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空賊姫は受けた屈辱を必ず雪ぐ  作者: 山極 由磨
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何を言っているのかカオが理解する間もなく、シャルーナナは自らスカートをたくし上げ、白いガーターストッキングに包まれた綺麗な脚と桜色のショーツで隠された個所を惜しげなく見せる。

 そしてカオの目をくぎ付けにしたのは、小さな三角形の布に覆われた“柔らかい膨らみ”と、ストッキングの内ももに挟み込まれた二丁の小型拳銃。

 シャルーナナはそれを引き抜くと素早く安全装置を解除し天井に一発。

 甲高い銃声が店内を震わせ天井板の一部が白い粉に成って降り注ぐ。

 タライラント弁護士は残る一丁を抜き去ると、素早く凍り付いたカオのこめかみに突きつけ。


「店員の皆さん、オタクの主人の命が惜しければ、金を二階に持って行く必要はありませんよ。ここに置く様に指示してください。あ、それから警備の諸君、我々とドンパチやらかして勝てるなんて思わない様に」


 その言葉と同時に荷物持ちのガキは手提げカバンから表面だけ本物の紙幣を張り付けた札束をぶちまけると、中から黒光りする短機関銃と手投げ弾を取り出し。


「そこのオッサン!とっととその御大層な鉄扉を開けな!でねぇとレンコンみたいにしてやるぜ」


 命じられた店員はカオの命令を待つことも無く、震える手で制御盤に取り付き装甲扉を解放した。

 完全に開ききる間を惜しんでなだれ込んできたのは三人。

 小柄だが筋肉質の短髪の男は軽機関銃を構え、黒いひっつめ髪のカモシカ角の女は両手に大型拳銃大の短機関銃を握りそこらに居る店員に狙いを定める。

 そして、その二人を率いる女にカオは見覚えがあった。

 その名を叫ぶ前に、彼女自らが名乗りを上げる。


「アゲハ空賊団団長!アマツ・アゲハだ!我らを謀りせしめた保険金25万圓!一銭残らずもらい受ける為参上した!命が惜しくば大人しく金を渡せ!」


 警備員の1人がジャケットの内側に手をやるのを目ざとく見つけると、アゲハはその足元に手にしたユスノフ00式から9ミリ弾を叩き込む。

 銃声と着弾音と共に絨毯の毛が舞い散り、警備員は手にした水平二連の散弾銃を床に捨てた。


「お兄さん方、ここを共同墓地にしたくなかったら、得物を捨てな」


 軽機関銃の銃口を巡らせつつホランイはドスの利いた声で更に皆を脅す。それに従い警備員全員が自らの武器を全部床に目掛けて捨てる。

 拳銃や散弾銃と、毎分800発の小銃弾をバラ撒く軽機関銃とでは勝負は端から見えている。

 店内に運び込まれた現金入りのトランクをレイやダチュレ、トァムが運び出すのを横目で見ながらユスノフ00式の狙いをピッタリとカオの顔面に定めつつ。


「空賊をなめたら痛い目に遭うって事が判った?それじゃアタシ達、用事が終わったから失礼するわね」


 恐怖と屈辱で体を強張らせたカオは、顔面を真っ赤にしつつ呻くように。


「このアマァ!こんなことしてタダで済むと思うなよ!紅龍会がお前らを地の果てまで追い詰めるぞ!」


 対して彼女はニッコリわらい。


「あら、そんなの上等じゃない。それよりもアンタ自身が紅龍会に弾かれない様に気を付けなきゃダメなんじゃなっかしらん?」


 と、言いつつ彼に近寄るとジャケットの胸ポケットにカードを一枚突っ込んだ。

 黒字に白くアゲハ蝶の羽を生やした髑髏のカード。


「それでは皆さん、ごめんあそばせぇ」


 慇懃に腰を折り礼をして身をひるがえし外へかけ出るアゲハ。

 ホランイは床と天井目掛け軽機関銃を乱射、けたたましい発砲音と共に絨毯を引き裂き床板を跳ね散らかし、シャンデリアを叩き落として天井板の破片を降らせる。

 そして、仕上げとばかりにリシバが立ち去り際にいつの間にか手にしていた白い陶器の壺をカオめがけ放り投げる。


「俺たち偽物なんか集める趣味は無いんでね!こいつはお返しするぜオッサン!」


 思わず抱き留めたのは、あの『コケモモの壺』の“贋作”

 頓狂な悲鳴を上げ慌てて放り投げた時、壺は空中で四散、強烈な轟音と閃光が辺りに満ち、濛々たる白煙が店内を埋め尽した。

 非致死性の閃光発煙弾。誰もがその場から身動きが取れない。

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