5話 オリンポス十二神1(ヘルメス、ヘスティア、ゼウス、ヘラ)
やっと今回で「オリンポスの神々」というものが出てきますが、本作では本来伝えられているものとは少し変えています。
よろしくお願いします。
どうもこんにちは。俺です。
一時期、「神様と一緒に戦うとか、俺って特別なソンザイじゃね?やっべ超ラッキー\(^o^)/」と思っていたこともありました。
ですが、今はもうそんな浮かれた気持ちにはなれません。なぜなら、5年で50億年生きた人(神)に追い付かなきゃいけないからです。
無理だろ。
ということをガイアさんに伝えた結果、
「確かにそうじゃな。そうじゃ、〈取得経験値10倍〉を〈取得経験値100倍〉に進化させとくの」
と言われ、常人の一億倍頑張らないといけないところが、一千万倍まで減りました。これ以上は進化できないみたいです。
無理だろ。
ということをガイアさんに伝えた結果、
「確かにそうじゃな。そうじゃ、〈思考加速〉、〈並列思考〉、〈必要経験値1/10〉、〈限界突破〉を与えとくの」
と言われ、常人の一千万万倍頑張らないといけないところが、百万倍まで減りました。
それでも無理だろ。
ということをガイアさんに伝えた結果、
「確かにそうじゃな。お主、〈全知〉のスキルを持っていたじゃろ。それ、進化させとくの」
と言われました。
それでもまだ無理だろ。
ということをガイアさんに伝えた結果、
「もう何もやらんぞ」
「あっすんまそん」
〈全知〉がどう進化したかはまた後で見るか。
「では今から神界に転移する。掴まっておれ」
「うす」
ガイアに掴まると、俺たちの足もとに魔方陣が現れ、段々放たれる光が強くなる。
そして光が収まった時には神殿のような建物の中にいた。
奥を見てみると、翼が生え、二匹の蛇が絡まった杖を持っている青年と、おっとりとした印象の女性が立っていた。
「おお、ガイアさん、やっと来ましたか。待ってたんですよ」
「ちと話が長引いてしもうてのう」
「その子が?」
「そうじゃ」
杖を持った青年が俺の方を向く。
「やぁ。君が海馬航希君だよね?はじめして、僕はヘルメス。オリンポス十二神の一人で、商売と幸運、そして魔法を司る神だ」
ヘルメス。確か通貨の語源だったよな。
「詐術と盗みも司ってるじゃろ?」
「止めてくださいよガイアさん。そういう印象の悪くなりそうなのは言わない方が良いんですよ」
「えっと、俺は海馬航希で合ってるが、なんか俺を知ってるような言い方だな」
「知ってるも何も、大注目だよ大注目。僕は幸運を司る神なんだけど、君の幸運値には及ばないよ」
「え?」
俺って幸運を司る神より幸運値高いの?
「試しに僕の事を鑑定してみてご覧よ」
じゃあ鑑定してみようか。
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ヘルメス 5億2500万1300歳 男
種族 神族
職業 ―
レベル19015
HP 185000/185000
MP 568040/568040
物攻 75500
物防 72530
魔攻 400205
魔防 380010
敏捷 95460
幸運 900000
〈スキル〉
鑑定 偽装 危機察知 隠密8 身体強化9 敵性魔法耐性45 MP自動回復32 限界突破
─魔法─
全魔法29 無詠唱
─ユニーク─
アイテムボックスα
〈称号〉
オリンポス十二神 神々の使者 詐術の神 盗みの神 商売の神 幸運の神 魔法の神
────────────────────
ま、本気だ。幸運値90万て物凄く高いんだろうけど、俺500万だもんな。ぶっ壊れてるよな。
やっぱり魔法を司る神なだけあって魔法系統のスキルが充実してるね。
〈敵性魔法耐性45〉って。因みに耐性系のスキルは、ダメージがスキルレベル分の一になるそうだ。ヘルメスの場合1/45ってこと。
他にも気になるものがあるから鑑定してみよう!
〈全魔法〉...全種類の魔法の複合スキル。
〈オリンポス十二神〉...オリンポス十二神に属する神に与えられる称号。
〈神々の使者〉...神々の使者に与えられる称号。移動速度が速くなる。
〈詐術の神〉...詐術を司る神に与えられる称号。
〈盗みの神〉...盗みを司る神に与えられる称号。
〈商売の神〉...商売を司る神に与えられる称号。
〈幸運の神〉...幸運を司る神に与えられる称号。
〈魔法の神〉...魔法の概念を作り、魔法を司る神に与えられる称号。全種類の魔法を使えるようになる。
なるほどぉ。ヘルメスって魔法作ったり通貨の語源になったりと、案外人々の役に立ってるんだな(失礼)。
「〈神々の使者〉って格好良く言ってるけど、要はパシりってことだよな?」
「あはは。まぁオリンポス十二神の中では僕が最年少だからね」
ヘルメスさんも苦笑いである。
「ヘルメスは詐術やら盗みやら商売やら幸運やら魔法やら、色んなものを司ってるけど、普通こんなもんなのか?」
「いいえ、ヘルメスくんが特別なだけですよ。普通は一つか二つです」
ヘルメスの隣に立っていた女性が俺の質問に答えてくれた。
「そうなのか。ところで、あなたは?」
「あ、自己紹介がまだでしたね。私はオリンポス十二神の一柱、かまどと家庭の守護神であるヘスティアよ。よろしくお願いしますね」
かまどと家庭かぁ。優しそうなイメージによく似合ってるなぁ。
「鑑定してみてもいいか?」
「もちろん」
「別に態々断りを入れなくてもいいんじゃぞ?」
「いや、人間ならいいとして、神様相手だからな。勝手に鑑定したら失礼にあたるんじゃないかな~と」
「タメ口で話しとる奴が何を言っておる。神の親である妾が許すと言っているのだからそれでいいのじゃ」
確かにそうですねー。
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ヘスティア 女
種族 神族
職業 ―
レベル12000
HP 150000/150000
MP 150000/150000
物攻 68200
物防 65130
魔攻 79005
魔防 80052
敏捷 75201
幸運 5000
〈スキル〉
鑑定 偽装 気配察知 状態異常耐性20 HP自動回復25 限界突破
─魔法─
四大魔法10 無魔法9 光魔法11 回復魔法10
─ユニーク─
アイテムボックスα 静穏
〈称号〉
オリンポス十二神 家庭の守護神
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〈静穏〉...発動することで対象者の心を落ち着かせることができる。
〈家庭の守護神〉...家庭を守護する神に与えられる称号。家庭の団欒を促す役目がある。
「あれ?年齢が書いてないぞ?」
「大体の女神は偽装で年齢をかくしてるんだよ」
「なるへそ」
家庭の守護神っていうくらいだから、そこまで強い訳じゃないんだな。いや、ガイアやヘルメスを先に見たから感覚がおかしくなってるだけか。
「〈静穏〉ねぇ。平和なスキルだなぁ」
その時、急に体温が上がったような気がした。そして段々と満腹の時のような、眠くなるような、そんな感覚になる。今、身体中の細胞にとって最も適した環境になったと直感でわかる。
「気が付きました?今、コーキさんに〈静穏〉を使ってみたんですよ」
「なるほど。通りで。この状態で眠りについたら一生起きない自信があるな」
いやマジで。
「おっといけない、忘れてたよ。航希君に恩恵を与えないといけないんだったな」
「そうですね。では私も」
二人がそう言うと、ガイアにスキルを貰った時のような、体の芯が暖まるような感覚を受ける。これが恩恵ってやつか。
《恩恵〈ヘルメスの寵愛〉、〈ヘスティアの寵愛〉を獲得しました。異能〈ヘルメス〉、〈ヘスティア〉を獲得しました》
「ッ!?」
「どうしたんじゃいきなり」
「どうしたんだ?」
「いや、いきなり声が聞こえて。何かを獲得しましたとか言ってたような......」
「ああ、なるほどのう。きっと〈全知〉の効果だと思うぞ。神界に来たからスキルが開花したんじゃろうな」
〈全知〉?ああ、あの次元の狭間(仮)では使えなかったスキルか。
そういえばあのスキル進化したんだよな?ちょっと見てみるか。
〈全知〉...あらゆる知識を持つ人格を所持できる。その人格に身体の主導権を一時的に貸し与えることができる。
「その人格に」から先が追加されたのか。主導権を貸し与える?よくわからないな。あ、わからないなら〈全知〉に聞けばいいのか。どういうことなんだ、〈全知〉?
《例えば、スキルに頼らない技術だけの戦いをする時に主導権を貸し与えてくだされば、私がその一瞬一瞬においてどう動けばよいのかの最適解を計算し導き出し実行することによって、絶対に勝つことができます》
なるほど。
《また、夜寝る直前に主導権を貸し与えてくだされば、身体は作業したまま、意識だけ眠ることができます》
へぇ。便利じゃん。
俺のこと何て呼ぶの?マスター?ご主人?
《マスター、と呼ばさせていただきます》
オッケー。俺はこいつのこと何て呼ぼう?毎回〈全知〉って呼ぶのも嫌だしな。
《マスターにお任せします》
うーん、何でも知ってる......、図書館......、百科事典......、じゃあ、“encyclopedia“から“ency”を取ってエンシーだな。
じゃあよろしくなエンシー。
《よろしくお願いします》
じゃあ早速恩恵を鑑定するか。
〈ヘルメスの寵愛〉...商売と幸運、魔法を司る魔法神ヘルメスの寵愛。異能〈ヘルメス〉を得る。
〈ヘスティアの寵愛〉...かまどと家庭の守護神ヘスティアの寵愛。異能〈ヘスティア〉を得る。
うん?異能ってなんだ?魔法じゃないのか?
「異能ってなんだ?」
「アテナがヘラクレスに寵愛を与えた時に判明したんじゃが、我々神の力は物理法則や魔法の範疇を大きく超越していたんじゃ、じゃから異能という形を取っているのじゃ」
どういうことだ?
「ガイアさん、その言い方だと僕の作った魔法が不完全みたいじゃないですか。あのね航希君、加護と祝福と寵愛では、与える影響が全然違うんだよ............」
ヘルメスの説明によると、例えばヘルメスの場合
〈ヘルメスの加護〉...四大魔法を使えるようになる。
〈ヘルメスの祝福〉...属性魔法(無、火、水、風、土、雷、光)を使えるようになる。
〈ヘルメスの寵愛〉...ヘルメスの力を一部コピーされ与えられる。
という具合に、恩恵の種類によって大きく影響が異なるらしい。だが、神の力は物理法則や魔法を超越した存在のため、「ヘルメスの力の一部」を表す方法がなかったそうな。なので、アテナがヘラクレスに寵愛を与えて以降、「神の力の一部=〈異能〉」という風に定義したんだとか。
「まぁなんとなくわかったよ。力の一部って、何割くらいなんだ?0割一分くらい?」
「えーと大体、3割から4割くらいかな」
へぇー。そうなんだー。 ............え?
一人3割を12人分。3×12=36。36割。神様約3.5人分の力だ!
..................えーと、や、やったー(?)!!
「神様3人分以上の力って事だよな?いいのか?」
「いや正確には違うぞ。異能には適性があるのじゃ。お主の場合、5つか6つじゃな」
「えぇ!?それじゃ、半分は無駄になっちゃうってことか?」
「いいや、適性がある、なしに関わらず、異能は他人に与えることができる。お主も冒険者になるじゃろう?王城で他の勇者と共に訓練するなんて言わないじゃろうな?」
冒険者。それは成人なら誰でもなれる職業。魔物退治はもちろん、薬草採取、迷宮探索、雑用から護衛まで、様々な仕事をこなす。優秀な者は、貴族に匹敵する財力、権力を得られるという。
「もちろんなるさ。それで異能はパーティーメンバーにでも渡せってことか」
「その通りじゃ」
「誰にどの適性があるかはどうやって知ればいいんだ?」
「〈全知〉ならわかると思うぞ」
「渡した途端に裏切られることもあると思うんだが......」
「うーん、強制的に取り上げることもできるんじゃが......、そうじゃ、そういえばヘラの異能にちょうどよいのがあったのう」
そうか、ならそのヘラって人が来るまでお楽しみってことで。
じゃあ、異能を鑑定してみるか。
〈ヘルメス〉...商売で利益を出しやすくなる。スキル〈全魔法〉を得る。魔法の威力に倍補正。ヘルメスの杖を召喚できる。
「ヘルメスの杖」...翼が生え、二匹の蛇が絡まった杖。この杖を装備している間は魔法攻撃が効かなくなる。魔法の威力に10倍の補正がかかるが、威力の調整が効かず、常に最大威力になってしまう。
〈ヘスティア〉...室内で、5人以上で食卓を囲うと、味に倍補正。室内で眠ると、同じ屋根の下で眠る者に、睡眠の心地良さ倍補正。
今ヘルメスが持っている杖と同じものを召喚できるのか。でも威力の調整が効かないって不便だな。大戦とかだと便利か。
そして〈ヘスティア〉平和。
俺が〈ヘスティア〉の平和さ加減にほっこりしていると、外から白い髪と髭を伸ばしたおじいさんがやってきた。某ハ○ー・○ッターの学園長みたいな見た目だ。手には不思議な材質でできた光り輝く槍を持っている。
「お、そやつが例の幸運坊主かの?」
幸運坊主て。
「あ、ゼウスさん、お久しぶりです。アレはちゃんと届けときましたよ」
「そうかそうか。ご苦労じゃったな」
○リー・ポッ○ーの学園長はゼウスというらしい。ヘルメスをパシってたんだな。
ゼウスは俺の方を向き、
「わしはゼウス。天空を司る神じゃ。一応オリンポス十二神の最高神やっておる。お主がコーキじゃな?」
一応て。
「しかし流石じゃな。並みの人間がわしの姿を見るとたちまち燃え上がって灰になるんじゃが、お主は全く動じてないのう」
えぇ!?俺ってば今命の危険にさらされてんの!?「もう燃え上がった後で今は霊体です」みたいなオチは笑えないよ!?
「本当にあんたは人間を怖がらせるのが好きだね。大丈夫じゃ。ゼウスは今力を抑えてるからの」
とガイア。なんだよ、ビビらせんなよ......。
「お、そこにいるのはヘスティアではないか。どうじゃ、この前言った件について、結論は出ておるかの?」
「いえ、何度も言っている通り、処女神として純潔を守り通す義務があるので......」
「そんな堅いこと言わずに。良いホテルを知ってるんじゃが......」
「爆発!!」
「!? 爆発! ふう、な、なにをするんじゃいきなり......」
ゼウスがヘスティアを口説き始めると、ヘルメスがゼウスを攻撃した。
「咄嗟に同じ魔法で相殺したから良いものの、もし当たってたらどうするつもりじゃったんじゃ」
「この程度でどうにかなるくらいならさっさと最高神引退してください」
「それでも老人は労るべきじゃ」
「ヘラさんに『夫が浮気しようとしてたら殺していいわよ』と言われてるので」
「なんという鬼畜な......。だからしわが増えるんじゃよ......」
聞くに、ゼウスはヘラと結婚しているのにも関わらず、何回も浮気を繰り返しているそうだ。しかも、ヘラは結婚を司る女神だそうだ。最低だな。これからは「ゼウス」ではなく「くそじじい」と呼ぼう。
その時、空気が震えた気がした。
「へぇ~。誰が鬼畜だって~? しわがどうしたって~?」
声がした方を見る。
神殿の入り口に、赤く燃え上がる鳥を肩にのせた気の強そうな女性が立っていた。
「あっ! ヘ、ヘラ! こ、こここれは違うんじゃ!」
汗だらっだらですよ、ゼウスさん。
「不死鳥! おやりなさい!」
ヘラと呼ばれた女性がそう言うと、肩にのっていた鳥が羽ばたき、ゼウスに向かって何十もの羽を飛ばす。熱そう。
「熱っ! 熱っ、熱いっ! 悪かった、悪かったから止めてくれ! 何でもする! ごしょ、後生じゃぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
10分後。
「い、いつまでやるんじゃぁぁ!? ヘ、ヘルメス、水魔法を、水魔法を頼む!」
「今水魔法なんか使ったら水蒸気爆発が起きますよ。僕らはいいとして、航希君は危ないですよ」
「なっ、ならせめて、熱っ、ヘラを止めてくれっっ!」
「..................」
「薄情なぁぁぁぁぁっっっ!!!」
30分後、炭を跨いでヘラがこちらへやって来る。
「あなたがコーキね。わたしは鳥と結婚を司る女神ヘラよ」
「え、えーと、あれ、良いんですか?」
「大丈夫よ。このフェニちゃんには、絶対にHPを1にするように躾てるから」
死んでないのは分かったが、それは果たして「大丈夫」なのだろうか。
そういえば鑑定してなかったな。ヘラも居ることだし、一気に鑑定するか。
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ゼウス 47億5000万1012歳 男
種族 神族
職業 ―
レベル32029
HP 1/398210
MP 410030/410030
物攻 99988
物防 95074
魔攻 120050
魔防 103520
敏捷 85203
幸運 5000
〈スキル〉
鑑定 偽装 危機察知 狂戦士化 威圧 身体強化30 物理攻撃耐性12 自動回復34 限界突破
─魔法─
属性魔法10 主従魔法 無詠唱
─ユニーク─
アイテムボックスα 支配者 真実の瞳
〈称号〉
オリンポス十二神の王 天空の支配者 気象現象を司る神
────────────────────
〈狂戦士化〉...30分間幸運以外のステータスを倍に上げる事ができる。身体への負荷が大きく、一度使うとHPが半分減ってしまう。
〈威圧〉...格下の存在に使うことで効果を発揮する。力の差が大きいと、身体の硬直、失禁、気絶することがある。
〈真実の瞳〉...相手の言っていることが本当か嘘かわかる。
〈オリンポス十二神の王〉...オリンポス十二神の最高神に与えられる称号。
〈天空の支配者〉...天空を支配する者に与えられる称号。
〈気象現象を司る神〉...気象現象を司る神に与えられる称号。気象現象を操る事ができる。
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ヘラ 女
種族 神族
職業 ―
レベル29906
HP 250800/250800
MP 223250/223250
物攻 86060
物防 86095
魔攻 96381
魔防 93527
敏捷 78070
幸運 5000
〈スキル〉
鑑定 偽装 気配察知 危機察知 状態異常耐性20 自動回復25 限界突破
─魔法─
四大魔法15 無魔法9 光魔法11 回復魔法8 高速詠唱
─ユニーク─
アイテムボックスα 親愛
〈称号〉
オリンポス十二神 鳥を司る女神 結婚を司る女神
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〈親愛〉...相手の自分に対する信頼を高める。
〈鳥を司る女神〉...鳥を司る女神に与えられる称号。全ての鳥と意思疏通ができる。
〈結婚を司る女神〉...結婚を司る女神に与えられる称号。
「本当にHP1だ」
「フェニちゃんの仕事に間違いはないのよ」
フェニちゃんとも意志疎通してるのかな?
「ふ、ふう。大分回復してきたわい」
「お、ゼウス、回復早いな」
「なんか変なルビが振ってある気がするんじゃが......」
「きっと気のせいだよ!(いい笑顔)」
「そ、そうじゃな。気のせいじゃな」
へっ、意外と鋭いじゃねぇか。
「さっきから気になってたんだが、ゼウスの持ってるその槍、何でできてるんだ?」
「雷じゃ」
「へっ?」
雷?間抜けな声出ちゃったよ。
「雷だよ。うちの夫は気象を司る神だからね。この槍には、地球を一瞬で破壊できる程の力がある」
「そんなに強いならクロノスに簡単に勝てるんじゃないのか?」
「ところがねぇ、神は固いんだよ。わたしらも含めてね。それにクロノスは時を司る神。全盛期は時を止めることだってできたんだから」
へぇ。やっぱラスボスは無駄に強いんだよなぁ。
「ガイア、そういえば『ヘラの異能にちょうどよいのがあった』って言ってたよな?」
「おお、そうじゃそうじゃ。ヘラ、こやつに寵愛を渡してくれんか」
「はーい」
「ではわしも」
《恩恵〈ヘラの寵愛〉、〈ゼウスの寵愛〉を獲得しました。異能〈ヘラ〉、〈ゼウス〉を獲得しました》
〈ヘラの寵愛〉...鳥と結婚を司る女神ヘラの寵愛。異能〈ヘラ〉を得る。
〈ゼウスの寵愛〉...天空を司る最高神ゼウスの寵愛。異能〈ゼウス〉を得る。
〈ヘラ〉...全ての鳥と意思疏通ができる。主従魔法で契約した対象(又はその他)の自分に対する忠誠値(信頼値)を見ることができる。
〈ゼウス〉...気象現象を操ることができる。ゼウスの雷霆を召喚できる。くじ運が強くなる。
「ゼウスの雷霆」...槍の形をした雷。これで敵を刺せば敵は感電死し、槍先から雷を出すこともできる。
なるほど。忠誠値とか信頼値とかが見れるから安心して異能を渡せるってことか。
「忠誠値って、どのくらいだと安心できるんだ?」
「そうねぇ、最大が100で、40だと友達、50で親友、60で恋人、70で家族、80で信仰、90で狂信、100で自分、っていう感じかしら?」
自分って。
エンシー、お前の俺に対する信頼値っていくつ?
《100です》
ありがとう♡(キモッ
「なんで〈ゼウス〉の効果に『くじ運が強くなる』ってのがあるんだ?」
「ガイアは大地を支配しているじゃろう?それで、残りの天空、海、冥界は誰が支配するのか、という話になってのう。天界を支配する者が最高神になれるという決まりがあったものだから、わしの三兄弟で喧嘩になってのう。それで結局くじ引きで決めることになって、わしが天空、弟のポセイドンが海、兄のハデスが冥界を支配することになったのじゃ」
そんな大切なことくじで決めんなよ。
そんな中、ガイアがふと言った。
「ずっと神殿に居てもつまらなかろう。外にでてみるか?」
「いいのか?ならそうするわ」
「まあ、ひたすら自然があるだけじゃがのう」
神殿の外に出てみると、広大な自然が広がっていた。
草原、山々、川、そして青い空。
綺麗だなぁ。空気が美味しい。
その時だった。
ピカッ
一瞬、山の方でなにかが光り、
「ドッッゴゴゴゴゴォォォォォォ」
山が真っ二つに斬れたのは。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
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海馬航希 16歳 男
種族 人族
職業 学生
レベル1
HP 500/500
MP 250/250
物攻 500
物防 450
魔攻 250
魔防 265
敏捷 300
幸運 5000000
〈スキル〉
鑑定 思考加速1 並列思考1 限界突破
─魔法─
全魔法1
─ユニーク─
全知 言語理解 取得経験値100倍 必要経験値1/10 アイテムボックスα
〈異能〉
ヘルメス ヘスティア ヘラ ゼウス
〈恩恵〉
ヘルメスの寵愛 ヘスティアの寵愛 ヘラの寵愛 ゼウスの寵愛
〈称号〉
異世界人 勇者
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初めて評価して頂きました!感激!
作者のやる気に繋がりますので是非ぜひ評価して下さい!
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