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勇者御一行と魔王城

 大変お待たせして申し訳ありません。

 流行り(インフルエンザ)にかかってまして、執筆作業が困難を極めておりました.......

 めっっっっちゃしんどかったです、、

 皆んな手洗いうがいちゃんとしましょうね!


 そして遅くなった理由のもう一つ。

 どれだけカットしても転生までが一話に収まらなかった!!!ごめんなさい!!


 お詫びに一度に二話掲載しますので許してー!!


 「ようやくここまで来れた。」




 オレこと剣聖ニールは眼前に迫る魔王城を睨みつける。



 

 奴らに復讐する為に、奴らを一体でも多く斬る為に、オレはこの剣を磨いたんだ。


 



 腰元に下げた剣を見る。


 ーーー魔剣ファフナー。


 

 

 オレがこの剣でなんでもかんでも切るもんだから、この剣には魔力的な力が宿ってるもんだと勘違いされちまった。





 まあ、厳密に言うと"魔力的な何か"は宿ってるが それは単純なモノでもないし、今まで誰にも見せた事はない。




 こいつで、魔王を斬る。

 オレ達の旅もただそれだけの為に......

 

 


 「作戦は?」




 オレは老魔法使いに問いかける。




 「なに、いつもと変わらんよ。 

 避けられる戦いは出来るだけ避け、敵の首領を討つ。ただそれだけじゃ。」

 



 老魔法使いは、ほっほっほっ と笑っている



 笑い方を見ても分かると通り、この爺さんはとても温厚で その膨大な経験、強力な魔法など 精神面でも戦略面でも何度もオレ達を救ってくれた存在だ。





 「ただそれだけってねぇ、 魔王城でもそれができれば苦労しませんよ......」



  

 そしてこのいかにも苦労人って顔をした男が王都にて新たに任命された、勇者様だ。



 "勇者"と聞くと王子様のようなキラキラした姿を思い浮かべる人も多いだろう。

 実際に昔、故郷にいたクソ勇者も馬鹿みたいにキラキラしていた。




 だが、新たな勇者は違う。

 勇者と言っても名ばかりで、成功率も生存率も低い特攻作戦に投入されるような いわば貧乏くじの勇者様である。



 でも勇者と呼ばれるだけの力も心も持っているのは間違いなく、オレ達は迷いなく彼を勇者様と呼ぶ。





 「まあまあ勇者様、別に魔王城だからって正面から入らなければいけない訳じゃありませんのよ?」




 そしてパーティの最後の1人、教会から派遣された聖女様だ。

 名ばかりの勇者様と違い、こちらは紛れもなく教会の最高戦力であり 希望の象徴とも言える存在だ。

 


 ちなみに胸がデカい。それはもう、馬鹿みたいにデカい。





 そして、彼女の神聖力は


 "死にさえしなければ絶対に救ってあげますわよ"

 

 と本人が言うほどに強力だ。

 なんなら死んでからもすぐなら生き返らせれるとかなんとか......




 そして多彩な支援魔法で常にオレ達の援護をしてくれる、パーティに欠かせない存在だ。




 彼女は王都でもかなりの影響力を持っていて、秘密裏に魔王を倒す旅に出る なんて聞いた日には 偉いさんやら教会やらから大手を振って止められていたらしい。


  


 その影響力からか、このパーティも勇者パーティではなく聖女パーティと呼ばれることもしばしば......




 とにかく、彼女がウチの1番の戦力なことは間違いない。


 



 「正面から入らないって言ってもいったいどっから入るって言うんですか。 あんな城壁と魔力城壁に囲まれたお城に。」





 勇者は問いかける。


 


 「それは勿論......」




 聖女はそう言って指を上へと向ける。

 この場合は上ではなく、空と言ったほうが正しいだろう。




 「え???空???」




 驚いたように声を上げるのは勇者だ。




 「ぼ、ぼく高い所苦手なんですけど......」



 「知ってますわよ?そんなの」




 だからなんなんですの?と言わんばかりの聖女。


 



 「で、でも飛行魔法で飛べるのは2人までが限界だってこの間......」



 よっぽど高い所が嫌なのか、抵抗する勇者。




 「あら、飛行魔法を使うなんて一言も言ってませんわよ?」




 えっ......


 勇者の嫌な予感がする と言った声が漏れる。




 「人数制限もそうですけど、飛行魔法なんて使ったらすぐさま魔族に探知されて撃ち落とされてしまいますわよ。」

 

 


 どうやら、飛行魔法は魔力を(まと)って飛ぶ関係上、魔力感知に鋭い魔族相手だとすぐさま見つかってしまうらしい。




 「じゃ、じゃあどうやって空から魔王城に入るって言うんですか......」


 

 恐る恐る勇者が聴く。





 「ほっほっほっ、簡単じゃよ。ようは接近してる時に魔力を使わなければ問題ないんじゃ。」




 いや......これにはオレも嫌な予感を感じざるを得ない。




 「つ、つまり......?」


 


 「火の魔法を爆発させてぽーーーんじゃ。」

 




 いや、ぽーーーんて......



 「いやいやいやいや、それ人の身体で出て良い擬音(ぎおん)じゃないですからね???」





 まったくである。

 第一、そんな事をしたら魔王城に辿り着く前に木っ端微塵(こっぱみじん)になっちまうんじゃないのか......?




 「そこはご心配なく。爆発の瞬間はわたくしの防御魔法で守って差し上げますわ。」




 「それなら大丈夫なのか......?」



 うーん...... と納得しそうになっている勇者。





 いやいやいや、良く考えてみろ

 魔力を(まと)ったまま魔王城には近付けないって話だっただろ?




 という事は、発射の時は防御魔法があるけど......





 「着地はご自分で。という訳ですわ♪」



 「えっ.......」

 



 再び勇者の顔が蒼白に変わる。




 「魔族に探知されない距離から爆発で飛ぶってことは......それなりの速度になっている訳ですよね......?」




 「まあ、その辺のドラゴンなんて目じゃ無い速度どころか、下手したら視認できないレベルですわね。」




 そう言った意味では目じゃない速度と言っても良いかも知れませんわねっ とくすくす笑う聖女様。





 ......笑い事じゃねーよ。




 「それにおぬしらも薄々勘付いておるじゃろうが、この作戦の成功率は高くない。」




 確かに、こんな文字通り博打みたいな作戦の成功率が高い訳ないよな......




 「4人で飛んで、2人辿り着ければええ方じゃろうて。」





 ここまで来て、2分の1 の確率で魔王討伐に参加できないのか......





 「......でも逆に言えば2分の1で魔王と戦えるってことですよね。」



 勇者の瞳に力が入る。



 どうやら、勇者様の覚悟は決まったようだ。




 「ニール様もよろしいですか?」




 あぁ、勿論。



 オレは服の下で首にかけたネックレスを握りしめる。





 「さあ、行きましょう!!!」



 力強い勇者の掛け声と共に、俺たちの文字通りの突撃作戦が始まるのだった。

 




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





 音さえも置き去りにした空で聖女は思う。

 



 ーーバカですわね、そもそも視認されないレベルの速度なのですから 撃ち落とされる心配なんてしなくて良いんですのよ。



 つまり着地や方向制御の為に魔力を纏うのは何も問題にはならない。





 ーーただ、その速度で飛びながら 方向制御から着地まで面倒を見れるのが私達を含めたパーティで2人までってだけですわ。





 魔法使いの魔力で勇者を、聖女の魔力で剣聖を無事に魔王城まで送り届ける。それで満員の2人だ。





 ーー私達、後衛は結局のところあなた方がいなければ戦えません。 

 


 同じ所に着地できる保証がない以上、わたくしとじぃはもとより戦力外でしょう。





 でもあのようにでも言っておかないと、あなた達は私達を、私達の命を踏み越えて行けない。




 ーーそれにまだ死ぬって決まった訳ではありませんわ。

 例えあなた方の着地に注力したとしても、わたくし達も着地の直前に魔力障壁を張れるかもしれない。




 まあ、それが間に合って無事に着地できたところで後衛のわたくし達に何ができるかは分かりませんが......





 聖女は笑う。

 勇者と剣聖の背中を見つめ、すぐそこに自分の死が迫っていようとも

 自分が見る最後の景色が彼らの背中で良かったと、 聖女は笑って言葉を紡ぐ。

 




 ーーー任せましたわよ。





 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






 "任せましたわよ"



 風を切りさいた空の果て、魔王城が文字通り眼前に迫った最中 聞こえる筈のない聖女の声がオレこと剣聖ニールの耳に届く。



 そして衝撃に備えていたニールの身体を暖かな魔力が包み込む。



 「これは......魔力障壁!?」




 直後、爆発音かと聞き違えるような大きな音と共に魔王城の城壁をブチ破り、着地したニールの身体には文字通り傷ひとつ無かった。




 着地の際の傷がないのはもちろん、ここに辿り着くまでの戦闘で受けた傷も、身体の疲れも癒やされている。




 「聖女様......」

 



 自分の身に、そして聖女に何が起こったかを感覚的に理解した剣聖はそれでも前に進む。 


 そして、自分がここまでやってきた理由を再確認するかのように今一度胸元のネックレスを握り締めるのであった。





 元来、王が佇む場所とは 城の中でもっとも高い場所である。 それはきっと魔族の王とて変わらないだろう。

 

 つまり空から侵入した今、魔王は目前だ。






 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






 「空から侵入した勇者とやらが暴れているとの報告があったが......お前が勇者か?」


 


 ん、これここで勇者と名乗ってもバレないんじゃね???



 「そうだ。」




 「そうか、よくこの短時間でここまで辿り着いたものだな。」




 「......間違えた。オレは剣聖だ。」



 

 危ない、バレる前に自分で名乗ったからセーフだ。

 


 心なしか魔王もキョトンとしている。





 こうして剣聖ニールは辿り着いた玉座にて剣を抜き放つ。


 ーーー魔剣ファフナー



 さあ、大舞台だ。





 「そうか、もう1人侵入していたのか。空からの奇襲を想定していなかった訳ではないが、まさか城に張ってある障壁も抜けるほどの速度で奇襲してくるとはな。それも2人。」





 予想外だと不敵に笑う魔王は、ひとしきり笑い終えると玉座の横に(たたず)む黒髪の女から剣を受け取る。


 


 ありゃオレの剣なんかよりよっぽど魔剣って見た目だな。



 でも、負けられない。

 絶対に、負けられない。



 その理由はいくらでも積み重ねて来た。


 


 

 長くなり過ぎてカットした所

 ・勇者、魔法使い、聖女の詳しいキャラ設定

 ・魔法使いの最後

 ・勇者の戦闘(魔王城にて)

・剣聖vs魔王 の剣舞 etc......


 特に魔王と剣聖の戦闘(剣)は、力をかけて書いていたのですが前置きである以上、細かく描写してだれる事を許容できませんでした......


 その他の部分は途中で挟んだ"聖女の思い"で事足りるかな〜という事で全カット!すまねぇな勇者御一行。



 一挙二話掲載です。よろしければ次の話もご覧下さい。

 次回!剣聖vs魔王 クライマックス!!

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