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再開と分割

「扉を抜けた先は、闘技場だった まる」

「いや見りゃ分かるだろ」

引いて入った扉の先は、本当に闘技場だった。

外国にある、コロッセオとかいうのに似た建物があって、扉から出た場所はそこへ繋がる一直線の道。

そこには沢山の人がいた。多分、全員わたしと同じ参加者の人だろう。

「どうやらまだ始まってはないみたいだな。間に合ったぜ」

「で、どうすればそれに参加出来るの?」

「あ……そういや、それ聞くの忘れてたな」

とりあえず、前に見える建物に向かってみることにした。もしかしたら受付とかあるかも。

「おー」

「まさに闘技場だな」

建物の中は、分かりやすい内装をしていた。

建物の上に屋根は無く、夕方のような色の空が見える。真ん中には大きな舞台があり。そこで戦う人を見るようにか、周囲は一段高く観客席のようになっていた。

ただ、そこかしこにも人はいるが、受付っぽいものは全く見当たらない。

「ひょっとしたら……終わった直後だったりして」

「げ、マジか……」

「いや、まだ終わってないぞ」

「お、なら安心……ん?」

「今の声って……」

振り向いて見ると、そこには、

「ヒカルじゃねぇか」

「シキも」

「久しぶりだな。サキ、ユイカ」

「こ、こんにちは」

手を腰に当てたヒカルと、ぺっこりと頭を下げたシキが並んで立っていた。

「2人共、どうしてここに?」

「私は偶然ここにたどり着いたんだが、ここで二回戦免除の戦いが開かれると聞いて残っていたんだ」

「あ、あたしは、2人と別れた後に入った扉が、ぐ、偶然ここに繋がっていて。そ、それで、ここにいれば2人にまた会えるかなと思って」

2人共すごい偶然だ。

「だがしかし、もう大分待っているのだが一向に開かれる気配がないんだ。待ちきれずに数人程出ていってしまうくらいだ」

「うーん、何か条件でもあるのかな?」

確かハカセは、誰かが戦いの半分をこなしたりしたら開かれるとか。色んな条件があるって言ってたけど。

「ふーん……まぁいいさ、間に合ったなら。この辺にいる奴等と戦って時間潰してればいつか開かれんだろ」

と、その時、

「スミマセン。そこの繋がれた方」

確実にわたしとユイカを呼ぶ人の声が聞こえた。

ヒカル達含めて4人で振り向いた先には、もちろん声の主。

「初めまして。テルといいます」

身長と体格はわたしに似ていて、身を包むのはどこかの学校の制服。首元までの長さで、前をピンで止めた緑色の髪。そして手には、今は珍しい折り畳み式の携帯電話を持っていた。多分同い年の女の子。

「話はハカセより聞いています。二回戦免除戦第四回。参加しますか?」

「おぅ、その為にここへ来たんだからな」

「では、その準備を行いますので、こちらにいらして下さい。そこのお二人は、もし参加するのであれば、この後に流れますアナウンスの指示に従って下さい」

ではこちらに、とテルの導きに従ってわたしとユイカはヒカル達、更には他の参加者が見当たらない場所にたどり着いた。

「わざわざこんな人気の無い所まで来る必要あるのか?」

「見られてはいけないので……ところでですが」

「ん?」

「……丁寧語、やめていいかな? 年上なら我慢してたけど、多分タメっぽいし」

ムリして丁寧語使ってたんだ。

「別に構わないぜ、なぁサキ」

「うん、その方が楽ならそれでいいよ」

「そっか。なら、そうさせてもらうね」

丁寧語が外れて口調が変わったテルは、さっき以上に同い年っぽく見えた。

「と言っても、ずっとこの世界に居るから年齢とか忘れちゃったけどね」

「そんなに長いのかよ」

「まね、キキちゃんやミカと一緒に特別な存在になってから大会はもう十数回開かれてるから。そもそもここ時間の感覚が無いし」

まぁとにかく、と口調が砕けたテルは携帯電話を開いた。

「まずは参加出来るようにするよ。ちょっと紐借りるね」

わたしとユイカを繋ぐ黒い紐にテルは触れると、何故か携帯を閉じて挟んだ。

「? いったい何やって…」

瞬間、携帯電話が爆発した。

「いぃ!? 何やってんだ!?」

「まぁまぁ。見て」

爆発でたった煙が次第に薄れてくる。爆発したのにケガの一つもないテルの手が引かれ、全く壊れてない携帯電話を見た時には煙は無くなり、そこにはわたし達を繋ぐ黒い紐が―――無かった。

紐の端があった左腕のブレスレットにも何もなく。切ったというよりは…

「爆散?」

爆発だけに。

「散らしたのかよ」

「見えなくて触れられなくしただけだよ。これで2人共紐の心配は無くなったね。それで、ハカセからの伝言があるから、言うね」

携帯を開いたテルは、画面を見ながら語りだした。そこに書いてあるんだろう。

『サキとユイカへ。テルからこの伝言を聞いているということは、闘技場で免除戦に参加するということだな』

なんか遺言っぽいなー。

『先に説明しておくが、免除戦は二人一組がルール。だが2人が誰かと組むとそれはズルイ。そこで君達を2人の参加者としてペアにすることでルールに従うようにするのさ、方法はテルに伝えてあるからこの後にやってもらうといい』

先にやってしまったけど。

『2人が参加者になるということは、つまりユイカもサキ同様に体力の消費で倒れるということだ。倒れないからという理由で特攻、という技は使えなくなったからな』

「げ……つことはアタシは打撃だけなのか?」

『だが心配ないぞ。サキの能力はそのまま使えるし、参加者となったらユイカに能力を渡せるようにしておいた。まぁ目の前にいるテルの能力をユイカ向きに改造したものだけどね』

テルの能力って、もしかして今の……

『ちなみにそれはその場でしか通用しないから、免除戦が終わったら闘技場を出る前にテルに戻してもらってくれ。では、頑張ってくれ』

伝言が終わり、テルが携帯を閉じた。

「という感じだけど、何か質問は?」

ふむ、わたしはだいたい分かったけど。

「アタシに能力が渡されてるらしいが」

「うん、あの爆発の瞬間、ユイカは参加者になって、ワタシの能力を少し貸したんだ。そう、爆発だよ」

やっぱり、爆発かー。

「爆発の能力って……お前、どうやって死んだらそんな能力付くんだ」

「もちろん、爆死だけど?」

「んなあっさりと……」

というか爆死ってどうやるんだろ?

「ハカセが言うに、能力の発動条件は参加者それぞれだから自分で見つけるようにと」

「条件か……サキも見つけるのに時間かかったしな」

「でもその能力はここでの戦い限定なんでしょ?」

「確かに、つかもうすぐ始まるんだろ?」

「それについて、コレを」

テルが渡したのは一枚の紙。白い紙で、真ん中には16と書かれている。

「コレは?」

「ペアの番号だよ。それで呼ばれるから……それじゃあ、ワタシも準備があるから。頑張ってね」

「おぅ、サンキューな」


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