輝きを失わない女 9
1色目 『輝きを失わない女 9 』
私が寝転がっているこの家の一家の名前を私は知らない。
私が知っているのはメンバーの家の位置だけ。名前なんて元から聞く気は無かった。
情が移るという訳ではなく、本当にそんなこと気にしていないだけ。
だから私は迷うことなく全てを子考に曝け出せる。
いつも強がって次女としてしっかりしている自分ではない、
ただ子考に私の全てに触れて貰いたくて、
匂いを嗅いで貰いたくて、
味を確かめて貰いたいと一心に思う一人の貪欲な女の素顔を。
それが殺害現場だったとしても、気にはしない。
彼がこういう場所でしか性的な興奮を感じることが出来ないのだから、これは
仕方がないこと。
道徳に背いた行為を犯しすぎた私達には罪悪感も死者への弔いの気持すら
持ち合わせていない。
最低最悪外道な人間ですいません。
・・・て言えば満足していただけるのかしら?
「我が主、御身体は大丈夫ですか?」
子考の言葉に心が温まる。素敵よ・・・本当に素敵な私の子考。
「あんなことをしておきながら、あなたがそれを聞くの?」
「・・・も・・・申し訳ありません、我が主」
意地悪な質問をすれば子考の頬が赤く染まって可愛さ倍増。あぁ、子考が
素敵すぎに本当に倒れそうになってきた・・・。
「子・・・子考・・・」
「はい、我が主」
「・・・もう一回・・・キスをしてくれないかしら」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
立ち止まる私と子考。寒空の下、身体は先程の行為でまだポカポカしている。
「・・・」
「・・・」
握っていた手が更に強く握られているのが分かる。
だから私も強く握り返してそっと顔を上げた。
子考と目が合う。どうしよう・・・私、また身体が・・・。
「・・・子考・・・」
「・・・主・・・」
私の唇と子考の唇の距離が縮まっていく。
よし、脳内BGMは大和なんちゃらとかいうドラマの主題歌でも・・・。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
!!!!!」
「・・・」
・・・無視。無視よ無視無視。
「し・・・」
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああ!!!!
元姉えええええええええええええええええええええええええええええええ
えええええええええ!!!!いやああああああああああああああああああ
ああああああああああああ!!!」
「っ・・・・・・」
・・・・・・無・・・・・・視・・・・・・・・・む・・・・・し・・・・
「殺してやる!!殺してやる!!君ヶ主妹ぉぉおおおおおおおおお!!!!!」
「・・・!!!!!!」
「あんのぉ、糞どもがあぁっっ!!!!!!!」
脇夏馬鹿姉妹とうちの馬鹿妹、両方いっぺんに死ね!死ね死ね死ね死ね!!!
キスを断念して走り出す私と子考。
マジで許さねえ。許してやんねぇ!!
私と子考のイチャイチャタイムを壊した3人とも、全員地獄送りにしてやる!!!
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
嫌だわ。私の顔、今きっと酷く歪んでる。恥ずかしすぎるよぉ・・・・。
子考、どうか今だけは私との距離を多めに取ってね!
・・・取らなきゃ殺す。




