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戦国タイムトンネル  作者: サクラ近衛将監
第二章 与えられし能力

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2ー4 スキル その三

 俺(浩一郎)の居た令和の世界なら10グラムの金は18~20万円程度の筈。

 それが32万円超の価値ということは、これって絶対お得だよね。


 仮に純金の重量が10グラムではなくって、約18グラム程度ならこの値段で合っているんじゃが・・・。

 いや、どう見ても0.5㏄ほどしか無かったと思うし、0.9㏄(18グラム相当)までは無かったと思う。


 いずれにしろ、何を買うにしてもポイントが必要やから、何とかして純金を集めねばならんよな。

 取り敢えずは、地中から採取するのが手っ取り早いんやが、できれば金鉱山にでも行って、ガッツリと採取してみたいところじゃな。


 普通の花崗岩に含有する金は10トン当たりで20mgから700mg程度なんだ。

 そうして所謂金鉱山と呼ばれるところでは、トン当たり3g以上を言う。


 九州の菱刈鉱山のトン当たり20~40gというのはかなり特別なんだそうな。

 因みに銅鉱石なんかからも金は採取できるんやが、トン当たりでは0.1~1g程度で、それでも花崗岩から金を採取するよりは余程効率的なようやな。


 10トンあたりに換算すれば1,000mg~10,000mgになるからな。

 何故花崗岩の例を出したかと云うと、日本の国土はかなりの部分が花崗岩からできているからなんや。


 土壌にだって花崗岩の微小な細片が入っている。

 まぁ、水で攪拌されると金が重いので下に潜ってしまうけどな。


 こんな微小な含有量では金鉱としては採算が取れないから誰も手を付けないんじゃ。

 単純に言って、1トンあたり0.07g程度の金じゃ肉眼では確認できないはずや。


 俺の場合、目に見えない金であってもサーチで認識できれば採取できる。

 だから金鉱でもないのに地面から僅かながらの金が採掘できると言う訳や。


 仮に銅鉱山に行ったなら、トンあたり0.5gでも、今の能力なら一日で440g近くの金が採取できると思うぜ。

 これが、金鉱であればトン当たりでその6倍になるからな、おそらく一日で、15~30キロ程度の金が採取できるんやないかと思う。


 まぁ、捕らぬ狸の皮算用やけどな。

 佐渡の金山は、伝承にしろ、認知されたのは11世紀やったが、戦国時代はその存在が秘匿されていたようやし、金山の一部は未発見やった可能性もある。


 だから佐渡とか有名な金山に行けば、大量の金が採掘できる可能性もあるが、今は我慢の子じゃな。

 金鉱石を採掘した後の廃土や廃鉱石でも、今の俺なら金が抽出できそうな気がするぜ。


 いずれにしろ、先ずは金を集めて、色々通販で買えるようにしなけりゃ、この先、戦国時代を生きて行くのもなかなか難しそうな気がするぞ。

 俺のトト様、足軽組頭かそれ以上なのに、意外とつつましい生活しとるもん。


 これじゃぁ、カカ様が可哀そうじゃ。

 まぁ、これからトト様が徐々に成り上がるはずじゃから、カカ様も今が我慢のしどころなのかもしれんがな。


 今は仮住まいやからトト様の郎党も同居できない状態で、別のバラックに住んでおるようじゃ。

 そっちには飯炊き女もおるようじゃが、我が家の方は、俺が病弱だったこともあってカカ様が一人でやっておるんじゃ。


 そもそもカカ様は、岐阜の城下町の長屋に住んで居ったのじゃ。

 トト様が今浜の城造りで単身赴任しておったんじゃが、どうも俺(与一郎)の塩梅が悪うなって、このままではあかんと思い、カカ様が一月前に岐阜からわざわざ今浜までわずかな郎党を引き連れて出張ってきたようじゃ。


 カカ様も、本当に俺が死ぬかもしれんと思ったからこそ、トト様と最後の別れをさせるために無理して出てきたようじゃな。

 本当は、城や城下町を普請した後でちゃんと住むところができたなら家財まとめて引っ越す予定じゃったのだ。


 だから、今回は岐阜から必要最小限の品を持って来たし、そもそも俺は荷車に載せられてきたようやな。

 まぁ、与一郎が今浜までやって来たおかげで、俺が与一郎の身体に入り込めたのかもしれん。


 俺の叔父貴にあたる木下藤吉郎は、水のみ百姓の(せがれ)から最終的には関白にまで成り上がった。

 でも、その弟だからと言って、大した功績もなしに織田家中で成り上がるのは難しかろう。


 可能ならば、俺が色々と手助けしようとも思う。

 それはともかく、今、俺は、与一郎の(おぼろ)げな記憶に従って、最寄りの川辺りに向かっている。


 向かっている先は、多分、長浜新川の支流?

 いや単なる農業用水の水路かもしれんなぁ。

 

 昔からこの周辺は農地として利用されているから水路が結構張り巡らされているんや。

 そのことは多少知っていても、この今浜に来てまだ日が浅いので、与一郎自身は川の名前もよう知らんのじゃ。


 場所的には、令和時代にあった駅の東側のコンビニ近くじゃなかろうかと思うのやが・・・・?

 仮住まいの長屋から2町か3町ほど離れた場所に、小川が急角度に曲がっている個所があるんや。


 地形的に見て、おそらく長浜駅東側にあるコンビニ店の近くにあった水路じゃないかと思うんやが、令和の時代と風景が何もかもが変わっているので正直なところ俺にも見分けがつかん。

 それに、この近辺も城下町の縄張りに入っているらしく、あちらこちらで土木作業が行われている。


 俺はそれら作業の邪魔にならんよう、人気(ひとけ)の無い川辺り(かわべり)にやってきた。

 令和の時代では、高さのある石垣が組まれた水路だったように思うが、この時代は自然形成の岸辺じゃな。


 川岸の土手には普通に雑草や灌木が生い茂っている。

 緑が一杯なんだが、令和の時代、長浜の街中ではなかなかにこれほどの自然の緑は無かったな。


 俺が知っているのは新川沿いの河川敷(かせんじき)に雑草が生い茂っていたのと、八幡宮(長濱八幡宮)の境内が森というか緑が多かったのを覚えている。

 それ以外では、東側の山地、若しくは、北東側の小谷城があった山近くに行かねば自然は無かった。


 令和の時代は、どちらかと言うと辺り一帯は田畑と家並みが続く平地だった。

 この緑濃い自然はそれなりに注意しなければならないだろうな。


 流石に獰猛(どうもう)な獣はいないと思うけれど、茂みに蛇や害虫ぐらいは居そうじゃな。

 この近辺ならば、マムシとヤマカガシが毒蛇で、他の蛇は無毒の筈。


 俺の治癒魔法がどの程度のものかは不明だが、死にそう(危篤状態?)だった与一郎の身体を治したのだからかなり能力が高いのだろうとは思う。

 だからと言って毒蛇に噛まれても大丈夫とは言い切れないので注意が必要だな。


 此処は今朝覚えたばかりの周囲に気のようなものを放出して、周囲の状況を探りながら調べるのが良さそうだ。

 俺には鑑定能力もあって、特定のモノに注意を払うと簡単な注釈が頭に浮かぶのは凄く便利だぜ。


 この能力は、対象が生き物であれ、石や死体であれ、ちゃんと判別して機能してくれるのでとても役に立つ。

 因みに、草むらで結構な数の虫の死骸を見つけたな。


 生き物では、虫が多かったが、ネズミに青大将もいた。

 幸いにしてマムシやヤマカガシは俺の近くには居ないようだ。


 現時点では、俺を中心に概ね15mから20m程度の範囲なら、なにがしかの区別がつきそうだ。

 但し、そうやって気配を探る一方で、金を探すというのは結構大変な仕事なんだぜ。


 右手で目の前の景色を描きながら、左手で般若心経(はんにゃしんきょう)写経(しゃきょう)をするようなものや。

 俺は、そんなに器用な方じゃなかったはずなので、結構ムズイな。


 それでも交互に繰り返しながら、色々と試行錯誤しているうちに何とか身についたみたいだ。

 で、結論から言うと四半時ほどで今朝の四倍の金が採取できた。


 川岸をゆっくりと移動しながら3町ほどの間で採取しただけで、66万ほどのポイントが稼げたよ。

 じゃから、俺の口座のポイントは、現時点で80万pほどある。


 昨日ようやく回復したばかりやから、カカ様へのプレゼントはもう少し後で然るべき時期を選ぶことにしよう。

 なんだかんだと言って、色々と言い訳が立つような渡し方をしないと、品物をどこから持ってきたかとカカ様に疑われちゃうからね。


 それに先進の品物と云うのは色々危ないものでもあるんや。

 きちんと俺の能力を周囲に隠せると確信出来たなら、場合によっては、俺の秘密をトト様とカカ様に話をしようと思う。


 それよりもこの与一郎の身体のために、ビタミン剤やサプリなんかを購入しておくとしようか。

 本来は食品からしっかりと栄養を摂るのが望ましいんやが、俺が内緒で外食をしたりすれば、家での食が進まず、多分、カカ様に余計な心配をかけることになる。


 俺が健康になったとある程度自覚できるまでは、できるだけサプリなどの栄養剤等で我慢することにしよう。

 そう言えば、琵琶湖で魚なんぞ獲れば、カカ様が晩飯に工夫をしてくれるかもしれんな。


 塩を振って焼き魚にするだけでも、美味い筈だ。

 俺はその足で琵琶湖畔に赴き、湖岸で魚の気配を探った。


 そうして、ビワマスを見つけたよ。

 体長は、アバウト50センチ越えの大物で、この大きさならば、家族三人で食べても十分だろう。


 魚籠(びく)も何も用意していないから、湖岸近くで泳いでいる奴をいきなり、俺の時空間仙術で亜空間倉庫に放り込んだ。

 魚を()める道具も無かったけれど、魚の脳と神経を探り当て、そいつを時空間仙術で魚体と分離することで、締めることができた。


 あれぇ、もしかしてこれは必殺の暗殺術になるのかも・・・。

 なんか、とんでもない能力のような気もするなぁ。


 いずれにせよ、ここで締めておくのは魚の鮮度を保つ方法論ではあるけれど、取り敢えず、夕飯に間に合うようカカ様に渡そうと思っている。

 もし喜んでもらえるなら、俺の毎日の仕事の一つになるかな?


 人気(ひとけ)の無いところで、ちょっとした修練もやってみた。

 周囲にある適当な大きさの樹木を時空間仙術で亜空間倉庫に一旦取り込み、必要な部分だけを残して小刀の木刀を作り、槍も作ってみた。


 形だけ似せて造ったような代物だから鍛冶師の仕事ではないんやで。

 それでも剣や槍(棒?)を模して、振り回す訓練はできる。


 但し、実際にやってみると、俺の体力では四半時のそのまた半分も続けられずにダウンだ。

 筋力も持久力も足りない身体だというのが良く分かったぜ。


 疲れ果てた身体を(いと)いながら、我が家へ戻り、カカ様に「ウミでとった」と言ってビワマスを渡し、板間に上がってゴロンと横になった。

 俺が持ち込んだ大きな魚を見て、カカ様が目を丸くしてびっくりしていたが、俺は疲れすぎて長話もできずに俺の寝場所で寝ていたよ。



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