第六話 ウィルベルさんの魔法講座
まだ整理できずにぶつぶついうウィルベルを町の外れに連れていく。
ギルドは人が増えてきたし、魔法を人に見られるのはまずいと思ったからだ。
「で、まずはお前が魔法を使えるところを見せてほしいんだが」
「あんな魔法使える人に見せられるものなんてないんですけど」
「なんだよ、そんなに昨晩食べた肉が羨ましかったのか?今晩食わせてやるから早く見せろ」
「ほんとに?ってちがーう!今更あんたに教えられることなんて本当にないのよ!」
存外ノリがいいな。表情もころころ変わるからいじめると楽しい。
それにしても教えることがないって、大魔法使いって言ってなかったか?なんか怪しくなってきたな。
まあいい、物で釣るのは失敗か。なら正攻法で説得する。
「何言ってるんだ、教えてもらうことばかりだ。言っただろ、他の魔法は何一つ使えないんだ。簡単な魔法も何も。そもそもどうやって魔法が発動してるのかもわからないんだ」
「なんでよ、あんな魔法が使えるなら他が使えないなんておかしいじゃない」
「あの魔法が使えるようになったのは記憶を直接、移植させられたからだ。あの魔法をどう使えばいいかはわかるが、どうしてそうなるのかわからないんだよ」
「へんなの。まあいいわ。じゃあ見ててよ」
ウィルベルが左手の平を上に向けるとそこから火の玉が現れた。
心の中で感動する。久しぶりに見た魔法だ。シンプルだけど、それゆえ魔術との違いがよくわかる。
「いい?魔法っていうのは、こう、ぎゅーんってやって、バーンって感じでやるとうまくいくよ」
「……は?」
感動が一瞬で無に帰した。
えっと、え?何言ってるのか、まったくわからん。
「もっと具体的に説明してくれないか?」
「だから、がーんって感じじゃなくて、ぎゅーんてやってバーンだよ。ふんがーってやるともっと強くなるけど、初心者にはまだ早いかなー」
「……」
目の前の少女はもしかして馬鹿なのか?それとも、俺が馬鹿にされているのか?
いいこと言ったみたいな、うっすい胸を張ってどや顔で教えてくる。
それなのに超感覚的な説明じゃ、とても理解できないな。
そのあとなんやかんやあって、本人に直接見せてもらいながらなんとか理解することができた。
魔法っていうのは、この世界にあふれるマナを刺激して現象を引き起こすことらしい。
試してみろと言われたので、適当に刺激してみることにした。
手のひらを上に向け、マナをそこにある程度集める。そしてマナに刺激を与えようとするが、刺激って何だと思ったので、とりあえず擦るイメージで刺激を与えた。
ただマナが何か変化しているのはわかるが何に変化しているのかわからない。
「なにしてんの?」
「もう少し待ってくれ……」
意地になって、もっと擦ってみると急にバチッっと音が鳴り、手に刺激が走った。
「いた!」
「え?何起きたの?今」
おそらく静電気が起きた。あれだけ擦ってこれだけかと思っているとウィルベルが解説してくれる。
「ふーん、たぶん極小の雷ね。雷は扱いが難しいから、魔法はもちろん錬金術でもあんまり使われないわよ」
また知らない単語が出てきた。
錬金術?あの物質を金に変えるやつか。
この世界にもあるとは驚きだし、言い方から魔法に近いものかもしれない。
その後もウィルベルから、より具体的な刺激の与え方、つまりマナの扱い方を学んだ。もっとも基本的な魔法は火水風土で少しだけ難易度が上がるのが光らしい。それ以外は複雑になるのでまた今度だ。
ひとしきり基本を教えてもらうと光までを発生させることができるようになった。
「あら、結構筋がいいじゃない。初めてにしては上出来よ。なんどもやっていけば、だんだんイメージするだけで使えるようになるよ」
「それを聞いて安心したよ。いちいちこんな集中してたらとても使いこなせないな」
この世界の魔法はゲームのようにMPがあるわけじゃない。大気中に満ちるマナに刺激を与えて起こすものらしい。この刺激を与えるのが自分の持つ魔力というわけだ。つまり魔力が少なければ大した魔法は放てない。
魔力はいうなれば筋肉の魔法バージョンといった感じで鍛えるだけ上がっていく。
鍛え方によっても変わるようで、一度に魔力を使い切ると一度に使える魔力量が上がり、長時間使い続けると魔力を長時間使えるようになる。
言ってしまえば魔力の瞬発力と持久力だ。あとはこの魔力をいかにうまく使うか。
身体で言う運動神経のようなものだ。
これらをバランスよく鍛えなければならない。
といってもそもそものマナが知覚できないと意味がないし、使えたとしても周囲にマナがなければ使えない。
とにかく、これでついに俺も魔法を手に入れた!これは目的云々ではなくテンションが上がる。
その後も1日ウィルベルに魔法について教えてもらった。ひとまず基本をいくつか練習法含めて教えてもらえたので、しばらくは自主練をひたすらやろうと思う。
3日くらいあればそれなりに形になるだろうか。
*
それから3日間。
俺は人目のつかない町の外でひたすら基本の魔法の練習をした。
火水風土光の5つ、基礎の基礎の魔法を簡単に起こせるようになった。とはいえまだ簡単に発動できるようになっただけで、実践で使えるような強さじゃない。精々日常を便利にするくらいだ。
ここから強くするにはどうすればいいのだろうか。
おそらくマナの量だ。今はずっと手のひらの上に乗る程度の量のマナに対して行っていたので少し大きめ、バスケットボールくらいの大きさにマナをまとめて刺激する。まずは安全な水だ。
「おお、大量の水だ……」
マナがあった手のひらの上から滝のようにしばらく水が流れ続けた。少しやり方を変えればバケツをひっくり返したように水が流れた。
流れ方は違うが水の量はどちらも同じだ。どうやら調整できるようだ。
他の属性についてもいろいろ試していたが、量が増えても問題なく魔法を使うことができた。ただ量が増えると魔力の消費も大きくなるので疲れも出やすい。
「あとは攻撃に使えるようになればいいけど、それは後回しだ。ほかにどんな魔法があるか探るか」
基本属性に関しては日常で使えるレベルになったため、いったん置いておく。攻撃に使うのは危険だからウィルベルがいるときにやろう。
だから次は他の魔法について調べる。
「前は擦ると電気だったよな」
正直これが一番気になる。工学系の学生だったから、電気と聞けばいろいろな活用方法が思いつく。基本属性は抑えたため、今度は電気で同じことをやる。
勢いよく擦ると静電気レベルの電気が発生する。
ここでふと気になった。擦る勢いで電気が発生するということはつまり、擦る速度で電圧が変化するということだ。ではマナが増えたら?雷のように巨大になる。
これはわかるが、他の属性で勢いよく擦るといった具合に、刺激の強さを変えたらどうなるのだろうか。
他の属性で試してみると火は高温に、水は激流に、風は強風に、土は固く、光は強くなった。
つまり刺激の強さが魔法の強さ、マナの多さが規模の大きさになるわけだ。
やはり実験に勝る理解はないな。実験だらけの学校生活が今更ながらに合理的だと思った。
あの時楽しくなかったのは難しかったからだ。あと先生が悪い、うん、そう。きっとそう。あの時言ったら赤点もらいそうだけど。
とかく俺のせいじゃない。
その後は再び電気の魔法の練習をひたすら繰り返していた。
そうして夕方頃だろうか、電気も弱い魔法ならほぼイメージするだけで発生させることができるようになった。
気晴らしに町に出かけると、丁度その時に誰かが声をかけてきた。
「やっと見つけたわ……」
ウィルベルだった。随分と疲れた顔をしている。少しやせただろうか。
「どうした?」
「どうした、じゃない!あんたがいないとあたし、お金稼げないじゃない!こないだの報酬なんて1日のごはんに消えちゃったし、稼ごうと思ってギルドに行ってもあんた、いないんだもん!飢え死ぬところだったわ!」
「え?あの金、1日で使い切ったのか?」
ウィルベルの言い分に唖然とした。
あのときは最初だし、お金もないということだったので、まとめて銀貨4枚払った。
この町は物価が安く、銀貨4枚もあれば数日は余裕で過ごせる。無駄遣いしたって3日は持つ。
「だって、しばらく何も食べてなかったのよ。ちょっとの贅沢くらいいいじゃない」
「それでまた食えなくなってりゃ世話ねぇな」
「だって次の日も仕事があると思ったんだもの!」
「確かに伝えてなかったな、悪かったよ」
「お詫びにまたお肉驕ってね」
「そこまでのことじゃねぇ――っ!」
「なに?どったの?」
話をしている途中、そこに数人がこちらに向かってくる。ここは町のはずれだぞ?
いや正確には町に向かっているのか。ただの訪問客ならいいが、そいつらは鎧を着ていた。
つまり軍の兵士だ。
慌てて近くの物陰に隠れる。ウィルベルはキョロキョロしながらも同じように隠れる。
「兵士がここに?嗅ぎつけられたか、それにしては少ない。ただの見回りか?」
「何隠れてるの?あんたもしかして悪いことでもしたの?」
「ああ、とびきりな」
兵士が町に入っていった。見つからないように後をつけていると彼らはギルドに入っていった。さすがにギルド内部に入るとバレるかもしれない。
「おい、頼みがある」
「あに?晩御飯次第で考えてあげてもいいよ」
「わかった、なんでも買ってやるよ」
食い意地張ったウィルベルに兵士の偵察を頼んだ。
彼女がギルドに入ってしばらく待っていると、怒鳴り声や騒ぐ声が聞こえた。
ギルドに兵士が入って穏やかに済むことはないと思ったが、予想以上に荒れてるな。しばらく待つと兵士が出てきて愚痴をこぼしていた。
「くそっ!恩も礼儀もわきまえぬハンターどもが!」
「野蛮なハンターに会話なんて無理ですよ」
「いっそ攻め滅ぼしたいものです。どうして駄目なのですか?」
「もし裏切者がこの町にいてみろ。我ら軍とて被害を受ける。なにより天上人がいれば大義が向こうにも存在すると思われかねん。そう安易に我々が動くわけにはいかんのだ」
「そうですか、残念です。しかし裏切者はどこにいるのでしょうか、この町は怪しいと思ったのですが」
「確かに、ここ最近で大物の討伐が相次いだという。奴がいるなら説明がつくがギルドの連中、ハンター情報は公開しないと首を縦に振りません」
「ならば当人を捕まえるしかあるまい、人員を要請しろ。私服偵察もな、裏切者がいるとなれば軍とて動く」
バレないように兵士3人を追いながら会話を盗み聞く。貴重な情報が聞けた。
軍はまだ俺の居場所を知らない、そのため安易に挙兵できない。逆に言えばわかれば挙兵するだろうが、ハンターギルドは戦うだろう。
俺のせいでと思わないわけではないが、もともとはギルドが始めた戦がきっかけだ。ソールも気にするなと言っていたし、ここは俺が参戦しないほうが軍も本気になれないだろう。
ギルドの近くに戻るとウィルベルが出てきていた。
話を聞くと、脱走兵がいないか、ウィリアムという名前の男はいないか、近頃大物を討伐した男は誰でどこにいるかを聞いたそうだ。
それに対するギルドの返事は脱走兵なんて怪しい人物はハンターとして信用できないために雇わない、そしてハンターの情報は公開しない、の1点張りだったそうだ。
驚いたのはちょうど居合わせたフェリオス達がヒュドラといった大物を仕留めたのは自分たちだと名乗ったことだ。
さすがに天上人がエルフではないことくらいは軍の兵士も理解しているようで、そこは引き下がった。
彼らには感謝しないといけない。
「あんた、本当に何をやったのよ。軍が動くなんて相当だし、さっきも大荒れだったわよ」
「やらかしたのは俺じゃない、あいつらだ……俺はこの町を出るが、お前はどうする?」
「別にこの町にいたいわけじゃないし、あんたがいないとあたし、仕事がないのよ。だからついていってあげてもいいよ。いつ出るの?」
「明日の晩だ」
「はやっ!」
今日はもう昼も過ぎ、夕暮れ時になろうとしている。今からでは必要なものをすべて集めるのは無理だろう。ギルドの連中に一言くらいは言っておくべきだ。
あいつらにも理由はあるだろうが、匿ってもらったんだから義理ぐらいは通すべきだ。
3人にも礼を言いたい。
ウィルベルと別れて旅支度をする。食料と武器を買い込む。
この後は中層を出て下層に向かう。下層でしばらく過ごすかそのまま外の世界に向かうかは未定だが、下層の町で道具を揃えられるかわからないから、今のうちに必要なものはすべて買う。
この国の北には山もある。ほかの国に行くなら、相当な遠回りをしない限りは登山になる。
準備は入念にしておかないといけない。
陽は沈み、夜になると多くの店が閉まり、代わりに酒場や宿屋が開く。
そんな中ギルドに入り、知人にここを発つことを知らせた。今はエルフ3人に知らせたところだ。
「そうか、ウィリアムもここを発つか」
「もということはフェリオス達もか」
「うむ、我らも近々マドリアドへ向かう」
「ヒュドラも倒したし、ウィリアムにも教えること粗方教えたしね」
3人ともマドリアドへ向かうそうだ。ここでやり残したことも終わり、ギルドに協力するためにということらしい。
「この国に閉じ込められるのは嫌なのでね。先ほど来た兵士の態度にも腹を据えかねる」
「らしいな……3人には世話になったな。ありがとう」
3人には話してもいいかと、自分が天上人ということと国を倒すために外に出ることを伝えた。すると3人は驚くこともなく納得したようだった。
「道理だ。ウィリアムの実力とその仮面をしている意味も納得というものだ。何より国と事を構えるということは味方というわけだ。心強いことこの上ない」
「実際に戦うのは当分先になりそうだがな」
「それこそ望むところよ。外の世界を知り、一回り強くなった貴殿と戦えるのだ。戦士としてこれ以上の誉れはあるまい」
「……フェリオスは外の世界を知っているのか」
フェリオスの口ぶりからは、外の世界に何があるか知っていそうだった。
「ああ、とはいえもう100年近くも前だ。今のことはよく知らぬ」
「100年もこの国にいるのか、何のために?」
何のためにこの国にいるのか。この国は碌なところじゃない。
そう聞くと3人とも少し怒ったように言う。
「何のためでもない。この国が外で何と呼ばれているか、知っているか」
グラノリュースがどう呼ばれているか?
知るわけない。そもそも外にまだちゃんとした国があることすら知らなかったんだから。
そう言うとフェリオスは目を伏せて、過去に思いを馳せながら言った。
「盗賊国家グラノリュース。この国を信じ、他国から派遣されたハンターや商人、外交官などは一度も外に出られない。我々も何度も外に出ようとしたが失敗に終わった」
「この国の軍はどうかしている。行動もそうだが技術や体制も。人知れず防壁を超えたかと思うといつの間にか先回りされ捕らえられる」
「何度も強制労働させられましたしね」
これには驚きだった。
ひどいことは知っていたが盗賊などと呼ばれているとは。確かに他国から来た人材を一人も返さず、自分たちは何もしないなど詐欺師と一緒だ。国家間でそんなことをやれば戦争になりかねない。
戦争にならないのも、防壁を超えられないのも恐らく原因は天上人だ。戦争になっても勝てないほどの被害を与え、防壁には何かしらの細工を施している。長年生きた天上人ならできてもおかしくはない。
つまりあの防壁は人々を護るためではなく、閉じ込めるためにあったというわけだ。
「ウィリアムも外に出るときは細心の注意を払うことだ」
「ああ、気を付けるよ。3人とも達者でな……ああそうだ。マドリアドへ着いたら俺の名を出してオスカーという男を探すといい。その男も天上人で俺の先輩だ、きっと力になるよ」
「ウィリアムの先輩とはな、これはまた面白そうな男がいるな」
「本当に面白い男だよ」
最後にマドリアドにいるオスカーを紹介しておいた。名前を変えたらしいし、仮面をつけているがきっと会ってくれるだろう。
エルフと別れ、ミゲルとリリアナとも挨拶をした。2人はこの町に家を建てたいそうでまだまだここにいるそうだ。お幸せにと伝えて吐き気がするほど甘い二人の間からとっとと避難する。
次に会ったのは、たまたまそこにいた喧しい3人娘だ。いや元騒がしいかな。
「ええ!?ウィリアム行っちゃうの!?」
「そんな!?まだまだ教えてほしいことがたくさんあるのに!」
「鍛錬も最近は言われたメニューがこなせるようになったんですよ!それなのにここでお別れなんて」
今はマシだと思ったが前言撤回。3人ともでかい声で返された。耳が痛い。
仕方ないのでこいつらにもオスカーを紹介しておく。ごめん、オスカーいろいろ押し付けて。
だが実際のところ、身体を鍛えるならオスカーは適任だ。マドリアドも人手を欲しているし、いろいろ学べる。
「もっと一緒にいたかったのに……」
「今更俺なんか必要ないだろ。まあ、精々死ぬな」
席を立つと手頃な位置にマルセラの頭があったので、なんとなく軽く手を置いて無事を願った。
彼女たちに特別思い入れがあるわけじゃない。
ただのハンター仲間だ。
死ぬときは死ぬ。ただそれができるだけ先であることくらいは祈ろうと思った。
ただ立ち去った後にまた騒ぎ始めたので、これまた前言撤回して死んだら静かになるかななどと思ってしまった。
最後に受付のフィデリアとヒメナに挨拶をする。
「そうですか、もう行かれるんですね」
「まだ1か月じゃないですか……もうちょっといてほしいです」
「悪いな、急ぐんだ」
「そうですか……じゃあ最後に一ついいですか」
彼女たちはハンターではないので無茶をしなければ死ぬことはないはずだ。先ほどの3人以上に仕事相手として割り切っているので淡白だ。会うのはこれが最後になるかもしれない。
頼みか、聞くだけ聞いてやるか。
「その、仮面の下の顔が見たいです」
「最後がそれかよ」
「だって見たいじゃないですか。素顔はどんななんだろうなーって毎晩悶々とする私の身にもなってくださいよ」
「知らねぇよ、他に考えること山ほどあるだろ」
「私たちには大事です!」
「あっそ、悪いがそれは断る。全部のことが終わったらその時に考えてやる」
「じゃあ早く帰ってきてください……私はウィリアムさんが好きですからいつまでも待っています」
顔を見せるのは嫌だ。
仮面をして偽らなきゃ、普通に接せる自信がない。嫌悪感が口から出てきそうになる。
ハンターでも見せないのに受付と必要以上に仲良くなる必要はない。
最後に彼女が告白してくれたが彼女はまだ若いし、俺のことをよく知らない。
不良に憧れるようなものだし、どうせすぐに冷める。
こうしてあいさつ回りを終えて、宿に戻ってその日は休んだ。
いよいよ、この国をでるんだ。
しっかり備えるとしよう。
次回、「中層を抜けて」




