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後悔

作者: 有元気郎

勇者たちは遂に魔王に挑む…

 ああ…負けた。勇者パーティは負けた。厳密にはパーティの1人である私がまだ生きているので負けてはいないのだけれど、ほぼ負けたようなものだろう。

 5人で構成された勇者パーティのうち勇者は早々に退場、私以外は私を庇い死んでしまった…たぶん。というのも魔王は思ったよりも人の心を持っていないようで、遺体を残してくれなかった。伝わるかどうかわからないが、炎系で消し炭になったとか、ぐちゃぐちゃに潰されたとかではなく、異空間に飛ばすという正直レベルが違いすぎる大技だった。

 そのあと私は魔王と1人戦ったけれど、勝てるはずもなかった。そもそもこちら側が5人で勝てると踏んできたのに、いざ魔王を相手にした時、1人欠けてて、なおかつ、残ったみんながみんな消耗していて、完全に負け戦だった。

 あー、家で畑仕事でもしてればなー。

 でも、みんなに会えたのは勇者パーティに入ったからなんだよなー。

 あー、みんな死んじゃったなー。

 でも、みんなで救った命もあるし。

 あー、もっと私自身が弱かったら誰かに助けて貰って楽だっただろうなー。

 でも、私は強くて、だからこそ、誰かを助けなければならなかったんだろうなー。

 あー

 でも

 あー

 でも

 あー

 でも

 魔王討伐の旅、結果負けてしまったけどなんだかんだ楽しかったんだよなー、最初はみんな弱くて、アイツにボコボコにされてたけど。だんだん同じくらい強くなって、引き分けるくらいになって、これならいけるって魔王城にのりこんでいったらアイツさっさと死んじまうんだもんなー。あんだけ強かったのに。勝てるって思ったのに。強かったアイツに勝って、敵も苦労しながらも倒していって、自身があった、けどアイツはあくまで勇者パーティの中で1番強かっただけで、世界で1番だなんて誰も証明していないし、実際そうだった。

 怖かった。アイツが死んだあとみんな明らかに怯んでいた、受けるはずのない攻撃を受け、苦労するはずのない敵に苦労する。引き返すべきだった。勇者が死んだとなれば、魔王討伐を考え直さざるを得ないだろうし、もっと強くなり、仇を取るという、後押しも出来ただろうし…いや、これじゃあ、仲間が死んでくれたから魔王を倒すことが出来ると言っているみたいだ。そうじゃない、そういうことが言いたいんじゃないんだ。

 結局、そのあとは引き返すことはなく今に至るわけだ。ひどい、酷すぎる。もう少しどうにかなったはずだ、4人での陣形とか、緊急脱出の術とか、もう少し、もうすこし。

 もう二度と会えない仲間への弔いを、あまりに抽象的な言い訳を、酷い酷い結末に絶望を。

 そんな今更遅すぎるであろう後悔をする私に向けて放たれる、魔王の最後の一撃。


ドゴゴゴゴゴゴゴ


「あ…れ……生…き…」

「遅過ぎるどころかあまりにも早過ぎるよ」

「ぇ…」

「まだ終わっちゃいないんだ、後悔するのは終わった後にしてくれ、それに、みんな無事だ、だから、負けた後じゃなくて、勝った後を考えろ」

 まだ負けてない。アイツが3人を連れ戻ってきて勇者パーティが再び揃った。とは言っても1人を除いて戦闘不能だ。だけど、勝てる。アイツは強い、何より負けず嫌いだ。それにあんなカッコつけた台詞を言ったら後には引けないだろう。だから、だから、

「勝って…みせてよ」

「ああ、勝ってみせるさ」

 この後どうなったかはあなたのご想像にお任せします…が、一応僕なりの答えを書いておきます。

 いろいろあって魔王を倒し、全員の無事が確認でき、ハッピーエンドですかね。実にシンプル(適当)ですが。まあこの後勇者パーティ内のドロドロドラマが待ち受けているのかもしれないし、魔王が復活するかもしれないし、そもそもバットエンドかもしれないし…です。


 勇者パーティの詳細ですが、

勇者・アイツ。典型的な異世界転生物の主人公的な異世界転生者。かなり強い。魔王城では中ボス2ぐらいでやられた(中ボスは5まで)、油断していただけ(大迷惑)。復活は女神に懇願して出来たものであり全然余裕じゃないけど、カッコつけた台詞を女剣士に言ってしまったため、恥ずかしさで集中できず魔王戦が若干長引いた。3人を異空間から助けられたのも女神のおかげ。仲間との戦いでは結構手加減していたため、女剣士の見立てはズレていて戦力自体は全然魔王より大きかった。剣も魔法も使える万能な奴。[”魔法が使えて奇跡が起こせないわけない“的な台詞を入れようと思ったけどスタイリッシュな終わりにするためボツになった(上手くまとめられなかった)]


女剣士・語り部。騎士ではなく剣士。強い。名家で産まれたとかではなく、平民なのに強かったタイプ。根性があって、酒に強い。触手に捕まっても炎系魔法で燃やすし、オークは剣でぶった斬るからエロ漫画的な展開には絶対ならない、というか異世界にエロ漫画が存在していないため、設定とか状況とかを知らない。剣を中心にサブで魔法を使う。[もう少し思い出話をしてもよかったけど、めんどくなったなんて言えない(これ以上書いても伝わることは一緒かなと)]


3人・魔王城のドアをぶち破った筋肉ムキムキ物理アタッカー男、小さめの国なら消せる魔法使いというか魔女、回復特化かと思いきや普通に攻撃も強いヒーラー女。[3人は勇者と女剣士がデキてると思い込み(話し合い済み)、勇者が死んだ後の女剣士の落ち込み具合でお腹にもデキてると思い込み(それぞれ勝手に思い込み)、勘違いに勘違いを重ね魔王の攻撃を庇って逝ってしまったとか(間違いは誰にでもあるよ…)]


感想

 ”やらないで後悔するより、やって後悔する方がいいだろう“的な台詞に対して”やって後悔しないのが1番いい“的な言葉を送るのを読んだことがあるんですが(なんかの本で読みました)、僕はこれを見た時結構、ビビッときたんですよね。ゆで卵か生卵かわからない卵を、割らないで冷蔵庫にしまうより、割って生卵、ではなくゆで卵を引けば、確かにいいですよね。

 まあ、別にゆで卵を作らなければ、作っても別の容器に分ければ、こんな戦慄生まれないんですが。

 卵だけに。

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