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オリンポス十二神の寵愛~神にとってもチートな異能~  作者: 加里川 ソウダ
第二章 トロイア王国編
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26話 特殊魔法と使い魔

 特殊魔法とは火や水などの属性に別れていないもので、回復、空間、主従、召喚、生活、蘇生、魅了の7種類ある。


 回復魔法は皆さんご存知怪我を治す魔法だ。これを検証するために怪我はしたくないので今日は置いとこう。


 主従魔法は奴隷や従魔の契約をする魔法で、トロールを従魔にしたくはないのでこれも置いとく。


 生活魔法は服や体の汚れを落としてくれる便利な代物だが、戦闘向きではないので置いとくよ。

 てか早くこの魔法を知っとくべきだった。いや存在は知ってたけど、どんな魔法かは知らなかったからさ。汗でペタペタしてもこれ使えば解決するんでしょ? なぜもっと前に気付かなかったんだよ俺!


 過去の自分に少々苛立ちを覚えるが、とりあえず残りの4種類の魔法を試そうか。


 エンシー、空間魔法についての詳細を教えてくれ。


 《空間魔法は1000人に1人の割合で持っていると言われています。その効果は術師の魔力次第で、アイテムボックスのように異空間に物を入れることができたり、瞬間移動などもすることができます》


 なるほど。空間魔法はいつも俺が使っているということになっているので、アイテムボックスのような効果があることは知っていた。

 試しに何か入れてみるか。


 アイテムボックスから剣を取り出し、空間魔法による異空間に収納する。


 うーん、感覚的には学校の体育館くらいの容量がある感じかな。

 俺の魔力が大きいせいもあると思うので、普通はこれの半分以下なのだろう。


 当たり前だが動物は入れられず、時間停止などもできない。なぜか植物は入れられるのだが。

 なんというか、〈アイテムボックスα〉のありがたみを実感する。


 瞬間移動というのは、どの範囲で移動できるのだろうか。


 《マスターの魔力ですと、一度訪れたことのある場所には距離の制限なく移動できます。また、目視できる範囲にも移動することができます》


 へぇ~。じゃあ今から家に瞬間移動することも可能ってことか。


 試しに俺は壁から飛び降りてトロールの前に出る。


 着地した瞬間の無防備な俺を狙い攻撃してくるが、当たる直前に壁の上へ瞬間移動した。


「ご主人様...!?」


 急に現れた俺に驚くネリー。


 本来空間魔法は長い詠唱が必要なのだが、〈無詠唱〉のおかげで一瞬だ。


 これはひょっとすると便利かもしれないぞ。


 目視できる範囲に移動できるということは、敵の背後に瞬間移動することもできるということだ。

 戦闘にも大いに活かせる。


 ネリー同様、俺が突然消えたことに驚くトロールの背後に瞬間移動し、異空間から出した剣で叩き斬る。


 うん、使える。


 次は召喚魔法。


 エンシー、プリーズ。


 《召喚魔法は10,000人に1人の割合で持っていると言われています。術師の所有している武器や、主従契約を結んでいる魔物・人間を召喚することができます》


 なるほど。とりあえず、トロールの前にネリー召喚!


 すると、地面に魔方陣が浮かび上がりネリーが現れた。


「え? あ、わぁぁあーー!!!」


 いきなり周りの景色が変わったことに戸惑っていたネリーだが、トロールに気付き慌てて魔法を放つ。


「ご主人様! なんか言ってから召喚してくださいよ! 危うく大変なことに......」

「大丈夫大丈夫。回復魔法と蘇生魔法も持ってるから」

「それ全然大丈夫じゃないですよ!」


 何に怒っているのかわからないが、召喚魔法が便利だということはわかった。


 《召喚魔法は他にも、あらゆる魔物や神獣をランダムに召喚することができます。また、より多くの魔力が必要ですが、面識のある人間を了承を得てから召喚することもできます》


 ランダム? 神獣ってなんだ?


 《神の血を引く魔物や神界に生息する魔物を神獣と呼びます。ペガサスのペルや、冥界の扉を守るケルベロスなどがそれにあたります》


 ああ、あの頭が3つあるでけぇ犬か。


 《マスターの魔力を感じ、従っても良いと判断すれば召喚に応じます。通常はAやBランクの魔物を召喚出来ると一流とされていますが、マスターの場合はドラゴンや神獣を召喚することも可能かと思われます》


 ドラゴンねぇ。ぺルが狩ってきてからドラゴンには良いイメージはないなぁ。なんか弱そうなイメージが頭に張り付いてしまっている。


 《ランダムに召喚した魔物は一定時間経過すると元居た場所に帰ってしまいます。なのでその前に従魔契約を結ぶのが通例となっています》


 召喚に応じてくれたってことは従魔になってくれる確率も高いってことか。


 《更に膨大な魔力を使い、異世界の人間を強制的に召喚することも可能です》


 へー、そうなん......え?


 《勇者召喚もこれにあたります。キオス王国は国中の召喚魔法使いを集め、長い時間をかけて魔力を溜めて勇者召喚を実現させました》


 なんと......。そういえば、今まであんまり気にしてなかったけど、地球では俺達は行方不明ってことになってるのか?


 《神は人間の行いに深く干渉できないので勇者召喚自体は阻止できません。ですから地球では勇者召喚された人間の存在を元々なかったことにしています》


 なかったことにって、そんな軽く言うけどなぁ......。まぁ親が心配とかしてないのなら良かったっちゃ良かった...のかな?


 てか今気付いたけど、なんで俺って地球に未練がないんだろう。いや久しぶりに親の顔が見たいっていう気持ちは多少あるけど、なぜか帰りたい気持ちとかがあまり湧かない。


 《人間が異世界に渡ると、この世のシステムとして元の世界への未練は少なくなります。転生した人間や召喚された人間が元の世界へ帰ろうとして方法を探し、その方法を見つけてしまって外部に発信されればそれぞれの世界のバランスが保てなくなります。その為にシステムが進化しました》


 転生とかもあるのか。流石異世界。


 確かに地球とこの世界「ガイア」を行き来する方法が全世界に発信されたらそりゃあもう大変な事になるだろうなぁ。

 魔法や魔物が流れてきたら地球は大パニックに陥るだろうし、「ガイア」には科学なんて概念はないから科学兵器なんて使われるようになった日にゃ世界の秩序が乱れに乱れる。


 しかし、キリンが木の実を食べようとして首が長くなったように、“この世“も進化するものなんだなぁ。


 まぁ、おいおい帰る方法とかも探してみようか。でも空間魔法でも地球には転移できないみたいだからそんな簡単に見つかるものでもないよな。案外クロノスとかいう邪神を倒したらガイアが地球に帰してくれるかもしれない。



 話が逸れたが、ランダム召喚を試してみようか。


 リクとネリーに言ってから召喚を開始する。

 いきなり魔物が現れたら驚くだろうからな。


 暫くすると、魔方陣が浮かび上がり魔物が現れる。


 それは、白銀の毛に包まれた、馬ほどの大きさの狼だった。


 ────────────────────

 フェンリル 1億1020歳 男

 レベル413

 〈スキル〉

 鑑定 偽装 身体強化20 怪力 威圧 念話 物理攻撃耐性15 敵性魔物耐性21 自動回復10 限界突破

 ─魔法─

 四大魔法14 空間魔法 無詠唱

 ─ユニーク─

 剛腕

 〈称号〉

 不老不死 進化を遂げた者

 ────────────────────


 〈剛腕〉...圧倒的な力を得る。

 〈進化を遂げた者〉...成長速度が凄まじく、種族としての進化を遂げた者に与えられる称号。


 ......当然のように不老不死ですね。神獣というのはみんな不老不死なんでしょうか。

 因みにガイアたち神も不老不死だそうだ。称号として表れないのは「神」という時点で特性として不老不死もついてくるからだって。


 ......なんか、凄いね(語彙力)。


「えっと......、こんにちは」

『お主が我を召喚した者か。あのような膨大な力を感じたのは久しぶりだ。神か何かから喚ばれたのかと思えば人間だったとは』


 渋い声で返事をしてくれるフェンリル。


 そしてこれまた当たり前のように人間の言葉を話す。

 流石っすねぇ。


『それで、我を何の用で喚んだのだ?』

「えー......、お試し...」

『ん?』

「お試し...」

『ん?』


 フェンリルさん怖いです。


「そ、そうだ、このトロールを倒してもらおうと思って!」

『了解した』


 ザシュッ


『これで良いか?』

「へ?」


 一瞬フェンリルの体がブレたと思えば、トロールが全て細切れになっていた。


「......これフェンリルさんがやったんでしょうか」

『そうだが?』


 ......。


 ..................強ぇ。


「あ、ありがとうございます。それではもう帰ってもらって...」

『ん?』

「帰ってもらって...」

『ん?』


 フェンリルさん怖いです。


「......じゃあ従魔契約...なんて...」

『我を従魔にしようとは、大きく出たな人間』


 あんたが促したんじゃないスか。


『良いだろう。契約してやろうではないか。お主には圧倒的な力を感じる。まだ制御しきれていないようだが、数十年ほど仕えてその成長を見届けるのも面白そうだ』


 ということで、伝説の魔獣フェンリルが従魔になりました。


 簡単に神獣を使い魔にしちゃう自分がそら恐ろしいよ。


『お主は我が(あるじ)になったのだ。我に名を与えよ』

「名前? そういやぺルにも付けたっけか。...じゃあテュールで」

『テュールか。気に入った』


 1秒ほど悩んでテュールと名付けることにした。



 魅了魔法を使ってみたかったのに、トロールが全滅してしまった。いや俺が頼んだんだけどね。


 なので蘇生魔法で蘇生させて魅了魔法を使ってみよう!


 殺すために生き返らせるとは、我ながら鬼畜ねぇ。


超回復(ハイヒール)


 冥界の支配者であるハデスが造り出した蘇生魔法は、冥界に行った魂を肉体に戻すという魔法だ。

 肉体がこんなバラバラのままでは生き返らせた途端死んでしまう。

 なので回復魔法で体を元に戻してから蘇生する。


 数体のトロールが起き上がる。


 命を失ったものに命を取り戻させる。

 この強力な魔法は悪用されかねない。なので蘇生魔法はハデスが恩恵を授けた、つまりハデスが「こいつは悪用しないだろう」と信用した人間のみが持つことができる。

 俺は例外として〈ヘルメスの寵愛〉の〈全魔法〉で得たんだけどね。

 そしてまた殺すためにトロールを生き返らせている訳で。

 これは悪用と言われてもおかしくないかもしれないかもしれない。

 なんというか......、てへぺろ。


 トロール達は生き返らせてやったのにも関わらず、俺を襲ってくる。なんて礼儀知らずなんだ。

 罰として死んでもらおう。


魅了(チャーム)


 魅了魔法には大きく分けて3種類の魔法がある。


 異性に自分に性的興味を持たせて恋愛対象として好かせるもの、

 対象の自分に対する印象を良くするもの、

 敵を魅了し一時的に仲間として戦わせるもの。


 今回は一番下の魔法を使い、トロールに仲間割れを起こさせよう!という下衆なことをします。


 一瞬トロールの目が赤く光ったと思えば、回れ右をして仲間のトロールに襲いかかった。


 ゲームで良くある「敵だと強いのに仲間になった途端弱くなる」という現象は起きず、ほぼ同じ力で組み合っている。


 僅かに俺側のトロールが押しているか。


 暫く見守っていると、俺が魅了したトロールが勝った。


 これで、特殊魔法の検証は終わりで良いかな。


 残りのトロールをテュールに倒してもらい、死骸をアイテムボックスに入れて魔石を取り出す。


 少し汚れて汗もかいたので、生活魔法の清浄(クリーン)で服と体を綺麗にした。


 最初は「置いとこう」と言っていたものも含め、結局全部の特殊魔法を試せたな。


「さてさてさーて、魔法の検証はこのくらいでいいかな」

「今回ばかりは魔物とはいえトロールが可哀想に思えたよ」

「まぁ俺達の成長の為だ。尊い犠牲と思って、な?」

「今の言い方は『尊い犠牲』というより『尊い(笑)犠牲』って感じだったよ」

「そうかぁ?」


 リクに壁を元に戻してもらい、下らない会話をしながらギルドへ帰る。


 瞬間移動で帰っても良かったけど、なんとなく歩きたい気分だったので歩いて帰ったのだがそれで正解だった。


 3つの命を助けることが出来たのだから。

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