輝きを失わない女3
1色目 『輝きを失わない女 3』
父は私たちをこの名も無い町に置いて行った。今日も父はどこかで女を口説いては、
また新しい姉妹を量産しているのであろうか。
・・・全く、男の性欲というのはどこまでも貪欲で浅はかなものなのだろう・・・。
「は・・・はーい!君ヶ主さん。お元気?」
声を掛けてきたのは恐らくクラスメートだと思われる女。
左目にいつもアイパッチを付けている、どこか根暗っぽい雰囲気の・・・
えっと・・・・。
「失礼。私、あなたの名前を覚えていないの」
「・・・・」
引き攣っていた笑顔が更にヒクヒクと痙攣を起こしている。
病院へ行った方がいいんじゃないのかしら?気持ち悪いわよ?
「あ・・・あはははは・・・。そ、そうだよね、名前名乗らなきゃね。
わたし、脇夏 元譲。一応、あなたと同じクラスになるのはこれが
3回目なんだけど・・・あはははは・・・」
「そうだったの。知らなかった」
率直な意見を述べると脇夏さんの表情が固まった。固まったというか睨めつけられて
いるのかしら?
何か悪いこと言ったのかな、私。
「私、妹の妙才!」
脇夏さんの横から出てきたのは、明るい感じの脇夏さん。脇夏さん2としよう。
「・・・初めまして?」
「残念。私も元姉と同じでアンタと同じクラスになるのはこれが3回目」
「そうなの?全く気が付かなかった」
嫌、本当に気が付かなかったわ。姉妹揃って存在感がないのね。
「それで、何か御用なの?」
「・・・え・・・えっと・・・それは」
「私たち、アンタの妹に復讐してやるから!覚悟しなさい」
「ちょっ!妙才」
慌てる脇夏1と私に指を指す脇夏2。この女・・・私に指を指してやがって、
マジ気に入らねえ。
その手入れされてねぇ汚い指、折り曲げて貰いたいのか?
「お好きにどうぞ」
脇夏1と2から醸し出される辛気臭さに耐え切れず席を立つ。ゲロゲロ。
それに妹が何されようが知った事じゃないのに、何で話し掛けてきたのかしら。
「とても不思議ね。子考」
そう言って振り返ると、私の隣に歩いていた子考がゆっくりと頷いた。




