表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オリンポス十二神の寵愛~神にとってもチートな異能~  作者: 加里川 ソウダ
第二章 トロイア王国編
30/33

27話 ついに冒険者の友達が出来た(号泣)

「ゲス、あんたがこの依頼受けたせいでこんな事になってるんだからねっ! 覚えてなさいよ!」

「お前だってこれで良いって言ったじゃねぇか!」

「お前ら喧嘩してないでこいつどうにかしろよ! ブラッドタイガーの弱点はなんだ!」

「知らないわよ!」

「もう、みんな仲良く土に返ろうぜ...」

「はぁぁああ!? あんたと私とじゃ命の価値が違うのよ!?」

「んだとこのアマ!! ぶっ殺」

「だから喧嘩すんな!」


 やたら(やかま)しい声が聞こえてきた。

 声の方を見ると、真っ黒いトラのような魔物から逃げている3人組の冒険者が。


 ......なんか見覚えがあるな。

 あ、依頼受けるときに居た冒険者してる3人組だ!


 見てしまったものはしょうがない。助ける他ないだろう。


 恐らくあの黒いトラがブラッドタイガーか。


 鑑定してみるとAランクということがわかった。

 確かこの3人組はB級。やはりAランクの魔物には歯が立たないようだ。


「コーキ、助けてあげないと!」


 3人組を見たリクが俺に訴えかける。


 ......結構余裕ありそうに見えるんですけど。


「わかってるよ。テュール、お願いします。あ、革とか売れそうだからあんまり傷付けないでね」

『了解した』


 テュールが駆け出した...と思ったら次の瞬間にはブラッドタイガーが倒れる。


 流石の早業ですね。


「うわああぁぁぁぁあぁあああ!!!!!!!」


 3人の内の、金髪のチンピラっぽい男が叫び声を上げる。


 ブラッドタイガーより一回りも二回りも大きい狼が突然現れたのだ。

 驚くのも当然か。


「安心しろ! 俺の従魔だから!」


 俺もその叫び声に対抗するように大声を出す。



 混乱している3人に一旦落ち着いてもらい、状況を説明する。


「このでっかい狼があなたの従魔で? Aランクのブラッドタイガーを瞬殺して? え? え?」


 大分落ち着いてきたが、まだ少し混乱気味の様子で茶髪のポニーテールの女の子が言う。


「正直まだ驚いているし受け入れきれていないけど、君たちが助けてくれたのは確かなんだよね。このパーティを代表してお礼を言わせて欲しい。本当にありがとう」


 そう言ったのは深緑の髪が印象的で、身長も180くらいある「好青年」って感じの男だ。

 恐らく3人の中で一番の年長者でパーティリーダーも務めているのだろう。


「いやーでもマジで助かったぜ。冗談じゃなく死ぬと思ったからなぁ」


 金髪のチンピラが続いてそう言う。


 そういや久しぶりに誰かの命の恩人になったな。

 久しぶりって言っても一ヶ月経ってないんだけど。地球と違って命の危機に晒される回数も多いから命の恩人になりやすいね!

 とはいっても恩を着せるつもりはないからね。うん。本当だよ? いやホントに。だからないって。


「本当にありがとう! そういえばまだ自己紹介してなかったね。あたしはリー。16歳でB級冒険者してます!」


 リーは見た目の印象からもわかる通り、活発だな。

 何気に同い年なんだ。


「僕はキール。同じくB級冒険者。(とし)は18でこのパーティのリーダーだ」


 深緑色の髪の好青年はやはり年上だったか。


「俺はゲスだ。リーと同じ16歳」


 ゲス...。「下衆」と脳内で変換されてしまうが、可哀想なのでやめておこう。


「俺はコーキ。16歳の冒険者だ。こっちはネリーにリク、従魔のテュール。よろしくな」

「16!? あたし達と同じなのに凄い強いんだね!」


 俺の自己紹介にリーが驚く。見た目で同じくらいとわからなかったのだろうか。


 すると、キールがふと思い出したように声を出す。


「......あれ? そういえば史上最年少でS級に上がった冒険者が居たって噂があったよな」

「......確かにそんな話あったな。3人組の冒険者パーティが全員揃ってS級に昇格したとか」

「......メンバーは16歳前後で男が二人で女が一人。あたし達と同じだって盛り上がったよね」

「16歳......。3人組......。男二人に女一人......」


 ......えっと......。


 じーーー


 ............。ドクンドクンと、どこからともなく変な音が聞こえるな~~。...。


「もしかして......」


 疑惑と期待と若干の畏怖が混じった視線を受ける。


 ......これは隠し通すのは難しそうですね。


「......そうです」

「やっぱり!!! あんな魔物を従魔にしてるなんて普通考えられないもん!」


 食い気味に返事が返ってくる。


「本当にS級なの!?」


 やっぱりとか言いつつ疑ってくる矛盾。


 3人に迫られ、仕方なくギルドカードを出すと、またも驚く。

 驚きっぱなしですな。


「凄いね...。でも納得できてしまう自分がいるよ。君たちと会えて僕らは本当に幸せ者だな」


 またまた~。



 一通り驚かれ、少し話をした後。


 ネリーが先程までとは打って変わって暗い声を出した。


「...あれ? 助けてもらったって浮かれてだけど、依頼はどうなるの?」

「......あ。コーキの従魔が倒したってことは依頼失敗。達成報酬が150万だからペナルティは300万...、せっかく貯めた金が消える......」


 なるほど。そういえば依頼を失敗するとペナルティがあるのか。


「お前ら、コーキの助けがなかったら今頃五体満足だったかすら怪しいんだ。命があっただけ良しとしよう。な?」


 落ち込む二人にキールが年長者らしい言葉をかける。

 が、やはりその顔は暗い。


 ......まぁ金には余裕あるし、このくらいはしてやろうか。


「そう落ち込むなって。ブラッドタイガーにどれくらいの価値があるかは知らないけど、この素材はあげるから少しでも足しにしてくれよ」


 俺がそういうと、3人の顔が明るくなる。


「え、いいのか?」

「ブラッドタイガーと言ったら、革は高級な服とか鞄に使われて牙は武器になって、素材が凄い高いんだよ?」

「B級の俺らが背伸びしてまで受けた依頼だ。報酬より素材の買取金目当てだったくらいだぜ?」


 え、そんなに高く売れるのか?

 精々数10万くらいだと思ってんたが......。


 《ブラッドタイガーは一体分の素材を全て売れば500~600万ヘルほどになります》


 ......マジ?


「ごめん、やっぱナシで」

「コーキ、前言撤回してまで...」

「ご主人様はひどい所もありますが根は優しい人だと思ってたのに...」


 あれ、リクさんとネリーさんから見損なったような軽蔑の視線が...。



「コーキ、本当にありがとう!」


 泣く泣く素材を渡すと、リーが笑顔を向けてくれる。


 解体屋に頼むと費用が結構かかりそうだな、とか言ってたので、俺が解体してあげた。

 とは言っても、キール達の前でアイテムボックスで解体はできないので、エンシーに体の主導権を渡してやってもらったのだが。端的に言うと滅茶苦茶上手かった。アイテムボックスでの解体にタメを張るくらいの精度の解体を10分程度で終わらせてしまった。表面上は俺がやったことになっているので褒められると心が痛い。


「さて、帰るか」



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 歩きながら話していると、俺達はすっかり仲良くなった。


 時刻は15時。キール達がギルドで換金をするのを待ってから、一緒に遅めの昼食をとった。


 ゲスは結構問題を起こしているようで、キールやリーがとても苦労しているようだ。

 可哀想に。


「今日もまた濃い1日だったなぁ」

「そうですねぇ」

「本当疲れたよ」


 家に帰ってきて、各々寛いでいる。


 今日はお昼が遅かったし夜ご飯は食べなくていいか。


 そういえばまだこの家を買ってからキッチンを使っていない。

 そもそも買ってから一週間も経っていないのだ。

 その割には俺含めみんなこの家に馴染んできているが。


 今度ちゃんと料理をしたいな。

 地球では親が共働きだったので食事は自分で作ることが多かった。なので料理は得意なのだ。意外とか言うなよ?

 ネリーに異世界の料理を食べさせてあげたいし、現代知識で成り上がりみたいなこともしてみたい。想像が膨らむなぁ。


 近々食材を買い揃えておこう。冷蔵庫とかは魔法でなんとかなるかな。そんなことを考えながらソファに身を預けていると、いつの間にか俺の意識は夢の中へと移っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ