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第4.5話 リリムの報告

挿絵(By みてみん)


食事を終え、風呂を済ませ俺が明日の食事当番に向けて就寝した頃、リリムは自室にてスマホのような機械で女神と話していた。


「……そうでしたか。それで今はその集落で?」


と話す女神。これまでの報告をしていたようだ。


「はい、ここまで1ヶ月程彼と生活していますが今のところこれといった力等は感じません」

「……」


少しの沈黙の後、女神が切り出す。


「リリム、実は貴方に重大な事実を話さなくてはなりません」

「重大な事実?」


リリムは何かを察した。


「彼、オキタソウジは本来私が選んだオキタソウジではありませんでした」

「……」


(わかっとるわぁぁぁ!!!!)


何を今更と思うリリムであったが、


「そ、そうだったんですね!?どうりで剣術も武術も魔術も何も出来ないわけですね」


と大人の対応をした。こんなところにも縦社会があるのだろうか?


「本来異世界からの転送で人違いなんてことは起こらないはずなのですが……私もこのような事は初めてで……」


どういうギミックかはわからないが、そりゃあどう考えても伝説の剣豪と平凡なサラリーマンなんて例え名前が同じでも間違えるわけがない。


リリムは俺との出会いを思い返していた。


(ソウジさん、本当に何も取り柄がない人なんだけど……あの時転送されてきてすぐに目覚めて動き始めちゃうし、本来知らないはずのことも知ってるし、不思議な点はまだまだあるのよね)


「リリム、そこでですが…」


続けて女神は言う。


「オキタソウジをあるべき場所へ戻し、本来転送する予定だったオキタソウジをこちらに転送しようと思うのですが……」

「女神様、そうすると彼はどうなるのです?」

「彼は元の世界では亡くなっているとのこと。私も確認したわけではありませんが、そうであれば彼は存在自体全てが無くなることになりますね」

「ッ!?」


リリムは言葉を失う。


「しかし我々には使命があります。無駄な時間を使う訳には……」

「女神様仰ってましたよね?この世界に来たということは何か大きな意味があると」

「……」

「彼には何か不思議なものは感じます。雑魚は雑魚ですけど、でもきっとまだ何かあると思うんです!」

「……」

「あと少し…あと少し時間を貰えないでしょうか?」

「…わかりました。私も気になることがありますのでもう少しだけ様子を見ることとしましょう」


女神の言葉にリリムは安堵の表情を浮かべる。

「ではリリム、何かあったらまた天命機で報告をするように」

「承知致しました」


天命機と呼ばれたそのスマホのような機械は画面が真っ暗に。

「ソウジさん……」


挿絵(By みてみん)


「明日のご飯何作ってくれるのかなぁ…」


と呟きながらリリムは眠りにつくのであった。


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