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第67話 学院祭パニック08


「わお!」


 とはギフト。


 メイド姿のミズキに抱きついて猫可愛がり。


「何がだ」


「すごいです!」


「だから何が?」


「蹴り一発でモンスターを仕留めたことです!」


「誰でも出来るだろ」


 んなわけがない。


「魔術は使わなかったのですか?」


「然程必要でもなかろうしな」


 そんなこんなでギフトと二人、学院を歩く。


 向かう先はねぐら。


 ミズキとセロリの寮部屋だ。


「いいのか?」


 ミズキの当然の質問。


 ホテルではない。


 ミズキの部屋。


「そこで良いのか」


 そういう疑念だ。


「興味ありますし」


 和やかなギフトだった


「お前が良いなら別段構わんが」


 ふけ~ざ~い。


「にゃ!」


 とギフト。


「護衛はいないのか?」


「いますけどホテル待機です」


「何ゆえ」


「ミズキがいれば万事息災ですから」


 聡明なギフトだった。


 第一王女の貫禄。


 理論の飛躍と想定の堅実化。


 ミズキとて嘆息の一つもしたくなる。


「ならいいんだが」


 あまり嬉しそうでもない。


 これを徒労と人の呼ぶ。


「毒殺されても知らんからな」


「セロリさんはそんな人物で?」


「違うが」


「ならオーケーですよ」


 破顔するギフト。


「何が?」


 とは思念でのツッコミ。


「一応恋敵になるのか?」


 そも然程自分を評価していないミズキではあるが。


「ですね!」


 快活。


 ギフトは元気いっぱいだった。


「ギフトが国王になればミズキを直属のロイヤルマジシャンにしてあげます。なんかもう超絶特権てんこ盛り!」


「いらね」


 素でこれを言う。


 本当に、


「何でもない」


 らしい。


「クール」


 ギフトの評価だ。


「不敬罪には当たらないか?」


「王族だから偉いって言うのも違うかな、と。ようするにぶちまけ税金の分配制度ですよね。流れ的には一番下じゃありませんか?」


「然もあらん」


 そこはミズキも同意見。


「そうだ!」


 ギフトが言う。


「交合しない?」


「却下」


「何で?」


「責任が取れん」


 まったき事実だ。


 少なくともかしまし娘を差し置いてギフトと交合も出来ないものだが。


「にゃあですよう」


 不満げなギフト。


「お前本当に王女か?」


「ですよ?」


「ビッチか?」


「まさか」


 と行った後に思案して、


「ミズキの前ではビッチです」


 多少発言に修正した。


「さいか」


 精神的な肩こり。


 まだこの世界に湿布はない。


「しっかし……」


 ミズキは思う。


「王族って何だろな?」


 それほどギフトは気安かった。


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