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輝きを失わない女6

1色目        『輝きを失わない女 6』


彼が私に性癖のことを教えてくれたのは付き合い始めて1か月くらいたった頃。


近くの喫茶店に呼び出されて告白された彼の性癖について私は何も驚かなかった。


うちには三女の例があるから、今さら何を言われても驚くことは無い。


なのに、彼は私に何度も何度も頭を下げた。


「軽蔑したならそれでもいい」「別れたいなら別れてもいい」「でも俺は君に嫌われても、


君のことをいつまでも愛しているから」・・・なんて、体格のいい彼がとても


小さな子供の様に見えたの。


まるで親に捨てられまいと必死で頑張っちゃう子供の様で、私の彼への愛はますます


濃くなっていった。


両手で彼の顔を包み込みながら、上を向けさせる。彼ったら目を丸くしちゃって、可愛い。


・・・そして言ってあげたの、私はそんなこと気にしないって。


むしろあなたの力になってあげたい。


彼はまだ驚いていた。まあ、たしかに一般人がそんな話を聞いたら警察へ通報か、


猛ダッシュで逃げるかのどちらかだろうし。


でも安心して。私はあなたのことを変とは思わない。


だって特殊性癖を持った人間は人類であなた一人だけじゃないんだし、


気に病むことは無いのよ。


私の言葉に項垂れる彼。あぁ・・・なんて可愛い姿なの。


惚れ惚れしながら見ていたら彼は徐に私の手を顔から離して、うるんだ瞳でこう言った。


「君のことを・・・主って呼んでいいかな?」


は?何それ。漫画の読みすぎなんじゃ・・・。


「俺は・・・君の下で、君のために全てを尽くしたい」


・・・。『尽くす』という言葉に私の支配欲が反応した。


だってそうじゃない?こんな体格のいい、好みの男が私の下について私のために


何でもしたいなんて宣言されちゃったら・・・。うふふふ。






だから私も本音を彼にぶつけてあげた。










「人殺しってことは、その人間の命を奪うってことよね。それってつまり


 

 強奪ってことでしょ?


 

 ・・・私、誰かの物を奪う行為ってとても甘美なことだと思うの」





子考が持ってきた武器(本日は日本刀)を持ち、家の中を歩き回る。


誰も彼もみな死んでいた。


殺したのは私。それを見つめる子考。


その目はギラギラと輝いていて、私も釣られて濡れそうになってしまったけど・・・


でも、ダメ。


まだまだ殺す相手が残っているんだから。制服を返り血に染めたまま家を出て行く私と子考。


玄関先では先に避難させていた犬と猫が仲良さそうにじゃれ合っていた。


ごめんなさいね、あなたたち。この家の人間はもう誰も生きてないし血生臭いから、


明日からはこの町の誰かに餌と暖かい寝床を貰って頂戴ね。


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