VS 妖夢
玲 妖夢、楼観剣を少し貸してくれないか?
妖 いいけど
妖夢から楼観剣を渡してもらい、能力を試してみる。
玲 こんな感じか?
初めての感覚で能力を使い、なんとか楼観剣をコピーできた
妖 そんな感じにできるんだな
玲 それじゃあオリジナルの剣は返すね
白玉楼の広間。幽々子の指示で、妖夢と1対1で向かい合う玲音。
幽 ...始め!
妖 断命剣「瞑想斬」
妖力で膨れ上がった巨大な刀身が振り下ろされる。
玲 いきなり強力な技つかってくるのかよっ!
俺は叫びながら、自身の刀に力をこめる。コピーされた剣は妖夢と同じ妖力を帯び、輝きを放つ。轟音とともに二つの巨大な刀身が正面からぶつかり、激しい光が広間を照らす。
玲 これでも....止まらない!
さらに妖夢は踏み込む
妖 人鬼「未来永劫斬」
踏み込みの一閃が玲音を打ち上げ、空中連撃が迫る。
玲 やばっ...!
おれは必死に体制を整え、楼観剣を二本創り出す。
玲 これなら.....どうだっ!
妖 っ....見事です。初めてでここまでとは
妖夢の額に汗が滲む。だが次の一撃を躊躇わない。
妖 断迷剣「迷津慈航斬」
妖力を大量に注ぎ込んだ楼観剣が、巨大な刀身を作り出し薙ぎ払う。
玲なら……俺もいく!
俺は咄嗟にスペルカードを掲げた。
玲「鏡剣・虚影乱舞」
空間に浮かび上がるのは、無数の複製剣。玲音の動きに合わせ、同時に妖夢へと斬撃を浴びせる。
妖 ……っ! これは……!
妖夢は巨大な刀身で必死に受け止めるが、次々と飛び込んでくる刃に押されていく。
紫は静かに目を細め、興味深そうに呟いた。
紫完全なコピーに加えて、創造……。戦いながら成長していくなんて、実に面白いわ
幽 ふふ……初めてなのにここまでやれるなんて。まだまだ伸びるわね
主人公は肩で息をしながらも、確かに感じていた。
(俺の能力は……本物を完全に写し取り、そして創り出す……。戦える……!)
妖 はぁっ!
玲 っ……ぐぅ!
押し合い、弾ける力。
床には裂け目が走り、壁を叩く衝撃波に霊夢と魔理沙が思わず身構える。
魔 こいつら……本気でやってるな
魔理沙が口を開けて笑い、霊夢は眉をひそめながらも興味深そうに目を細める。
やがて、互いの刃が拮抗したまま弾き飛ばされる。
妖夢が片膝をつき、荒い息を吐く。
妖 ……っ、ここまでやれるなんて……。あなた、ただ者じゃない……
玲音も肩で息をしながら剣を握り直す。
玲 はぁ、はぁ……俺だって必死なんだ。……でも、まだ立てるぞ
その時――
幽 そこまでにしなさい
涼やかな声が響く。幽々子が扇をひらりと振り、戦気を断ち切った。
幽 もう十分。妖夢、あなたの剣は見事だったわ。……そして、あなたも
幽 初めての戦いで、ここまで力を扱えるなんて。見込みがあるわね
背後からゆらりと空間が揺れ、八雲紫が姿を現す。
紫 ええ、本当に。完全なコピーに加えて、創造までこなす……。その能力、幻想郷ではとても興味深い存在になるわ
玲 ……まだ感覚で動いてるだけです。でも……なんとなくわかってきた。俺の力がどういうものか
紫は扇子で口元を隠し、くすりと笑う。
紫 戦いながら成長する……実に厄介で、実に面白いわ
妖夢は立ち上がり、刀を納めると主人公に頭を下げた。
妖 完敗です。次に戦うときは、もっと強くなってみせます」
玲 望むところだ……
剣を消し去り、力なく笑った。
広間にはまだ余韻が漂っていた。
だがその中で、確かに一つの絆と、新しい未来への扉が開かれたのだった。