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3話 覚醒と能力の試運転

 皆でビクトリアさんの部屋に入る。

 流石は貴族の女性だ、可愛らしい雰囲気の豪華な部屋である。

 大きな姿見があり、大きなぬいぐるみが数体置かれている天蓋付きの大きなベッドが印象的だ。


「二人はベッドに座っててね」


 ビクトリアさんとタリアさんにベッドに座らせられる私達。

 大きなぬいぐるみと並んでいるため自身もぬいぐるみになったような気分だ。


「この綺麗な石が覚醒石よ。内側から青白い光が見えるのが特徴ね」


 覚醒石は内側から青白い輝きが放たれている。前世のアニメで見た覚えがあるような石だ。


「はい、二人とも手に持ってね」


 ビクトリアさんに覚醒石を一つずつ手渡しされる。

 何故かタリアさんがカーテンを閉めに行き、灯を消して部屋を暗くする。

 前世の映画やプラネタリウムのような演出だ。

 覚醒石が更に綺麗に輝いている。


「使い方は両手で覚醒石を握って使用する意志を強く持てば発動するわ」


 アーシャと視線があう、とてもワクワクしている様子だ。

 どのような能力に目覚めるのか、楽しみでもあり怖くもある。

 覚醒石を両手に握って念じると目を瞑っていても感じるほどに覚醒石が強い光を発した。

 軽い衝撃波のようなものが発生し髪を揺らす。


「どう?何が出来るようになったのか自然と浮かぶと思うんだけど?」


 自身の意識に集中すると自然と何が出来るようになったのかが脳裏によぎる。


 【強化】

 魔法でもスキルでもない 

 天賦の才 あらゆる事象を強化する。


 ……これはとんでもない能力を手に入れた気がする。

 天賦の才とか、あらゆる事象を強化するとか。

 これは私の認識次第でどこまでも強くなる能力で間違いない。

 他に能力が必要ないと思える程に強力な力だ。

 これは正直に言えないな、強化魔法とでも言っておこうか。


「え〜と、アーシャはけっかいまほうをつかえるみたい?まもるちからだって!うれし〜!!」


「結界魔法?アーシャちゃん、凄い魔法で辺境では特に助かる能力よ!」


「将来有望ですね。エスト君はどうですか?」


「強化魔法です。色々と強くする能力ですね」


「強化魔法は聞いたことないわね?身体強化魔法と身体強化のスキルはよく聞くんだけど…」


「ビクトリアお嬢様、時々固有魔法や固有スキルを覚えることもあるようですし、強化魔法もそうなのではないですか?」


「なるほど…どちらも将来有望……。これでお父様やお祖父様に怒られなくてすむわ!」


「そうですね。先行投資は無事に成功したということで、お嬢様の我儘も許されそうです」


 皆とても嬉しそうにしている。

 ビクトリアさんは家族に無理言って覚醒石を買ったのかな?

 開拓村の予算を使ったとかじゃないだろうな?

 微な疑念を覚えるが、私達に影響はないと信じたい。


「アーシャちゃん、エスト君、能力を試しに行かない?結界魔法も強化魔法も一般的な魔法じゃないから、自分で確かめた方が良いと思うのよ」


「そうですね、お嬢様の言う通りです。親御様に許可は頂いているので、魔物に試すことも出来ますよ?」


 親にも許可を取ってるとは準備万端だ、他人の子供に黙って覚醒石を使うはずがないか。

 魔物退治は早い段階で異能に慣れさせる意図がありそうだ。


「アーシャ、魔法の練習をしてから魔物を倒しに行こう。僕達なら出来るよ」


「ほんと?アーシャにもできるの?」


「うん、練習したらアーシャにも出来るよ」


「……えーちゃんがいうならがんばる!」


「一緒に頑張ろうね」


 アーシャの結界魔法も便利そうだ、強化すれば魔物も倒せるだろう。


「お二人ともやる気満々ですね」


「中庭で練習しましょうアーシャちゃん」


 ビクトリアさんがアーシャを胸に抱きしめ先に中庭に向かう。


「わたしたちも行きましょう」


 タリアさんも私を胸に抱きしめて後ろをついて行く。

 中庭に着くと、ガーデンテーブルセットがなくなっていた。

 仕事の早い優秀な従僕がいるのだろう。


「アーシャちゃんの結界の強度を確かめるのに武器がいるかな?先にエスト君の強化魔法を使ってみて」


「わかりました。……タリアさん、僕を地面に降ろしてください」


 タリアさんの胸元から解放されたので、深く息を吐き出して気を落ち着かせる。

【強化】の力であらゆる事象を強化出来るらしいが、常識の範囲内の能力で強化を試す。


「身体強化!」


 【身体強化】の効果を発動すると身体の重さが消えた。

 身体の重さを感じられないくらいには強化されたようだ。


「見た目には何も変わりませんね?」


「身体強化のスキルも魔法もそんなものよ?武器も届いたし、アーシャちゃんの結界で確かめましょう」


 警備の兵士だろうか?ビクトリアさんの横に剣や槍などが入った箱を置き、すぐ側で待機している。


「エスト君、武器は何が良い?男の子ならやっぱり剣かな?」


「ビクトリアお嬢様、五歳児に剣はまだ無理ですよ。短剣で十分かと」


 兵士の人がそう言うと、鞘に収まった短剣を私にくれる。


「アーシャちゃん結界を張ってくれる?エスト君の身体強化と一緒に試しましょ?」


「うん!がんばるよ!けっかい!」


 アーシャとビクトリアさんを中心に結界が張られる。

 球体の透明度が高いガラスのように見える。


「短剣で攻撃するよ?危ないから動かないでね?」


 短剣を鞘から抜き結界を攻撃するが1撃目は簡単に弾かれる。


「結構硬いんだね。ちょっと強くいくよ」


 二撃目三撃目と立て続けに強化を強くして攻撃すると結界に亀裂ができ、四撃目で結界が崩壊した。


「お~!えーちゃんすごい!かっこいい!」


「結界の強度って、かなり硬いって噂なんだけど?」


「エスト様の強化魔法もかなり強そうですね。動きも素早くて、素人の動きではないです」


「俺、負けそうなんだけど?子供に可能な速さじゃないぞあれ……」


 ちょっと強化しすぎたのかもしれない。

 皆の視線が痛いほど突き刺さる。


「強化魔法は便利ですね。短剣以外も持てそうですが、長いので鞘から抜けません」


「短剣でもエスト様なら弱い魔物を問題なく倒せると思います」


「アーシャちゃんの結界も鉄と同じくらいの強度はある筈なのよ、エスト君は化け物じみてるわね」


「えーちゃんはばけものじゃないの!わたしのおうじさまなの!」


「ご、ごめんなさいアーシャちゃん!エスト君も……」


 鉄の強度に匹敵する結界を短剣で破壊するのはやり過ぎだな……


「僕は気にしていないので大丈夫です。アーシャは優しいね、君は僕のお姫様だよ」


「えーちゃん!すき!」


 アーシャはビクトリアさんの腕から脱出すると私に抱きついてきた。

 子供の好意は素直に嬉しな、アーシャは可愛いので凄く癒される。


「…エスト君本当に子供なのかしら?スケコマシすぎないかしら?」


「あの容姿と甘い言葉で沼にハマる女性が後を絶たないでしょうね。恐ろしい五歳児です」


「今どきの子供はませてるんだなぁ」


 能力の試運転は無事終わったので皆で魔物を倒しに森に行くことが決まった。

 兵士の人も付いてきてくれるようで森の注意事項を説明してくれる。

 安全が最低限保障されている中での魔物退治なので無理なく頑張るとしよう。



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続きをできるだけ早く投稿する予定ですが、不定期なのでブックマークして

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