第1話 社畜男の旅立ち!?
俺の名前は置田蒼司、26歳の平凡な会社員の男である。
「おきたそうじ」と聞けば、かの有名な幕末の武士、新撰組一番隊組長沖田総司を思い浮かべるであろう。
だが俺は剣術どころか竹刀すら触ったこともない、平和主義の草食系男子。
特に勉強ができるわけでもなく運動も並、モテたこともない。もちろん彼女もいない。
(あぁ…神様、リア充の奴らがちょっとでも不幸になりますように…)
そしてちょっと闇属性である。
今日もいつものようにパソコンと向かい合い仕事をしていると、「置田くぅ~ん!」と、とてつもなく嫌な予感しかしないいやらしい声が聞こえてくる。
「この書類さぁ、今日中によろしくねぇ」とニヤニヤしながら大量の仕事のおかわりを持ってくるこの男は川原部長、通称パワハラ部長である。
(今日中って…終業15分前なんですけど?)
この男はいつもこんな感じで俺に仕事を押し付けてくる。
「あ、タイムカードは切っといてあげたから、時間は気にしないでゆっくりやっていいからねぇ」
(こいつはマジで、、)
世が世なら、俺はこいつを何回kろしてるだろう。
と、このような毎日を送って、何なら休日出勤でさえ当たり前、いわゆる社畜というやつだろうか。
それなのに身体を壊したこともなければ、2時間も寝れば体はすっきり!人より秀でてるものがあるとすれば、それはこのタフさだろうか…
ふとカレンダーに目をやると、今日は5月30日。
「もうすぐ6月か…梅雨やだなぁ」と呟く。
まあ普段家にいたってゲームくらいしかすることないんだけどね!(血涙)
押し付けられた仕事を終え、会社を出ると23時。
(今日は帰れる!ネカフェに泊まらなくて済む!)
と、コンビニで夕食を買い、足早に家に向かっていた。
信号待ちをしていると、俺と同じようなスーツ姿の疲れ果てた男達。
(この人達も俺と同じなのかな)
と思いながら、
信号が青になった瞬間、誰よりも早く渡り出す。
次の瞬間、強い光が目に飛び込んできた。
「え…」トラックであろうか、一瞬だったので定かではないが、その直後目の前が真っ暗に。
(あ…俺死ぬ?)
ここはどこなんだろうか、虚無な世界でそんなことを思う。
(なんてありきたりな…もっと考えろよ!作者ぁ!!)
その後はブツンと途切れたように意識も何もなくなる。
ハッ!と目が覚めると、そこは病室のベッドの上…
ではなく、青空が目に入る。
「あれ?俺トラックに轢かれたような…」
周りを見渡すとコンクリートジャングルではなく、ただのジャングル。身体も何故か怪我ひとつない。
「あ、、あぁ、、、」俺は声を震わせる。
「そうなのか?そうだよな!これそうだよな!!」
これは死んだと思ったら異世界に来てました!のやつだ!
「キタコレ!!」思わず叫んだ。
いつからだろうか、異世界に行って魔王的なやつを倒して世界のヒーローになる。そんなことがあったらなぁと思うようになった。いわゆる現実逃避である。
それであればこうしてはいられない。俺は一歩踏み出し、この異世界であろうこの世界を救うんだ!と進み出した。
歩きながらふと思った。
「異世界転移ってことは、俺には特別な何かがあるってことだよな?」
俺の知りうる異世界モノの話は何かもう伝説的な武器を俺だけが持てるとかとんでもない身体能力になってるとか、 えげつない魔法使えるとか、、、
考えただけで俺はこれから起こるであろう色々なことに期待を膨らませていた。
「………」今のところ身体に特に変わったことはないように思える。
「でも俺はこの異世界に選ばれたんだ!これから色んなイベントが起こるに違いない!」と更に先へ進む。
「まずはここから抜け出さないとな」
今の俺には何の情報もない。ここがどこなのか、今この世界で何が起きているのか、とにかく何もわからない。
王様から魔王を倒してほしいと、銅の剣と100Gもらってなんてそんな甘い話はなさそうだ。
情報も自分で探して、恐らくこれから出てくるであろう魔物を倒して金を稼いで武器を買って、、とにかく体を張れということなんだなと自分に言い聞かせていた。
その時だった。
ガサガサと茂みから音がする。
(まさか、、これは!?)
間違いない。これは何かくる!俺の直感がそう告げる。
微かに震えながら身構えていると、次の瞬間飛び出して来たのは……野ウサギのようだった。
「う、ウサギ?」
ホッとしたようなガッカリしたような、、何とも言えない感情で項垂れた。顔を上げ再び歩き出そうとすると、
「ん?」何やら水色のような緑のような不思議な色のゼリー状の物体が目の前にあった。
よく見ると微妙に形を変えながら動いているようだ。
「これは!?」俺のテンションは最高潮を迎えた。
「ス、ス、スラ、スライムか!?スライムでいいのか?いや、お前はスライムだ!」
うん、やはり冒険の最初に出会うのはこいつなんだなと思うと同時に、やはりここは異世界で現実世界では存在しないものがあるんだと改めて思った。
「よし、スライム!お前が俺の冒険の最初に倒される魔物だ!」と目の前の魔物を指差した。
(大丈夫!俺はこの異世界に選ばれた特別な人間!何とかなる!)
「うぉぉぉぉ!!!」と雄叫びを上げながら、目の前の魔物に俺は飛びかかっていくのであった。
何となく思いつきで書いてみました。
普段本は読まないので、こんな感じでいいのかとかわかりませんが、もしご覧になって頂いたら温かい目か生ぬるい目で見ていただければ幸いです。




