10話 初戦闘と村到着
キオスの王族に追い出された。
異能を使えば問題なく生きていけるだろうが、それではだめだ。
ということで、ある程度強くなるまで異能は封印!
「さて、行こうか」
リクに言う。
「兵士に剣を貰っただろ? 取り敢えず俺が持ってていいか? 魔物が出てきたらリクは俺の後ろにいてくれ」
「わかったよ」
村まで歩いて5時間というのはありがたい。まだ時間でいうと10時半くらいだから、暗くなる前に村に着けるだろう。変に野宿とかするのはまだ危険だからな。
20分くらい歩いただろうか。視界に狼のような動物が何匹か映る。気付かれずにやり過ごせれば良いのだが。
こういうのをフラグというのだろうか。狼が3匹、こちらへ向かってくる。唸っている事から察するに、俺らを敵だと認識しているようだ。
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ウルフ
レベル1
HP 20/20
MP 20/20
物攻 15
物防 15
魔攻 15
魔防 10
敏捷 20
幸運 10
〈スキル〉
咆哮 噛みつき
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そんなに強くないが、油断は禁物だな。
ウルフが一匹突進してくる。
うおっ、思ったより速い!
「痛っ!」
左腕を爪で引き裂かれた。幸いそこまで深くはない。
右腕で剣を持ち、ウルフを切り裂く。上手く首にあたり、ウルフは動かなくなる。
だがこれで終わりではない。残り二匹のウルフが同時に突っ込んできた。
ギリギリで避け、その時に一匹のウルフに剣を刺す。
最後のウルフはリクの方へ向かってしまった。
急いで追いかける。俺の方が敏捷値が高いので、すぐに追い付けた。
後ろから切りつけ、殺す。
「ふぅ」
「あ、ありがとうございます、ごめんなさい何もできなくて」
リクが謝ってくる。敬語になってるぞー。
「大丈夫だよ、俺が下がってろって言ったんだし」
しかし、初めて生き物を殺したが、やはり気分の良いものではないな。吐いたりはしないが。
「リクは大丈夫か? 生き物の死に直面したんだ。それもペットが死ぬのとは違って残酷な死に方だ」
「大丈夫だよ。自分がやられるのよりは全然」
「ああ、そうか、なんかごめんな」
闇深いな。
「それよりも左腕、大丈夫なんですか?」
「ああ、回復魔法持ってるからな。ヒール」
回復魔法の一つ、ヒールをかける。すると、一瞬で傷が塞がってしまった。
あ、このヒールも異能によって得られた力だよな? 異能は使わないつもりだったんだが、これは例外ってことで!
エンシー、このウルフの素材とかって売れるのか?
《爪や牙が売れます。心臓部の魔石も売れます》
魔石って?
《魔物の心臓部にある石です。魔力が溜まっており、魔道具の作成や使用に使われます》
なるほどね。確かアイテムボックスαでは自動で解体してくれるんだよな。
アイテムボックスに3匹のウルフを入れる。
「さて、行くか!」
それからは比較的順調だった。何匹か魔物が襲ってきたが、危なげなく倒していった。出てきた魔物がこちら。
ゴブリン
レベル1
〈スキル〉
身体強化1
ソードゴブリン
レベル2
〈スキル〉
身体強化1 剣術1
アーチャーゴブリン
レベル2
〈スキル〉
弓術1
マジックゴブリン
レベル1
〈スキル〉
火魔法2
オーク
レベル3
〈スキル〉
身体強化1 怪力
ファングウルフ
レベル2
〈スキル〉
身体強化2 咆哮 噛みつき 突進
これらと戦い、〈剣術〉、〈身体強化〉を獲得し、それぞれレベル3とレベル2に上がった。
またしばらく歩いて行くと、ゴブリンが大きくなったような魔物と、またそれより一回り大きい魔物が目に入る。
ゴブリンジェネラル
レベル5
〈スキル〉
身体強化3 咆哮 怪力
ゴブリンキング
レベル7
〈スキル〉
身体強化3 威圧 怪力 剣術4
うわー、普通序盤に出てこないはずなのに何故かラノベではよく序盤で出てくるけどあっさり倒しちゃって魔石を売るときに驚かれるヤツじゃん。
2分後
《〈身体強化〉がレベル3にアップしました。〈剣術〉がレベル5にアップしました。レベル3にアップしました》
え?戦う描写?いやいや、苦戦するフリなんかしたくないんで省略しましたよ。あれでしょ?序盤に強い敵が出てきてちょっと苦戦するけど頑張って倒せた。みたいなのが見たいんでしょ?苦戦の描写は初戦とボス戦だけで十分ですよ。
レベルアップしたらしい。
スキルレベルと全体(?)のレベルがわかりにくいな。全体(?)のレベルは全体レベルとでも呼ぶか。
《既にフルレベルという言葉があります》
なんだよー、先に言えよー。
スキルのレベルがスキルレベルで、全体のレベルがフルレベルね。
俺もレベルアップしたことだし、リクに戦わせてみようか。
「リク、戦ってみるか?」
「コーキに守られてるだけだと申し訳ないから頑張ってみるよ」
丁度ゴブリンが二匹現れた。へっへっへ。今料理してやるからな。
一匹は俺が倒し、もう一匹はリクに任せる。
っとその前に、俺の〈共有〉で、経験値増加系スキルを共有したいな。
やっぱりレベル1だと一個だけかな。
《共有できる数はスキルレベルに比例します。レベル1では一個です》
じゃあ〈取得経験値100倍〉だけ共有するか。
〈共有〉発動!っと。
《〈共有〉がレベル5にアップしました》
へ? なぜに?
《マスターは〈取得経験値100倍〉と〈必要経験値1/10〉を持っていますので、〈共有〉を1000回発動したのと同じだけの経験値を得られます。〈共有〉がレベル2になる条件は100回発動すること。レベル3になるには200回、レベル4には300回、レベル5には400回発動する必要があるので、レベル5にまでアップしました。なお、レベル5を越えるとレベルアップ条件はレベル5までの規則性とは異なるようになります》
なるほど。ご都合主義だな。でも、そんなに早く成長するならなんで剣術とか身体強化はレベルアップするのが遅いんだ?
《〈剣術〉はマスターの知っている型の少なさが原因かと思われます。〈身体強化〉にも一部分だけを強化したり、自分以外を強化したりと、応用方法が沢山ありますので。それ以外にも細かい理由が幾つかありますが、説明しますか?》
いや、いい。専門家に話を聞くと延々何時間も持論展開して終わらないってあるあるだよね。その危険性があるからやめたわ。エンシーってある意味全ての専門家だからな。
さて、〈共有〉で5つ共有できるようになったが、どれを共有しようか。
〈鑑定〉や〈偽装〉、〈アイテムボックスα〉に〈全魔法〉や〈無詠唱〉まで、共有したいのは沢山あるんだが、まだ早い気がするんだよね。しかもリクにはまだ〈共有〉の存在を知られたくないからこっそりとできるものがいい。そうするとやっぱり〈取得経験値100倍〉と〈必要経験値1/10〉かな。
「さて、リクにもあのゴブリンを倒して貰う。今まではソードゴブリンが持ってたボロい剣を持ってて貰ったが、今はこっちの兵士から貰った剣を使え。切れ味がいいからな」
リクに剣を手渡す。
「ゴブリンはゲームでも雑魚で有名だが、油断は駄目だぞ。じゃあ行ってこい」
リクが走り出す。ゴブリンは剣とか棍棒とかは持ってないので、リーチ的にもステータス的にもスキル的にもリクが勝っている。あとは生き物を直接手に掛けることへの忌避感や油断などの精神的な部分での強さがあるかだな。
ゴブリンから一歩か二歩ほど離れたところから切りつける。ちょっと遠すぎて浅いな。
ゴブリンに踏み込まれ、腹パンを食らって呻き声を上げるが、めげずに剣を振るう。
見事首もとに当たり、倒すことができた。
「どうだった? 初めて魔物を殺したわけだが」
ゴブリンの死骸をアイテムボックスに入れながら尋ねる。アイテムボックスって直接触らなくても1、2メートルの範囲にあれば仕舞えるから便利なんだよな。
「思ったより忌避感はないよ。生々しくてちょっと気持ち悪いけど」
へぇ。まぁ大丈夫なら良かった。
それからしばらく、襲ってきた魔物はリクに倒させた。随分慣れてきたようだ。だが何でも慣れてきた頃が一番危ないって言うからな。油断大敵だ。
村が見えてきた。思ったより大きいな。これなら宿もありそうだ。
飯も食ってないし、美味いもんがあればいいな。
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コーキ
レベル1→3
〈スキル〉
身体強化3new 剣術5new
─ユニーク─
共有1→5
リク
レベル1→2
〈スキル〉
剣術1→3
─ユニーク─
取得経験値100倍new 必要経験値1/10new




