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時空 まほろの童話集

雨蛙とあーちゃん

梅雨の最中(さなか)


蛙の合唱が聞こえる


げこ、げこげーこ


賑やかに歌っている


雨乞いをしているのか

(つがい)を探しているのか


曇天の空の下

今にも振り出しそうな雲の下


蛙たちは鳴く


鳴くったら鳴く


五月蠅くとも鳴く


紫陽花の茂みの下で

げこげーこ


まだ田植えが終わったばかりの水面に顔を出して

げっこげっこ


雨合羽を着たあーちゃん


蛙の声にきゃらきゃら笑って

一緒に真似をして歌う


「げこ、げーこ、蛙さんの真似~!」


赤い長靴でぴょんと跳ねます


その後ろで小さな雨蛙が

あーちゃんの真似をしてぴょん、と跳ねます


あーちゃんのお母さんはそれを見て

「あら、蛙さんがあーちゃんの真似をしてる」

と微笑みます


あーちゃん、ぴょんぴょん


雨蛙もぴょんぴょん


一人と一匹の真似っこ真似っこ


すると、お空から本当に雨が降ってきました


サアーサー……


あーちゃんはピンクの傘を差したお母さんと手を繋いでお家へと帰ります


残された雨蛙


小さな声で歌います


げこ、げーこ……


ある梅雨の日の一幕でした



お読み下さり、ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[良い点] いやー心があったまります。 [一言] とても良い作品を読ませて頂いてありがとうございます! 以前住んでいたマンションの6階のベランダでかえるを発見した時は驚きました。私はカエルは嫌いじゃな…
[一言] 心が和む、童話でした( ´∀` )
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