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戦国タイムトンネル  作者: サクラ近衛将監
第二章 与えられし能力

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2ー10 蒼龍隊 その四

 蒼龍隊の寮で提供される「食」については、栄養バランスを考えながら、俺が素材を食糧庫に定期的に補充している。

 料理の方は、当初は男子隊員が当番制で作っていたんやが、女子隊員が加わってからは、(まかな)いは女子隊員の仕事になった。


 但し、「料理」や「衛生」そのものを教えんといけんやったから、レシピを造りそれを読めるように教育するのが一仕事やったな

 「住」の方は、家を造る素材や木材を建設現場に提供し、組み立てを指導しただけや。


 いずれも、俺の異世界商店で簡単に入手できるもので、そのほとんどは組み立てが容易なプレハブ方式なんや。

 ところで浩一郎が与一郎に乗り移ってから早十四ヶ月目に入るが、三ヶ月も経った頃には日産約1キロの金を採取しており、それから徐々に増えて概ね日産3キロ余りの数値で24金の一日の採取量が頭打ちとなっている。


 これ以上の金を増産するのであれば、やはり近郊で金山を見つけるしかないやろな。

 これまでに採取した金は、およそ1200キロほどになり、ポイントにすると190億pを超えているんじゃ。


 これだけの金額があれば、かなりの品が異世界商店で購入できるというものじゃ。

 問題は、一度純金を抽出した場所では、かなり金を採取しにくいことやな。


 徐々に俺の感知できる範囲が広がってきているから、その分だけ最初は見逃していた地下の深いところにある金が見つけられるようになったのは事実なんやけどな。

 特に1年余り経った今では、俺の周囲約500mが感知できる範囲になる。


 つまりは、地下約500mまでの探索が可能と言うことだ。

 だから山の中に入って行けば金鉱は結構簡単に見つかるかも知れない。


 そのうちに機会があれば土倉あたりで探査をやってみようと思うとる。

 中学の時にバスを使ったハイキングで、京子を含めた幼馴染数人とこの廃坑に行ったことがあるから、およその場所は知っている。


 無論、そこに至る道筋が違っているじゃろうから、簡単には行けないかもしれない。

 長浜に流れ込んでいる高時川、その上流で支流になる杉野川の末端付近になるけれど、地形がさほど変わっていなければ、おおよその位置が分かるはずや。


 令和の時代に俺が見ていた山並みがこの戦国時代で多少は違っていても、そんなに大きな変化が無いことはわかっている。

 まぁ、俺が実際に行くまでもなく、式神を飛ばして上空から俺の記憶にある地形から土倉鉱山を見つけられるやろうと踏んでいる。


 土倉の銅鉱山は、明治時代の終わりころに発見され、1965年には廃坑とされたところやから、この戦国の世では未だ発見されていない鉱山なんや。

 令和ではその廃坑施設が「滋賀のラピュタ」とか言ってネットでも結構有名だった場所やったで。


 あそこなら銅、銀、金も入手できるんじゃないかと踏んでいるんや。

 埋蔵量がどれほどかは知らんが、少なくともこの近辺の野原(のっぱら)よりは、金の含有率が多いんじゃないかと思うんよ。


 地下深くまで探査できるようになったからと言っても、同じ場所を金探査でうろうろするのは効率が悪いよな。

 但し、今後とも、頭打ちの日産3キロの金が採取できるなら、毎日4500~5000万pが確保でき、天候不良等による採取不可の日をおよそ2割と見込むと、半年で65~75億p前後の収入が見込めるならば、それを目安に予算も立てられるやろ。


 あ、この予算は蒼龍隊ではなくって、俺が異世界商店で利用する経費としての予算な。

 まぁ、その中には蒼龍隊に必要な装備品等もいずれは入って来る。


 今の段階では伸び盛りの子供たちを如何に支えてやり、優秀な武人を育てるかが課題や。

 まぁ、中には武人に不向きな子達もいるが、そいつらは文官や後方支援の担当やな。


 土倉の鉱山探しについては、今現在は左程の金の需要があるわけじゃないから取り敢えずは先送りにしているところや。

 何れにしろ、蒼龍隊はある意味で変則的な自足自給社会(アウタルキー)なので他所に頼らない生活をしているんや。


 隊員が持つ銅銭が多少の消費活動を促しているし、両替所としての機能で地域経済に寄与しているだけやな。

 それでも田村山を外から一見しただけでは何の生産活動もしていないようにしか見えないはずや。


 ◇◇◇◇


 蒼龍隊の創設を機に、天正三年水無月(みなづき)(6月)、毎月入る小技能(スキル)に『複製』というのが有ったのを再認識したんや。

 で、この複製は、既製品で有れば何でも複製が可能なスキルやで。


 但し、複製には魔力にも似た俺の『仙気力』を使うことになる。

 仙気力は数値化されておらんが、一年も訓練しているんでかなり膨大になっておると推測できるんじゃ。


 因みに、俺の異世界商店で9㎜自動拳銃のSIG SAUER P226RSを銃弾50発とベルトと太ももにつけるホルスター付で試し買いをしたんだが、値段は1セット当たり、14万pほどになるんや。

 これを100セット買うと、実に1400万pが出て行くことになる。


 まぁ、手持ちの総資産から言えばこの程度の出費は左程のことは無いんやが、弾とかホルスターは、ある意味消耗品じゃろうから定期的に買わんとならんので、これが馬鹿にできんのじゃ。

 で、試しに『複製』能力を使って、コピーしてみたんやが、しっかりと複製品が出来上がっていた。


 俺の仙気力を使うことになるが、今の段階で1日に三丁までなら複製は十分可能や。

 しかも、複製能力が未だ0.01の状態でじゃ。


 じゃから、毎月『複製』を重ね取りして行くと、一年後には能力値が0.12に増えるからのぉ。

 能力的には、多分0.01の頃の140倍程度になるんじゃないかと思うてるんや。


 単純計算で行けば、一月に30セットほどしか作れないのが、一年後には一月に4200セットほども作れるようになる(?)という事じゃ。

 しかも、この複製では、軍資金は不要なんじゃ。


 俺の仙気力が必要やけどな。

 多分、こいつは銃に限らんのじゃないかな?


 消耗品の類ならば、特に複製増産の価値があるじゃろうし、能力が高くなればより大型の兵器も複製が可能かもしれん。

 例えばミサイルなんぞを複製出来たら一発に着き数億円単位の節約になるじゃろう。


 まぁ、今のところミサイルを準備するまでの必要性は無いと思うては居るんやが、高性能爆薬なんかはいずれ必要になるやろなぁ。

 その時に複製が可能ならば、その分俺の蓄財が減るのを防ぐことができるから、物凄い節約になるはずじゃ。


 まぁ、そうは言っても、仙気力を全部複製能力に使う訳にも行かんから、概ね仙気力の放出限度の半分程度に抑えておくことが望ましかろな。

 そうして不足分は、それこそ蓄財で購入すればよいじゃろう。


 いずれにしろ、天正三年水無月(6月)からの月ごとに入る小技能(スキル)は、当分の間、『複製』にすることにしたぜ。

 ああ、そういえば、複製では生き物は複製できん。


 試しに色々やってみたが、小動物は全滅じゃ。

 藻とか草も試したが、複製はできんし、麹菌とか納豆菌とかは複製を試みると死滅するようで食用にはできん。


 従って、醤油味噌の類は複製が出来ない。

 但し、香辛料等の乾物類は複製ができるんじゃ。


 従って、高価な香辛料は複製のし放題になるやろな。

 塩など化学物質も生物では無いから複製可能。


 この複製という技能、思いのほか使い勝手が良いと思うぞ。


 ◇◇◇◇


 もう一つ思わぬ発見があった。

 俺が自らの特典を調べ、同時にそのレベルアップの様子を(たま)には確認しているのだが、その中にふと妙な言葉がついていたことに気づいたんだ。


 ある時から欄外とでもいうべき場所に『式神の残滓(ざんし)』なる表示がなされていたのだ。

 意味が分からず、例によって意識の中でそれをクリックすると説明が表示された。


『式神の残滓:

 元々は陰陽師滋岳宅麻が生み出した式神である。

 特典を資質ある者に通知して役目を終えたなら、消滅する術式が組まれていたにも関わらす、他の力の干渉により、資質ある者の憑き物(つきもの)となって現世に残っている。

 この残滓は、既に式神としての能力を失った抜け殻であるものの、陰陽師の能力ありし者が使役することにより、この残滓が過ごし日々の種々の情報を知ることができる存在となる。」


 この説明文でもよくはわからんのやが、ある意味では事故みたいなもので、本来役目を果たしたら居なくなるはずの式神が生き残り、俺の陰陽師の能力を使えば、その式神が存在していた時代の各種情報が得られるということらしい。

 尤も、この式神がこの世の全てを知っているわけもなく、その範囲は概ね限定されるものの、ある意味百科事典のごとく使える情報の宝庫ということらしい。


 どこまでの情報があるのかはその都度確認して行くしかないようや。

 そんなわけで、この『式神の残滓』の情報を確認した次の日から俺はこいつを有効活用しているよ。


 呼び名が式神の残滓のままでは可哀そうだから、辞書の大言海をもじって「玄海」と名付けてやったぜ。

 玄海は中々に役立つよ。


 俺に所定の特典を与える旨を告げたなら、玄海は消滅するはずであったのは間違いない。

 何故ならそれを造った宅麻がそのように意図していたからであり、それ以上この世に存在する理由は無かったし、玄海自身もそのようなプログラムめいたものを今でも認識しているんや。


 そもそも玄海が存在して居たのは、宅麻が生み出した1501年から530年を経過した2031年までの話なのである。

 だが、そこをどう間違ったのか、やはり国津神の干渉が何らかの影響を与えたのだろうが、玄海は俺の魂の移転にくっついたままこの戦国時代にやってきてしまったようや。


 俺の背後に憑き物の様に付いていたんだが、そのことを俺は暫く知らなかったし、そもそも陰陽師の能力など無い周囲の者が気づくはずもない。

 もし俺がたまたま気づかなければ、ずっと背後霊の様にくっついたままだったのだろうと思うぜ。



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