第十八話 紫電一掃
朝早く、ヒルダを背負って遺跡を目指す。
日が昇ったばかりで、一度出発の際に目を覚ました後、ヒルダは再び寝てしまった。今は背中で穏やかな寝息を立てている。
ここにきて昨晩のことが吉と出たようだ。顔を寄せて体重を預けてくる彼女を感じながら、少しは心を開いてくれたと思いたい。
夜中は意外にも穏やかで、彼女が寝た後も見張りをしていたが、特に獣に襲われることもなかった。
「遺跡は……こっちか」
方位磁石を確認して、頭の中にある地図と照らし合わせて方向を決める。
おおよそ間違ってないはずだ。あとは高さだが、遺跡までいけば長い階段があるからそこで登ればいい。かつて崖から落ちた人の捜索のためにそこを使ったと聞いたから大丈夫のはずだ。
問題は悪魔どもだが、あれから見ていない。ベルたちが全部倒したのだろうか。
まあ、順調なのはいいことだ。このままいけば昼前にはつける。
そのまま、数時間歩いたが、何もないまま、遺跡が見えてきた。その時にはヒルダも起きて背中で喜んでいる。
「あれが遺跡ね!あそこにみんないるのね!」
「多分な。もしかしたらいないかもしれないが、森の中より安全だ」
「いないかもしれないって、それじゃどうするの!」
「そうなったときに考える」
「なにそれ!それじゃあ何かあったときに……ねぇなんかおかしくない?」
大声で叫んでいる途中、何か違和感を感じたのか、ヒルダがある地点を指さした。
示された方を見ると、確かに様子がおかしい。時折爆発音と動物の鳴き声のようなものが聞こえる。
そして昨日見た異形の姿もちらほら見えた。
悪魔、まだいたのか。
時折、石造りの遺跡が壊れる音が響いてくるし、あの様子なら恐らくベルやマリナ、アルドリエもいるはずだ。
「恐らくみんないるな。だがお呼びでないやつらもいそうだ」
「どうするのよ!」
「決まってるさ。突っ込むぞ」
「正気なの!?ちょっと待って!」
待ったをかけるヒルダを無視して階段を上る。彼女の足に負担がでない程度に急ぐ。
登りきるとそこには廃墟と呼ばれていたであろう街並みがわずかに残っているが、ほとんどが更地になっている。
爆発音がなっているのはもう目と鼻の先だ。だが味方と合流するのはまだかかりそうだ。
なぜって?
目の前には悪魔が群がってきたからだ。
「あ、悪魔……」
ヒルダが後ろで小さな声を漏らす。その声は震えていた。
俺は勇気づけるために、おちょくることにした。
「なんだ、ビビったのか?昨日あんなに勇ましかったのにな」
「あのときは足も平気だったもの!こんな状態で戦えるわけないでしょ!?」
「まあ落ち着けよ、勝算がないわけじゃないんだからな」
群がってくる悪魔の中には魔法を使うものはいないようで、名前も知らない低位の悪魔しかいなかった。
魔法使いがいないなら怖いものなんてない。弓といった遠距離攻撃や鎧や武器を持った者もいるが、大して怖くない。
「さあこい悪魔ども。お望み通り、殺してやるぞ」
かかってきた悪魔に対して、準備していたマナを使って致死量の電撃を発生させる。
瞬く間に悪魔どもは灰になって消えていく。
悪魔は死体を一切残さない。この辺りが悪魔の生態が謎に包まれている理由の一端だ。
弓矢が飛んでくるが風の魔法でそらし、再び電撃を飛ばす。
魔法の有無はこの世界において圧倒的な差を生む。
魔法を使えない相手からすれば、まったくのノーモーションでオールレンジ攻撃が繰り出されるからだ。
そして、あっという間に周りを囲む悪魔たちがいなくなった。
「よし、これで合流できる」
背中が静かだなと思ったが、僅かに震えているのがわかった。さすがに怖かっただろうかと思い、背中を見ると、ヒルダが面白い顔をしていた。
この後何を言われるのか予想はつくので、急いで合流する。
爆発音のしていた場所の近くに来ると、空を飛ぶベルの姿が見えた。
「ベル!ウィルベル!」
「!ウィル!無事だったのね!」
「ああ!状況は!?」
「悪魔と一緒に地竜が出たわ!私ひとりじゃ手が足りないわ!」
地竜!?
ベルに言われて周囲を見渡すと、いた。
なんで気づかなかったのかと思うくらい巨大な竜。全長10メートルはあろうかという、まるでトカゲをそのまま巨大化したかのような生物がいた。
体表はごつごつとした鱗に覆われ、翼はない。
鈍重で、ひどく頑丈な竜種。
たしかにこんなのが相手じゃ、ろくな致命打は与えられないかもしれない。
しかし、それでもほうきで空を飛ぶベルは負けないようで、地竜と悪魔を同時に相手取っても余裕があった。
ならその隙に一度離れるとしよう。
「わかった!他の二人は!?」
「高台の上!」
ベルに言われ、見た先には廃墟の中でも丈夫そうな造りをした高台の上にある建造物だった。確かにあそこなら防衛に適しているかもしれないが、二人しかいないのでは心許ない。
一端ベルとは別れて、ヒルダを避難させるために高台へ急ぐ。
高台には頑丈な石造りの建造物があり、その周りには高い塀がある。これは侵入しにくそうだ。
もしかしたらかつては富裕層の家だったのかもしれない。
強引に塀を突破し中に入る。
玄関に入ると、そこは真っ直ぐ屋敷の奥につながる長い廊下だった。そしてその奥から、走って近づいてくる誰かの姿が見えた。
「ウィル!……ウィル!」
マリナだった。
瞳に涙を浮かべて、両手を広げて勢いそのままに飛び込んできた。
「んが!」
「うっ!」
マリナが思いっきり勢いよく抱き着いてきたが、両手がふさがっていたので受けきれずに変な声が出た。ついでに言うと俺もヒルダほどではないが体中痛めている。背中にいたヒルダにも衝撃が来たようで呼吸が乱れた。
うめき声によって、怪我していると察したマリナが慌てて離れる。
「あ、ごめんなさい……ウィル怪我してる!」
「ああ、だが俺よりもヒルダの方が重症なんだ」
マリナはすぐに俺とヒルダの身体を確認する。
よかった。軍医としてちゃんと学んだ彼女がいれば、ヒルダを任せられる。
そう思って、マリナに彼女を任せて、俺はすぐにベルのもとに向かおうとしたとき――
「……え?」
「あれ?足が……」
急に体が楽になっていく感覚に襲われた。
体の節々に走っていた痛みが引いていく。心なしか気力も湧いてきた。
俺だけじゃなくヒルダも同様のようで困惑しているようだ。
何が起きているのかわからなかった。
だがマリナを見て、すぐに納得した。
「マリナ、加護が!」
マリナの身体から、白い淡い光が放たれていた。その光からは強い神気が感じられる。間違いなく加護だ。それも癒しの力を持つ加護。
「え、本当だ……私の加護がけがを治したの?」
「みたいだな。凄いな」
「私の足も治ってる!?」
ヒルダを恐る恐る降ろしてみると、なんと無事に立てるようになっていた。マリナの加護は骨折なんて大けがも治すことができるようだ。
軍医となった彼女に、ふさわしい加護だと思う。
加護は不安定だからあてにしすぎるのは危険だが、だとしても彼女の加護は非常に助かるし嬉しい。
ただ当の本人は少し不満そうだった。
「これじゃ私が勉強した意味……ない」
すぐに手当てをしようと道具を取り出した直後に、ひとりでに加護が発現して勝手に傷を治したんだ。
せっかく学んだ医学知識が無駄になることを憂いているのかな。
「何言ってるんだ。加護はいつ発動するかも知れないんだ。もしかしたら本当に必要なときにでないかもしれない。そういうときにマリナの勉強は本当に役に立つさ」
「……そう」
納得したようで、ほっと胸をなでおろしていた。
さて、傷が治ったとなればもう何も問題はいらない。それどころか、あれの出番だ。
「とにかくベルを手伝う。ヒルダ、足が治ったならお前も来い」
「え!?」
「悪魔を倒すんだろ。昨日あんなにはしゃいでたろうが」
「で、でも私には悪魔と戦う力がないし」
「つべこべ言わずにさっさと来い」
「ちょっと!?」
ヒルダの首根っこを掴んで、マリナから荷物の場所を聞く。急いで自分の武器と新しく作って持ってきた武器を取り出す。
この新しく作った武器はヒルダに渡す。
それはどこか見覚えのある黒く細長い銃の形をしたものだ。
「なにこれ!」
「特務隊が作った叡智の結晶だ。超貴重だから壊すなよ」
武器を持って、戦場に向かう途中にヒルダに使い方を教える。普通の銃と扱いは同じだ。
途中、群がってきた雑魚悪魔を電撃で倒しながら作戦も伝え終わると、ちょうどベルのもとへたどり着いた。
戦場ではどうにもベルが攻めあぐねているようだった。
周辺にいる悪魔を電撃で一掃するが、そこら中から湧いて出てくる。いったいどこから来ているのか。
「ベル!」
声を上げると、また爆発を起こしたベルがその隙にこちらに振り返る。
「遅かったわね。どうにも地竜が邪魔でうまく攻められないのよ」
「なら地竜は俺がやる」
「お願いね!て、何その子!?なんで連れてきたのよ?」
「悪魔を殺したいそうだ」
「悪魔の相手は私!地竜で我慢して!」
「だそうだ」
話しながら周囲を確認する。
どうやら敵の魔法使い悪魔は、地竜を盾にしながら戦っているようだ。
地竜は空を飛べず、鈍重だがその分頑丈で、生半可な攻撃では倒すことができない。
一応弱点はある。地竜はトカゲのように地面を這うために腹側は柔らかい。そこなら普通に斬撃は通じる。ただ当然だが重すぎてひっくりかえせない。
普通に倒すなら地竜の硬い鱗と表皮を貫くほどの大火力が必要だ。しかしそんなものは軍ですら持っていない。
だがそのための武器なら今、ヒルダの手の中にある。
「さあ、口を開けろよ。食いに来い。殺してやるぞ」
邪魔な雑魚悪魔は電撃で倒しながら、地竜に近づくと相手もこちらに気づく。
気を引くために地竜に向かって何度も爆発を浴びせると、苛立ったのか、地面が震えるような重低音な叫びをあげて、地竜が標的をこちらに変えて近づいてくる。
ベルと悪魔に向かっていた地竜が方向を変えて向かってくると、悪魔との間を隔てるものがなくなったベルがここぞとばかりに魔法を連発する。
「わっはっはっは!もう逃げられないよ!」
「グガッ、マホ、ツカイ……ジャマウナ」
魔法を使う中位の悪魔が何かのたまっているがベルは構わず、爆炎魔法をばらまき、悪魔は避けられず、まともに食らった。
とはいえまだ油断はできない。中位の悪魔は生命力も強い。ベルも油断せずに戦場を見渡している。
「ガアァァ!!」
こっちもいつまでもよそ見していられない。
地竜がかなりこちらに近付いてきた。横にいるヒルダが、渡した武器を抱えて、震えながら聞いてくる。
「どうするのよ!死んじゃうわ!」
「いいか、ヒルダ。合図したら撃て。周りは片付ける。失敗してもいいから落ち着いて撃て」
「わ、わかった」
できるだけ落ち着いた調子で、わかりやすく伝える。
セクハラにならないかな、と考えながらも彼女を落ち着かせるために背中を軽くさする。
すると少し落ち着いたのか、震えてはいるが深呼吸をして彼女なりに冷静になろうとしている。さすが、軍人として育てられただけあって肝は据わっている。
俺たちを囲むように悪魔が群がってきたので、再び電撃で一掃する。
地竜がこちらに向かうように、位置を調整して誘い込む。
地竜が目前に迫る。
もう目と鼻の先だ。
むさくるしく臭い地竜の生暖かい息が体を通り抜けた。
「ど、どうするの!まだ撃っちゃダメ!?」
「もう少しだ……もう少し」
焦るヒルダをなだめながら、彼女が手に持つ銃に手を添えて、電気を流す。
銃に流した電気は、中にあるマナをため込むための宝石にすべて吸われていく。
……充電まであと少し。
地竜はこちらを攻撃しようと、前足や尻尾を振り回してくる。そのすべてを俺は爆風を起こして逸らし、防ぐ。
すると地竜が苛立ったのか、巨大な咆哮を上げながら噛みついてきた。
「ンガアアアアァッァァ!!」
巨大な図体を活かした噛みつき。これはちょっとやそっとの爆風じゃ逸らせない。
しかしその瞬間、銃からマナがあふれる感触があった。
「ようやくか」
はかったかのようなタイミングに、危機にもかかわらず俺は笑った。
口を開けて迫ってくる地竜に向けて、電撃を発生させる。さすがに口の中は電気が通りやすいようでわかりやすく痙攣していた。
俺達に噛みつこうとする直前で口を開けたまま、大きく震えているこの機会を逃す気はない。
ヒルダの背中と銃に手を添えて、つぶやく。
「撃て」
瞳にわずかに涙を浮かべたヒルダが言われるがままに引き金をひく。
次の瞬間。
地竜の口に飲み込まれるように、青白い閃光が迸り、地竜の胴を貫いた。
そして一拍ののちにゆっくりと、地竜の身体が地面に倒れ、大きな音と埃が周囲を覆った。
近くにいた俺たちは思わず腕で顔をかばう。
すぐさま風の魔法で舞い上がったほこりを払う。
するとそこには、息絶えた地竜の姿。口から背中にかけて大穴が空いてそこから大量の血が流れていた。
「ははっ!何度見ても惚れ惚れするな!」
やっぱりこの武器を使うのは爽快感がたまらないな!多用できないのが悲しいが、だからこそ使える時が気持ちよくなるってもんだ。
俺が静かに興奮しているなか、そばにいたヒルダは震えていた。
まだ怖いのか?もう地竜は倒したぞ?
ヒルダの顔を覗き込んで確認すると彼女は肩で息をしながらも、口を開けて驚いている。
「よっ、倒せたじゃないか」
ヒルダの肩を軽くたたく。
ヒルダがわなわなしながら、ゆっくりとこっちを見る。
「なにこれ……なにこれ!なんなのこれ!!」
おっと、混乱しているようだ。落ち着くまで待とう。
状況を理解できないヒルダは放って辺りを見回すと、どうやらベルのほうも終わったようだ。
周囲に悪魔の姿はない。
空を飛べ、魔法を使えるベル相手に有象無象の悪魔はただの的でしかなく、ひたすら湧いてきていた悪魔ももう見えなくなっていた。中位の悪魔ですら、地竜と同時じゃなければ相手にならない。
こういう殲滅戦では、ベルは圧倒的だ。
「終わったよ。そっちは」
「ちょうど終わったわ」
ベルがこちらにきて、地竜がやられた跡とヒルダが持つ武器を見て事情を察したようだ。
「この辺に地竜が出るなんて聞いてなかったけど、これも悪魔の仕業かしらね」
「不自然に動物がいないからな。悪魔にやられて食うものに困ったのかもしれないな」
「そ、とにかく戻りましょ!お腹空いたでしょ?」
「ああ、昨日から何も食べてない。ヒルダ、2人を呼んできてくれ」
ベルと状況を確認して、安全だと確認してからヒルダに声を掛ける。
混乱していたヒルダは、そこでようやく落ち着いた。
「わかったけど、この物騒な物の説明ちゃんとしてよね!」
そういってヒルダは武器をおいて二人を呼びに行く。
彼女に渡した武器だがレールガンだ。
これなら高い貫通力を誇るため、地竜相手にも行けると考えた。
もともとは手ごわい魔物が出たときに二人に倒させるために準備したものだったが、まさか地竜相手に使うとは思わなかった。
もっとも俺が手を添えてマナを操作しないと使えないから、正直出番なんてないと思ってたのにな。
レールガンを回収していると、倒れている地竜を目にしたベルが目の色をお金に変えた。
「この地竜、どうする?持って帰る?飛竜と同じで鱗とか結構な額で売れそうだよね」
「飯食いながら考える……そうだ」
食べ物といえばこの地竜、食えるだろうか。飛竜は食えたんだからきっと食える。
そう思って短剣と剣を使って地竜の解体を始める。地竜は飛竜よりも体表が固いので解体も一苦労だ。これでまずかったら怒る。
地竜を解体し始めると、ベルが察したのか呆れたように言う。
「前にも言ったけど、地竜とか飛竜とか、魔物を食べるなんてあんまり聞かないんだけど」
「なんで食わないんだよ。飛竜はうまいのに」
「そんなの飛竜は飛ぶから簡単に倒せないし、地竜なんて倒し方もわからないようなものよ?倒したとしても食べられるような状態じゃないもの」
「他の魔物もか?」
「なんで魔物って呼ばれるか知らないわけ?魔物は大小あれど魔法を使うから魔物。普通の人間じゃ勝てないわよ」
「魔法?使ってたか?」
「飛竜は空飛ぶし火を吐くでしょ?あれは魔法よ。頭じゃなくて本能で使ってるから、使う魔法は生物固有のものよ。地竜は今回見られなかったけど、土を自在に操って地中に巣を作るのよ。もしここが遺跡じゃなくて森の中なら、こうはいかなかったんじゃないかしら」
「なるほどね、魔物を食うなんて聞かないわけだ」
こっちは魔法を使えるから対等以上に戦えるが、普通の人間なら一対一できれいに倒すなんて無理だ。
ただこの国は疑似魔法ともいえる錬金術がある。固有の魔法を使う魔物相手でも危険だからやらないだけで、準備すれば行けると思う。
血だらけになりながら鱗を剥ぎ、内臓を抜き出す。ベルが鼻を抑え嫌がる。
「ねぇ、それホントに食べるの?凄い気持ち悪いんだけど」
「何言ってんだ。前食った飛竜だってこうしたんだ。見てないだけで、その体の中にはこれが入ったぞ」
「うえぇ、気持ち悪くなってきちゃった……」
そう言って箒にまたがり、ふらふらしながらマリナたちがいる屋敷に飛んでいった。
どうせすぐに戻ってくるだろうから、彼女が戻ってくる前にさっさと終わらせよう。
――ふと視線を感じた。
誰かいるのかと解体を即刻中断して武器に手を添え、辺りを見回す。
しかし、誰もいない。
だが妙な気配がした。妙な気配をたどった先、そこには大きな鷲がいた。
その鷲が普通の鷲ではないことには一目見ればわかる、大量の神気をまとっている。
「なんだ?」
異常な鷲を見て警戒していると、その鷲は特に鳴くことも何もなく、飛び去って行った。
「なんだったんだ?」
動物が神気をまとうなんて聞いたことがない。神気は加護のもととなる力の源、意思持つものなら誰もが持つものだから動物が持っていてもおかしくはない。
ないが、あそこまでの神気を持つものなど聞いたことがない。
聖人?いや、獣だから聖獣だろうか。
飛び去ってしまったために確かめることはできないが、念のため警戒を怠らずに解体を再開した。
次回、「目指す先には」