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第109話 乙女の恋慕は凍らない25


 デートをしていると良い時間になった。


 寮部屋に帰るミズキにジュデッカまでついてくる。


「何事か?」


 はセロリとギフトの疑問。


「惚れ直したそうで」


 サクリと。


「あう」


「むう」


 乙女心は複雑だ。


「知らん」


 で済ませるミズキも相応だが。


 器用に四人分の食事をセロリがほとんど定期的な感じで作り、四人でテーブルを囲って食事。


「ジュデッカはミズキの何処が好きなのですか?」


 ギフトが問う。


「んー?」


 少し困惑。


 食事で頬を膨らませている。


「だろうな」


 とミズキ。


「気がつけば」


 他に言い様もなかろう。


「恋は落ちるモノですから」


 普遍的理屈だが、だからこそロマンスは面白い。


「ミズキちゃん」


 悲しげなワンコの声。


「ジュデッカちゃんのこと……好きなの?」


「別に」


 コレを真顔で言うのだ。


 何ともならない病気である。


 サクサクと食事をとって、魔術陣に魔力を送り込む。


 風呂場に湯が張られ、一番風呂にミズキが入った。


「シャワー千両、お風呂万両だな」


 体を清めて入浴すると、


「あの……その……」


 ジュデッカが入ってきた。


 突撃隣の夜お風呂。


「一緒に入って……いいですか?」


「今更ではあるな」


 セロリとギフトには入ってくるなと命じたが、ジュデッカには申し渡していない。


 ついでに命じることでヒロインたちがミズキと混浴した事実があったため、ジュデッカが暴走することも念頭にはあった。


「恐縮です」


 体を清めて混浴。


「あう」


「恥ずかしいなら入ってくるなよ……」


「でも……先輩の周りには……魅力的な女子がいっぱい……」


「かしまし娘とギフトな」


「かしまし娘……」


「セロリとカノンとサラダだ」


「にゃ」


 皆ミズキが大好き。


「ハーレム作らないです?」


「ハーレム?」


「女の子をいっぱい囲って」


「誰彼構わず抱いてしまえと?」


「そういう愛の形もあります」


「お前はソレで良いのか?」


「魅力で……負けてますから……」


「そうは思わんがなぁ」


 ジトッと観察する様にミズキはジュデッカを見た。


 灰色の髪の美少女。


「色的に気持ち悪いでしょう?」


 溝鼠色と揶揄される事もある。


「前にも言ったが灰色は平和の象徴……鳩の色だ。卑下の対象にはならんが」


「そう言ってくれる先輩が好きです」


「恐悦至極」


 サックリ。


「ハーレムねぇ」


 場合によっては出来ないでもないだろう。


 ギフトには、


「宮廷魔術師にならないか?」


 と勧誘されている。


 実際にそうなれば王族お抱えの身分だ。


 豪華な屋敷に生娘を幾らでも連れ込んで、酒池肉林を再現出来るだろう。


 当然かしまし娘もそこに入るであろうし、ギフトもジュデッカも心情的には喜ばしいはずだ。


「業が深いな」


 お前が言うなの典型だ。


「おっぱいとか……揉みたくないですか?」


 混浴してるのだから当然二人揃って全裸。


 フルオープン。


 どこからか夜なのに光が差して、大事な部分が消えていた。


「揉みたくないわけがない」


 これは当然。


「が、面倒事は嫌いだ」


 そんなミズキニズム。


「責任取らなくて良いですから」


「片親で子どもを養う家庭を作れと言いたいのか?」


「うぅ……」


 つまりはそういうことだった。


 子どもを作れば責任が発生し、その重圧はどんなに辛くても放り出すことが出来ない。


 する人間もいるが、ミズキには無理だ。


 それと乙女に手を出さないのは別件だが。


「不能?」


「ぶっ殺すぞ」


 十六パーセントから七十二パーセントの間で本物の殺気がミズキの表情をよぎった。


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