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ひろじさん

ひろじさん!タイムパラドックス

作者: 星野☆明美

「明日以外すべて壊せ」

この曲が流れたとき、私は食い入るようにテレビ画面を見つめた。

誰?あの人?

スカパラは知ってる。けど歌ってる人初めて見た。

それからインターネットやらCDショップやらで彼の情報を集め始めたが、変だ!おかしい!私の記憶に全くない。しかし、あとからあとから彼の出た番組の過去映像やら音源やらが湧いて出てくる。

私はアラフィフで、それなりのテレビっ子だったのだが、彼は年が近くてちゃんと活動してきていた実績があるのに、私の記憶に全くないのだ。


これは…

時空を渡っちまったかな…汗。


「こーんど越して来た、ぼーくでーす♪」

この曲知ってる!でも彼とどうしても結びつかない!!!

ピンポン!

「はい」

「明美さん、また時空移動しましたね。困るんですよ、そーいうことされちゃ」

「はあ」

「元の時空に戻るのは、エネルギーが蓄積して大変危険なのでやめてください」

「うーん」

「元の時空でやなことあったんでしょ?それで転移しちゃった。わかります。でもね」

「?」

「なるべく今の時空で踏ん張って、快適に過ごしてください!」

タイムパトロールの兄ちゃんが注意に来た。

パタン。

ドアを後ろ手でしめて、ため息つく。

前の時空にはひろじさんいなかったんだ…。

これは、ひろじさんを応援しなさいってことだと思っておこう。

やなことから逃げてここに来ました。しばらくよろしくお願いします。

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