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6話 五年後の状況整理



 月日は流れ、私が覚醒石を使用して【強化】の異能を獲得してから五年が経ち十歳になっていた。

 五年の間に位階が二つ上がり、能力的にも身体的にも大きく成長を遂げた。


 能力的にはスキルのアイテムボックスとクイックチェンジを習得したのが大きな変化である。

【強化】の力も使用する事に慣れたので出力と操れる事象が増え凄まじい成長速度で強くなった。

 中級までの魔物で苦戦した覚えはなく、上級の魔物が相手であろうが負ける事はないだろう。


【強化】、アイテムボックス、クイックチェンジのスキルはシナジー効果があり、便利で使い勝手が良かった。

 アイテムボックスの容量や収納可能サイズが増大し、クイックチェンジはアイテムボックス内や離れたものにも干渉が可能になる。


 現在の能力だけで世界征服を実現できそうな気がするほどに私は強くなった。

 異世界はインフレが激しいかもしれないので本当に気がするだけだと考えている。

 伝承や神話に登場する勇者や魔王、英雄や魔物の強さは最低でも現在の私に匹敵するだろう。


 身体的には、特に身長の変化が目覚ましく、気が付けば百七十センチに達していた。

 日々の適度な運動と栄養バランスの取れた食事のおかげだろうと、母のアルマさんに感謝する。


 アルマさんは相変わらずの美少女っぷりで、私を甘やかす事に余念がない。

 大きく育ってきた息子である私に対しての接し方が、まるで恋人のようである。

 経営している食堂は相変わらず繁盛しているが、私が様子を見に食堂へと行くと毎回若い男性達に睨まれてしまう。

 アルマさんが誰の告白も受け入れずに独身を貫いているのを、私のせいだと思っているのかもしれない。


 アーシャの位階もニつ上がり、異能は空間魔法と回復魔法を習得した。

 積極的に魔物を討伐している訳でもないアーシャの位階がニつも上がった理由は、開拓村に私が【強化】している結界を常に張っているからだろう。

 開拓村に侵入しようとして低級魔物が消滅している姿がよく見られる。

 普段アーシャは母親のメルシャさんと一緒に清廉神殿で傷ついた人たちの治療を行なっているが、午後からは私と行動を共にする事も多い。

 私が用事等で遠出をする時にアーシャも付いて来る事があるけど、その時は空間魔法を使った転移ゲートが活躍している。


 昔と違い常に一緒に過ごしてはおらず、最近は思春期なのか態度がよそよそしく感じる事がある。

 私を呼ぶ時はえーちゃんと呼んでいたのに、今ではエスト兄様と呼ばれている。

 五年前と違い、今では十三歳くらいに見える清楚な美少女といった様子だ。


 本当はまだ九歳で幼いのだけど、年少の子供からかなり年上の青年までがアーシャを好いている。

 アーシャが私の事を好きなのは誰が見ても明らかなので皆諦めていると聞く。


 五年前のあの日からビクトリアさんの屋敷に頻繁に泊まる事があり受難の日々であった。

 最近は一人の男として扱ってくれているので、一緒に入浴したり寝たりすることは少なくなった。

 肉体年齢は十歳だけど、成人していると思われるほど身体は育っているのが原因だろう。

 流石に色々と無理があり不都合だと考えていたので助かった気持ちだ。


 ビクトリアさんとタリアさんも二十歳になり、その美貌はエルドリック王国中で有名らしく、辺境伯様の所に婚約の申し込みが絶えず送られているようで、本人たちは迷惑そうにしていた。


 なぜタリアさんにも婚約の申し込みが辺境伯様の所に送られるのかというと、タリアさんも実は辺境伯様の娘でビクトリアさんと異母姉妹という事らしい、メイドは趣味と言っていた。

 タリアさんとの交流が増えて仲が深まった時に聞いた話である。

 二人とも婚約は今のところ全てお断りしているとの事。


 実は異世界の人々の寿命や成長速度は様々で、種族的な特性やダンジョンで定期的に手に入るアイテムで寿命が延びる為、貴族は結婚適齢期を気にしないらしい。


 この五年間でビクトリアさんとタリアさんのニ人と積極的に交流して、今ではお互いに好意を持っている。


 精神的には成人しているので、混浴や同衾の責任を取りたいと考えて真剣に交際中だ。

 昔は友達としての好意だと思うが、今ではアーシャの好意も恋愛的なものに変化している。


 そろそろ婚約も真剣に考えているので指輪は既に用意して、いつでも渡せるようにアイテムボックスに保管中である。


 開拓村も順調に広がっており、後数年もすれば街に発展するだろう。

 中級の魔物も時々出現するようになったが、冒険者ギルドもこの五年で出来た為、依頼してBランクの冒険者に常駐してもらっている。

 開拓村の木樵達は討伐訓練の成果で結構強く、中級魔物相手に持ち堪える事ができるので、その間に緊急信号を送る事でBランク冒険者が対応する手筈だ。


 現在は開拓村で相談役をしているが、他にも色々な仕事をしている。

 開拓村の発展に必要なことが個人的に浮かんだ時は解決する為に他所の領地まで遠征する事もあった。


 旅先では魔物だけでなく野党やチンピラに絡まれる事も多く、私の故郷である開拓村の良さを実感した。

 近々辺境伯様が開拓村に視察に来られるという話を役職者代表会議で聞いたので、歓迎の準備を進めなければいけない。


 辺境伯であるリチャード・ブラックウッド様は大切な女性達の父親なので、好印象を与える為に計画を立てる必要があるだろう。


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続きをできるだけ早く投稿する予定ですが、不定期なのでブックマークして

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