冒険者
今から50年前、突如としてダンジョンが出現するようになった。ダンジョンにはモンスターが蔓延り、そしてお宝も眠っている。当初は各国の軍が入ったがダンジョン内では従来の銃火器は使用できなかった。だが一般の人間の中からスキルを持つ者が現れ始めた。各国は冒険者という職を与え、冒険者たちはダンジョンへと潜るようになった。
「・・・・・・・・これがステータスボードか。」
空中に浮かぶ半透明の板を見ながら俺は呟いた。俺の名前は山狩亮太。一般的な大学生である。普段はそこそこいい大学で勉強をしながらバイトをする毎日。仕送りはいらん!と両親が言ってくれたおかげであんまりお金には困っていない。が
「それでも冒険者って夢あるよなぁ。」
今、テレビに映っている人も冒険者だ。今や冒険者は大人気となりああしてテレビに出たりすることもあるほどだ。雑誌にも取り上げられ、トップは年収が数千万にもなるという。命を懸けてるからか持ち帰った素材は高値で引き取ってもらえる。最近なんてダンジョン特需なんて言葉も出てくるほどだ。
「それにしてもこの『固有スキル』ってのはなんだ?」
改めてステータスボードを見るとスキルに固有スキルという欄ができていた。そこには
「狩魂?」
たぶんこんそうと読むのだろうと思うがこれがなんなのか俺は知らない。まあ固有スキルという物自体は知ってる。ごく一部の冒険者が持つ唯一のスキル。二つ名を持つ世界トップクラスの冒険者はほぼ固有スキルを持っている。
「つまりは俺もそうなれるかもってことなんだろうけど、どんな効果なのかわからんな。」
固有スキルは高位の鑑定士か鑑定系の魔道具でしかその効果がわからない。それを使うにも俺にはそんな大金はない。
「実践でわかるようになることを祈ろう。」
俺は半分諦めて冒険者登録所に向かうのだった。