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輝きを失わない女 8

1色目        『輝きを失わない女 8』


この町の人間はみんな他人に興味を抱かない。だが唯一他人に興味を抱くとしたら、


それはその人を愛しはじめたということだ。


わたしのおうちはコンビニエンスストアーとか経営してまして、たまに


深夜のレジ打ちを娘であるわたしがやる時がありますの。


座って雑誌を読んでるガキやズボンに手を忍ばせる親父に、店内でおでんを


食いだす女などなど、相変わらず無法地帯で無関心なこの町の住人達。


でもね・・・、でも・・・アンタだけは・・・アンタだけは・・・!!!




「ねーよ」


「は?」


はっ、しまった。つい声が出てしまった。


「あ・・・あはははは、なんでもないのよ君ヶ主さん」


「そう。では早く肉まん二つ」


「あ、はいはい。肉まんね、肉まん肉まん・・・」


笑顔を無理やり作りながら肉まんを蒸し器から取り出す。


でも身体は正直ね。


トングがさっきから小刻みに震えている。あぁ・・・接客業って嫌!


なんで全身血まみれの女に平静を保ちながら肉まんを渡して、その代金を


受け取らなければいけない訳?!ていうか、普通そんな恰好で店に入ろうって



気は起きないわよね?起きるの?いくらなんでもそれはご都合主義って奴じゃ


ないの?


創作と現実を同じベクトルとして考えるな?ベクトルってどういう意味よ。


使い方がわかんない!!!


「・・・えっと・・・240円になります」


「はい」


君ヶ主次女はジャスト240円を置くと、肉まんの入った袋を血の付いた手で


持って出て行った。


・・・よかった、嵐が去ったのだ・・・。



「・・・」


なんとなく横目でその背中を追って見てみると、案の定あのちょいゴリマッチョも


一緒にいた。


しかも日本刀を手に持って。






「・・・・・・ん?」


ん?日本・・・刀・・・?


高校生カップル(一人血まみれ)が深夜、


日本刀を持ちながら近所を徘徊・・・。





気付けばわたしは店を留守にして二人の後追っていた。



この町で生まれ育ったわたしは、他の人間同様、他人に興味など抱かずに


生きてきた。


なのに何故わたしは今走っているのか、分からない。



でもこれだけは言える。







わたしは君ヶ主のことは大っ嫌いだ。














「元姉、もう12時だから寝ろってお父さんが・・・。



・・・・・・・元姉?」



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