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初戦開始に爆発

「こうして、第四回二回戦免除大会が始まった まる」

ルールを語ったのは、最初に聞いたあの声……じゃ、なかった。


 さぁ! いまから始まる大会のルールを発表するぜ!


とっても聞き取りやすい、元気な声。きっとこの声の主もテルみたいな例外の人物なんだろうな。

そんな声に皆は耳を傾けて、発表されるルールを聞いていた。


 ルールは至って簡単だ! くじを引いて出来たペアと一緒に戦って勝てばいい。対戦相手はこっちが勝手に決めて報告するから聞き逃すなよ!


「あんな大きな声聞き逃せないよね」

「まぁ滅多なことがなけりゃ大丈夫だろ」


 それじゃあ始めるぜ! 開幕第一試合! 番号11番と2番! 闘技場の真ん中に集まってくれ!


「2番って……なぁサキ」

「ヒカルとミミだ」

これはよく見なくては。

「前の方に行こうよ」

「だな」

わたしとユイカは舞台の近くへと歩いていった。観客席ぽいのはあるんだけど、大体の参加者はそんな遠くじゃなく舞台の周りに集まっているから、わたし達もそれを真似してみた。

舞台上にはもう、ヒカルとミミの2番と11番のペアが距離を開け向かい合って立っていた。

「2人共がんばれー」

「あぁ、頑張るぞ」

「言われるまでもないわ」

ヒカルはこっちを見て手を挙げ、ミミはこちらを見ず腕を組んで答えてくれた。

「ヒカル、分かってるわよね?」

「あぁ、本来ならサキとユイカのようなコンビネーションが出来る場。だがしかし、互いに戦い方を知らない今では相手と一対一で戦うのが得策、だろう」

「えぇそうよ。……馴れ合いは、後で邪魔になるもの」

「? 何か言ったか?」

「何でもないわ。早く初めて、早く終わりましょ」

「あぁ」

ヒカルは思い形見のレイピアを抜き、ミミは、

「ミミ? 貴女、武器は?」

手に何も持たず、両腕を下げたまま、ただ立っていた。

「そうして持つ物じゃないのよ。気にしないで」

ということは、ミミもわたしみたいに拳で戦うのかな?


 互いの準備が出来たみたいだな。それじゃ、開幕戦を始めるぜ!


空中から聞こえた声が一瞬途切れ―――


 スタートだ!


開始の合図早々、近距離戦のヒカルと、ミミが前に飛び出した。

一方の11番ペア。男女のペアで、男の人はドライバー、女の人は包丁を持っている。向かってくる2人を迎え撃つようにそれぞれ思い形見を持って待っていた。

「参る!」

ヒカルは女の人の方へ、手に持つレイピアで包丁と対峙する。やっぱり使い慣れてるっぽいヒカルの方が優勢だ。

ミミの方はというと、男の人の少し前で立ち止まり、何故か腕を組んだ。

「ほらどうしたの? かかって来なさい」

分かりやすい挑発だった。

「アッチはヒカルが勝ちそうだけど、そしたらアンタ、二対一よ? それでも勝てるってならそこで見てなさい。アタシも攻撃しないから」

腕を組んだまま、ヒカル達の方へミミは視線を向けてしまった。戦いに集中しててヒカルは気づいてない。

「……」

男の人はドライバーを持つ右手を握り閉めている。

「ありゃ怒ってんな」

「へ?」

「だってそうだろ。アイツとミミじゃ歳が離れてる、そんな年下にあんなこと言われりゃイラッとするぜ。オマケに自分を見てないし手ぶらで腕組んで、余裕綽々に見えて……あの握り締め方だと…」

男の人が動いた。

数歩進めば届く距離で横を向くミミの顔目掛けてドライバーを突く。

しかし、

「……やり易くて助かるわよ」

首だけ動かして、ドライバーはミミの肩の上を通過。

「はぁぁ!」

その腕を掴み、なんとミミは男の人を背負い投げした。

背中から地面に叩き落とされたけど、痛みを感じ無い空間だから男の人は素早く起き上がり。

ミミはその背に回っていた。

「一回でいかなかったら、ゴメンナサイね」

素早く、指を真っ直ぐにして首の後ろに叩き込む。

その一撃で、男の人は膝を付いてその場に倒れ込んでしまった。

「おー、凄いね」

「首筋への手刀一発かよ。普通出来るもんじゃねぇぞ、的確な場所に強い力を与える必要があるからな……アイツ、強いぞ」

あ、ひょっとしてクロがあの扉の先で見たすっごい強い女の人って、ミミの事かも。

「ヒカルの決着がつく前にミミが勝って、これで二対一だな。こりゃ2人の勝ちで決定だ…」

その時、何か甲高い音が聞こえて、

「しまった! 2人共!」

ヒカルの声が聞こえた。

「?」

「なんだ?」

何事かと見れば、わたし達へ向けて弧を描きながら女の人が持っていた包丁が落ちてくるところだった。多分ヒカルが弾き飛ばした結果、わたし達の所へ飛んできたんだろう。

「へ、あんぐらいならあたしが叩き落としてやるよ」

「いや避けようよ」

わたしは少し下がったけど、ユイカは右手を握って包丁を殴り落とそうと構えてた。

ユイカの下に、というか落下地点に動いたユイカの下に落ちてくる包丁へ、右ストレートを……


 あ、言い忘れてたが舞台の周囲には見えない壁があるから何かが飛んでくるようなことはないぞ


ガンッ!

その見えない壁というのに包丁がぶつかり、ユイカの拳は届かなかった。

「んだよ、もう少し早く言え…」


瞬間、ユイカの拳が爆発した。


突然の爆発に周りで見てた人の視線が集まる。明らかに皆驚いてるけど、

「いぃ!? な、なんだ!?」

一番驚いてたのは張本人のユイカだった。

大部分が当たった壁がまだ振動してるのを見るに、かなりの爆発だったんだなー。

でもなんでいきなり爆発……爆発?

「……あ。ユイカ、大丈夫?」

「もうちょっと早く心配しようぜ。……まぁ起こったのが拳と壁の間で、手が爆発した訳じゃねぇから傷は無ぇな」

「そっか」

「ユイカ! サキ! 無事か!?」

ヒカルが舞台の上から慌てて駆け寄ってきて訊ねた。元の原因が自分の飛ばした包丁だからかなり心配してるっぽい顔でわたし達を見た。

「おぅ、何ともないぜ」

「それよりヒカル、相手の人は?」

「む、それは……」

「問題無いわ」

見れば、手刀を当てた格好のミミと、倒れている女の人がいた。


 おーっと! 突然の爆発に驚いてる間に勝負の決着がついていた!

 初戦の勝利を掴んだのは、2番のペアだ!


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