような印象も受ける。まるで誰かに恐怖を煽られているようだった。

「これは王の勅命ですよ? それに、ここで躊躇するようじゃ魔王など到底倒せるはずもありません」

 くふふ、と笑ってキリシュが聖也を煽る。加えてキリシュは聖也に何か耳打ちした。内容までは聞き取れなかったが、聖也の顔つきが豹変したことだけはわかった。

「だめ……」

 愛華の呟き。麗華はそれに触発されて聖也を止めようとし――、

「聖――」
「すまない――“燐光(りんこう)(ほこ)”」

 無感情な詠唱が響いた。
 淡い光で形作られた鉾が、ローブの男の左胸を穿って消える。当然赤い血が噴霧のように噴き出て、苦しみあえぐ声が漏れる。

「あ……」
「聖也……っ」

 その勢いで、十字架が傾き始めた。何度か叫び声らしきものが聞こえ、男の身体から血がまき散らされる。フードの下が見えることはなかったが、男が苦しんでいたことだけはわかった。

 ――なん、で……?

 突如全身から力が抜け、麗華はその場で膝をつく。酩酊状態に陥ったように視界が揺らいで、平衡感覚がおかしくなっている。

「これで俺らも勇者だぜ!」

 歓喜の声が上がったが、麗華はそんな晴れやかな気分にはなれなかった。鬼神のような面構えで人を殺してしまった聖也を見て、本当に昔には戻れないのだと知った。

 十字架が、落ちていった。
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