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輝きを失わない女1

プロローグ


この町に名前は無い。恐らく地球のどこかに存在しているはずなのだが、


あまりそういったことはみなどうでもよく、誰も気にしていなかった。


この町は不思議だ。愛玩動物とそこら辺に咲いている草花には優しいが人間には一切優しさがないし、


優しくする気も無い。極端に言えば興味を抱かないのだ。


そんな人間が人間を放任しているこの町で、俺たち弟塚ていづか3兄弟は今、


それぞれの恋愛成就のために日々奮闘していた。






1色目        『輝きを失わない女 1』



「また事故ったんだってな、文ちゃん」


みそ汁を啜る弟の声に、俺はご飯をよそっていた手を止める。


「・・・また?」


確認すると、漬物を箸でつまみながら弟は頷く。


「また」


俺が机に置いた茶碗を掴み取り、白米を口に入れながら弟は話を続けた。


「今度は俺の嫁さんグループが3年の男子をしめてた時に、偶然たまたま


現場の目の前にある道を歩いていて、3年男子が最期の力を振り絞って投げつけた


釘付きバッドが嫁さんグループの間をすり抜けて、目の前の道で靴紐を直して


立ち上がって振り向いた文ちゃんの額に激突。すぐに救急車で運ばれたから


命に別状は無かったらしいけど、病院が検査費をぼったくりたいからって


無理矢理1週間の入院命令。お陰で公兄ちゃんはまーたお見舞いの毎日ってわけだ」


「へぇ・・・」


毎度毎度凄い事故の遭い方をするな、我が主の姉君は。


「じゃあ俺もう行くな。嫁さん迎えに行かなきゃいけないし」


朝食を食べ終えた弟が席を立つ。時刻を見るともうすぐ8時になる。


俺も我が主のために絨毯を引かなければいけないので、仕方なく食事を中断して


食器を流しに放置したまま家を出た。













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