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オリンポス十二神の寵愛~神にとってもチートな異能~  作者: 加里川 ソウダ
第二章 トロイア王国編
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閑話 クリスマス

主人公が異世界に転移される前のお話です。

 ※三人称視点 神界にて


 ガイアが下界の様子を見て寛いでいる。


『ヘルメス、今大丈夫かの?』

『ガイアさん? ええ、大丈夫ですが』

『ちょっと神殿に来てくれんかの?』

『はぁ。わかりました』


 ガイアの前に転移陣が現れ、そしてヘルメスが現れる。


「なんですか?」

「ヘルメスよ。今日はイエスの誕生日じゃったな?」

「ああ、なるほど」


 ヘルメスが面倒くさそうに顔を顰める。


「確か、今年で2018歳じゃったか?」

「いえ、2022歳だと思いますよ?」


 ガイアが「そうじゃったか」と納得したように頷く。


「何日か後に召喚される勇者の故郷である日本では、妾らが『イエス・キリスト』と呼んでいたからそう呼ぶようになったんじゃったな」

「ハハハ、懐かしいですね」


 そこで、ヘルメスが思い出したように問う。


「それで、そんなこと言うために呼び出したんじゃないでしょう?」

「そうじゃったそうじゃった。お主にはイエスに何か贈り物、所謂誕生日プレゼントを渡して欲しいんじゃ」

「やっぱりそうでしたか。何を渡せばいいんです?」

「そうじゃなぁ。イエスは信者の事をいつも想っておるからのう。寄付金なんてどうじゃ?」

「アハハ、彼は喜びそうですね」

「ならそれで決まりじゃ。千万ヘル、いや、地球ではドルじゃったな。各教会に十万ドルずつの寄付を頼む」

「各教会ね......。わかりましたよ」


「これは骨が折れるなぁ」ヘルメスはそう思いつつも立ち上がる。


「飛んで行くのも疲れるし、ソリに乗っていくか」


 ヘルメスは神界に住むトナカイにソリを引かせ、夜の空を駆けていった。


 その日のヘルメスの格好は、偶然かはたまた必然か。赤いコートに赤のズボン、そして赤の帽子だった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 ※コーキ視点


 メリークリスマス!!


 今日はクリスマスだ! シュンとユーナが家に遊びに来るんだ! やったね!


 ピーンポーン


 誰か来た。


「しもしもー? どなたですかー?」

「コーキ! 俺だよ俺。寒いからさっさと開けてくれ」

「あー、すみません、ウチではオレオレ詐欺は受け付けてないんですよ。俺の友達にバカなヤツがいるんで、そいつにやったらどうですかね? 電話番号はXXX―○○○ーーー」

「うるせーオレオレ詐欺じゃねーよシュンだよシュン! しかもそれ俺の電話番号じゃねーか!!」

「なんだよシュンかよつまんねーな」

「つまんねーってどういう意「ガチャ」」


 このまま放置して凍死させるのもそれはそれで面白いが、死体を遺棄するのが面倒くさいのでやめとこう。


 ガチャ


「ふぉー暖けぇ。生き返るわー」


 外の風が入ってきて寒いな。


「早く入れ。室温が下がる」

「おっ、悪い悪い」


 シュンが入る。リビングまで走っていくと、ソファーにダイブする。こいつ人の家に招かれてるってこと忘れてんじゃねーだろうな?


「シュン、チキン買ってきてくれたか?」

「おう、買ってきたぞ。行列が凄かったわー。ほい、これレシートな」

「うげぇ。結構高いんだな。チキンって。ほら、これチキン代」


 その時、またインターホンが鳴った。


「もしもーし、私だよ私。外寒いねー」

「あ、ユーナか。今開けるね」

「お前、俺の時と扱い違い過ぎるだろ!!」


 後ろで雑音がしてたが無視する。


「はぁー暖かいねー。生き返るー」

「お前シュンと同じような反応だな」

「なん......だと......。」

「おーいユーナー。聞こえてるぞー。俺と同じ反応したことに大分ショックを受けてる気がするんだが、気のせいだよなー?」

「なんか雑音がするな」

「ええ。雑音ね」

「ねぇ酷くない? 俺泣いちゃうよ?」


 泣いている雑音の発生源を無視して、ユーナをリビングに招き入れる。


「はい、これケーキね。別にお金払わなくていいのよ? 私の奢りってことで」

「いや、俺が買ってきてくれって頼んだんだから俺が払うよ」


 本当はケーキもシュンに買ってきて貰おうと思ったのだが、ユーナが良いケーキ屋さんを知っているようだったのでユーナに任せていた。


「おっ、結構デカイのに安いな。見た目もいいし。これで美味かったら最高だな」

「ふふーん、そうでしょう? 結構美味しいのよ?」


 それは楽しみだ。


「ほらシュン、チキンの包装を開けてくれ。えーとそうだな。この皿に載せてくれ」


 俺はケーキを冷蔵庫にしまう。


 クリスマスツリーの点滅するライトを点けて、ジョージア・マイケルのクリスマスソングを掛ければ雰囲気はバッチリだ。


「ユーナは飲み物何がいい? シュンはコーラだけど」

「勝手に決めんなよ! いやまぁコーラで良いけども」

「私はオレンジジュースで」

「オッケー。俺はジンジャーエールかな」


 3つのグラスにそれぞれ飲み物を注ぐ。


「それじゃあ、乾杯!」


 簡単にいうと、むっちゃ美味かった。やっぱり高い肉は旨いな。


 シュンががっつきすぎて今ソファーに寝てるが、あれでケーキを食べられるんだろうか。

 服の下にボール入れてんの?って感じだ。


「これからケーキを食べるんだが、シュン、お前食えるか?」

「大丈夫でふ。ケーキは別腹でふ」


 語尾が完全にデブのそれなんだが。


「ケーキの前に、私から二人にクリスマスプレゼントがありまーす!」

「俺もあるぞ」

「俺もでふ」


 シュンもか。意外。


 ユーナからのプレゼントは、Tシャツだった。季節感皆無なんだが、暖房の利いた室内では関係ないか。俺のは灰色の無地のTシャツ。胸ポケットがあるヤツだ。地味なTシャツが欲しかったから丁度良い。シュンのは黒地に白い骸骨が描かれたTシャツ。なんというか、イタいな。でもシュンには良く似合ってる。ユーナ、ナイスチョイス!


 シュンからは意外に、マグカップを貰った。鳥が描かれていて、中々に洒落ている。


「お前、よくこんな洒落たモノ買えたな。見直したよ」

「なんか言葉に刺がある気がするんだが...。まぁそれ、母さんが選んだんだけどな」


 シュンは元々、駄菓子を買う予定だったそうだ。それがお母さんに見つかって、これはないと。しかもクリスマスにふ菓子はないと。猛反対され、結局お母さんが選んだものをプレゼントにしたそうだ。シュンはシュンのままだった。良かった良かった。


「それで、ボツ案のふ菓子がここにあるんだが、要るか?」

「要る」

「お、おう」


 実は俺、ふ菓子が大の好物なんだ。でもまぁ、クリスマスプレゼントにふ菓子貰ったら流石に引くけどな。


「最後は俺だな。俺からは、宝くじだ」

「宝くじ? 一枚だけ? まぁ、ありがとう......?」


 そりゃそうだよな。普通宝くじ一枚だけ貰っても戸惑うよな。でも俺は普通じゃない。俺は今まで、宝くじを買ってきて損したことはないのだ! 下手したらこいつら、成金になる可能性まである。


「そうか! そういえばお前だもんな! ありがてぇ。最近小遣い減らされたんだよ!」


 ふっはっは。感謝したまえ、感謝したまえ。



 ケーキを食べ終わって、暫くソファーに持たれかかって寛ぐ。


「ふぁー。腹一杯になったら眠くなってきたわ。コーキ、泊まっていいか?」

「いいぞ」

「まぁそうだよな......え? いいの?」

「いいよ別に。布団はあるし。ユーナも泊まるだろ?」

「え? わ、私? じゃ、じゃあお願いしようかな......」

「二人とも携帯持ってるだろ? ちゃんと家に連絡入れとけよ。それと布団は自分で敷けよな」


 二人とも家に電話を入れている。


「ねぇ、今日コーキの家に泊めてもらうから、お母さんに伝えといてね。え!? 違うから、そんなんじゃないって! シュンも居るし! 3ぴ...何バカなこと言ってるの? 明日帰ったら覚えてなさいよ!」


 ユーナが弟に連絡をしている。ユーナのお母さんは友達とご飯を食べに出掛けているらしい。それにしても、一体何の話をしているんだろう。



 シュンはもう布団に入ってしまったが、俺はまだ眠くならない。テレビでも見るか。


「速報です。今夜7時頃、全国のキリスト教の教会に全身赤い服で身を包んだ男が1000万円の寄付をするという事が起きました。周辺住民の方に話を伺いますと、空を飛ぶソリを見たとの証言も複数確認されています。サンタさんは実在したのでしょ「高木アナ、子どもが......」失礼いたしました。サンタさんが今年も来てくれたのでしょうか」


 アナウンサーが絶対にやってはいけないミスを犯した。


 それにしても、不思議な出来事もあるもんだなぁ。







 俺が二人に渡した宝くじは、二つとも500万円分が当たったそうだ。

 シュンは10万円を残して他全部、親に没収された様子。


「なんでだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

イエスキリストは紀元前4年に産まれたらしいです。


日本で「イエスキリスト」と呼ばれているのは、ギリシャ語が由来とされています。諸説ありますが。

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