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輝きを失わない女 10-2

1色目        『輝きを失わない女 10―2』


わたしは悪の秘密結社に拉致されて改造人間にされてしまった。


・・・そんな感じでどうだろうか?




・・・痛い。痛すぎる。もうやだ、このまま1週間ぐらい寝込んで妙才に一杯看病して


もらうんだい!


お姉ちゃん特権で、1週間わたしの食べたいものを全部妙才の自腹で買って貰って、


口に入れて貰って、介抱してもらいたい!それでいい、それでいいから・・・。


だからわたし、死ぬな。生きろよわたし。








・・・馬鹿だった。


姉が馬鹿だということに何故気付かなかったんだろう・・・。いや、違うか。


今は姉が馬鹿だとかはどうでもいい訳で。


落ち着け、状況を把握。


姉が店から消えていた→町内を探す→姉発見→姉倒れている→その横に立つのは、


君ヶ主三女。


「・・・元姉?」


恐る恐る姉に近付いてみる。


三女は口の中で何かを噛んでいて、でも私と目があっても全く動こうとしない。


つまり攻撃の意思は無い?のかな。とりあえず何で倒れているのか分からないけど


姉を回収しなきゃ。


三女に襲われたら私達姉妹、今日が命日よ?!


「元姉・・・帰ろう・・・?」


姉の肩を摩るとドラマに出てくる遺体の様に、姉の身体が私の方に向かってゴロリと


転がってきた。


一見ただ気絶しているように見えた姉の姿、だが何故だろう。私の心が落ち着かない、


胸騒ぎがする。


「・・・元・・・姉・・・」


私達を余所眼に直立不動で口を動かし続ける君ヶ主三女。


クチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャ


クチャクチャ・・・


「・・・」


指でゆっくりと姉の瞼を開けてみると、そこには空洞が出来ていた。


あるはずの姉の眼球が・・・無い。


無い。


無い。


無い。


無い。


無い。


無い。


無い。


無い!


「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ


あああああああああああああああああああああああああああああああああ


あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」


クチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャ・・・。


「きゃああああああああああああああああああああああああああああああ


ああああああああああああああああああああああああああああああああああ


あああああああああああああああああああああああ!!!!


元姉えええええええええええええええええええええええええええええ


えええええええええええ!!!!いやああああああああああああああああああ


ああああああああああああ!!!」



クチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャ・・・。



クチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャ・・・。



クチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャ・・・。


・・・なにこれ?ねえなにこれ?なんでこうなってるの?なんで・・・?



・・・!



「・・・ねえ君ヶ主さん・・・」


クチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャ・・・



「あなた今・・・何食べているの?」



クチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャ・・・



「・・・ねぇ・・・教えてよ・・・」



クチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャ・・・・・



『ゴックン』



「眼球」


「・・・」


「そこで寝ている人の右目」


「・・・」


「?」



なんで不思議そうな顔してるのコイツ?


「・・・どうして?」


「?」


「どうして・・・どうしてこの人の眼球食べてんの?」


なんで同じ人間の眼球を両方食べてんのよ化け物!!


「こ・・・この人・・・あなたに何かした?・・・あ、その・・・昔一回くらいは


何かしたみたいだけどさ?でもさ・・・最近は特に・・・ていうか


全然関わって無くない?あ・・・あんた、この人間にケンカ売られたこと・・・まだ


根に持ってんの?!何か不満なの?ケンカ売られて、


それが許せないの?でもあんたたちが勝ったじゃない、この人は・・・お姉ちゃんは


負けたんだよ?


あんたに左目まで潰されて、不自由な思いいっぱいしてきたのに!


何でお姉ちゃんばっか狙うのよ!


あんたはお姉ちゃんの何が不満なのよ!なんでこんな惨いことするのよ!


何で・・・ねぇ何で!!!」


「・・・?」


・・・あぁ・・・コイツダメだ。まったく私の言葉が聞こえて無い。


何?なんなのコイツ。快楽殺人者って奴?気持ち悪い、本当に気持ち悪い。


こんな奴が平然と同じ学校に通ってるなんて、普通に何不自由ない生活を


送ってるなんて・・・許さない・・・許さない・・・!!!



「・・・えっと・・・」


「何よ」


「えっと。おいしいから」


「・・・は?」


は?は?は?何言ってんの?


「この人の眼球、おいしいから。だから私、食べた。お腹が空いていたから、


歩いてる姿を見たから。だから声掛けた、逃げそうだったからさっさと眼球取った、


食べた」


「・・・・・・あ・・・味は・・・?ど・・・どんな味なの・・・?」


「えっと・・・。・・・うん、おいしかった。すごくおいしい。


身体は食えたもんじゃないけど、この人の眼球だけは、本当においしいの」




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふ・・・ふざけるな・・・」


「?」


いつも馬鹿な姉と馬鹿な姉に似た妹の私。姉妹揃って馬鹿だから・・・だからきっと


ずっと治らない。


・・・でもせめて、コイツに一矢報いてから死んでやりたい!


「殺してやる!!殺してやる!!君ヶ主妹ぉぉおおおおおおおおお!!!!!」



何も武器を持たない私は素手で君ヶ主三女に襲いかかった。


三女は直立不動のまま私の拳を片手で受け止める。だが諦めない、空いた手でもう一撃。


やはり三女は片手で私の拳を受け止めた。両者両手が使用不可能。なら足を使って・・・



「お腹空いてきた」


瞬間、私の拳を掴んでいた手が離れ、突如屈む三女。


「へ?」


そしていきなりストッキングごと私の太ももに噛みつく三女。太ももに激痛が走る。


「痛いっ・・・痛い・・・痛い・・・痛い!!」


三女の歯が私の肉に貫通している。このまま何もしなかったら私の足はきっと


食い千切られる。


嫌だ、そんなこと絶対に嫌!


「離して!離してよぉ!!」


私は無我夢中で三女の頭を何度も殴り続けた。だが三女は離れない。離れてくれない。


「離・・・せ・・・!離・・・せ・・・!」


涙で視界がぼやけてきたが、それでも私は殴り続ける。コイツはお姉ちゃんの両目を


奪ったんだ。


「は・・・はな・・・っ・・・」


痛みと涙で意識が朦朧としてきた。それでも殴らないと・・・私は・・・私は・・・


「あ・・・うぁ・・・・ぁ・・・」


・・・お姉ちゃん・・・お姉ちゃん助けて・・・。助けて・・・助けて・・・


「・・・お姉・・・ちゃ・・・」




私の太ももから肉片が剥がれそうになったその時、ヒーローは突然現れた。









まったく、私って本当に用意周到な女。自分で言っちゃうのはアレだけど、


私って本当によく出来た女だと思うの。ねえ、あなたもそう思うでしょ?子考。


子考とのキスを断念して妹が(なにをしでかしているのか)心配で来てみれば案の定、


問題を起こしている最中。しかも相手は確か私と同じクラスの脇夏1と2。


1は死亡(?)、2は現在殺害中・・・か。正直お二人がどうなろうが知ったこっちゃあ


ないけれど、


まあ仕方がない。助けてやるか。


「玄徳うううううううううううううううううううううううううううううう!!」


夜空の下で妹の名を叫びながら、私は片手に持っていた物を投げた。






「新しい餌よおおおおおおおおおおおおおお!!!それーーーーーーーー!!」


昔見ていたアニメに毎回出てくるお決まりのセリフが耳に入ってきたので


意識が薄れる中で声がした方向を向くと、声と一緒に何かがこちらに向かって


投げられきた。


あれは・・・新しい顔・・・じゃないけど、どう見ても・・・人間の頭部だ。


「!」


太ももを今まさに食い千切ろうとしていた三女が太ももから口を離し、


私から離れて投げられた頭部に向かって飛んでいく。


・・・あぁ・・・やっと解放されたのか・・・。まだ肉は・・・くっ付いていたか・・・


よかった・・・よかっ・・・た。






元気100倍になったかは知らないけど、妹は頭部を受け取ると直ぐにかぶりつき


食事を再開。


脇夏2は1の上に重なるように倒れ込んでいた。


仕方ないからまだ死んでないであろう1と一緒に回収してやろうかしら。さすが私、


優しい女。



そう思うでしょ子・・・。・・・?あら、子考、何息を切らしてるの?軟弱さんね。


さっきまであんなにハッスルしていたのに・・・フフフ・・・。









なんだかさっきから身体が重いし、うるさいし。妙才は何してるんだか・・・。


あれ、そういえばわたしなんでこんな目に遭ったんだっけ?

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