湯に浸かり
「セクタ兄に聞いたよ! 無茶したんだって!? この馬鹿!」
「ごめんなさい!」
抱き締められたまま、ちょっと頑張って頭を下げる。あまり下がりはしなかった。
徒歩でこの屋敷に戻る。それは好奇心からの挑戦であったが、多少なり危ないであろうことは想像がついていた。ただ、こんなに心配されるとは想像していなかっただけに、ルルノはしゅんとして、反省をしていた。
「次やったら許さないからね。お師様にも怒られたって知らないんだから。うわ、髪ぼさぼさ……洗ってあげる、ほら、おいで」
「あ、はい」
みんなが凄く子供扱いする。そんな思いはあるものの、素直に従って湯船から出た。そして、椅子に腰を下ろす。
すると、卦籤が浴室に置いてあった薬箱から粉を手に取り、お湯で少し泡立て、ルルノの髪を撫でて洗う。
「あぁ、あぁ。ぼろぼろ。折角綺麗な黒い髪なのに」
「旅をしていると、つい」
「私たちみたいに化けてるわけじゃないんだから、ちゃんと綺麗にしなきゃ駄目でしょ。全く」
「ごめんなさい……」
またしゅんと背を丸める。
「良いわよ。いや、良くはないわ。ちゃんと反省しときなさい。次旅に往く時は一緒に往きましょう」
「え? 本当ですか? わぁい。嬉しいです」
「ふふん、そうでしょう」
髪を洗い終えると、次はぬか袋でルルノの身体を擦る。
「え、あぁ、身体は自分でやりますよ!?」
「傷の確認してるのよ。あぁ、足にこんなに擦り傷つくって」
「卦籤お姉さん、厳しい……」
「後で傷薬とかちゃんと塗るからね」
「はい」
身体を洗い、湯で流すと、また湯船に戻った。
「はぁ、気持ちよいです」
「そうねぇ」
二人して、のんびりと浴槽で天然の温泉を堪能する。




