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巻き込まれまして

「···で、結局あいつはなんで爆裂したのよ」

「私の記憶が正しければ···」

「ねぇちょっと待って二人共、いきなり戻ってきてベルさんの家に連れ戻されたのはいいけどどういう状況なのか説明はないの?」

「···これって···!!!」

「あれ?話についていけないのってもしかして僕だけなの?」


 ギルドの外で起きたギルド内NO.1冒険者の爆裂、その原因を探るために爆裂した冒険者─バーダンの遺体をベルが引き取りギルド内でスキルポイントを振っていたウルと徹を引っ張ってベルの屋敷に戻った、戻る途中ベルは何か知ってるような感じでバーダン(だったもの)を見ていたから屋敷についてすぐ聞いたところビンゴだったようだ


「···バーダンの体に着いているこの紋様がわかるか?」

「どれ?···あ、これ?」

「そうそれだ、その紋様は言わば呪いの紋様と言われているんだ、この紋様を入れられた者は数日以内に何らかの方法で殺されるというな」

「な、なんでそんなものが···?」

「わからない、ただこの紋様はとある魔法を使える者が操ることの出来る紋様なんだが···」

「···その魔法を使える者というのが所謂魔族と呼ばれる種族でその中でも上位級の魔族のみが使えるんです」

「···という事はバーダンは魔族とやり合ったってこと?」

「そうだろうな、···しかし、バーダンともあろう男が魔族にこの呪いをかけられるとはな」

「そんなにこいつ強かったの?」

「あぁ、酒癖は悪いが実力は本物だ、何しろこの私が一度も勝てなかった男だからな」

「そんなやつが···」

「···そうだ、蘇生魔法とかないの?この世界ならあるんでしょ?ヒールがあるんだし」

「···残念ながら、この紋様は蘇生魔法が使えない呪いの魔法なんです」

「そんな···」

「···バーダンが殺されたのも問題だが、さらに問題なのはどこでこの紋様の呪いにかかったのか、ということだ」

「そっち?」

「この紋様の出所を潰さなければバーダンの様に死人が増えてしまう、そうなってしまえば魔族の···レンドハグウスの思うツボだ」

「···とりあえず、この紋様を着けた人物を探してとらえればいいんだね」

「あんた分かったの?」

「全然」

「じゃあ喋んな」

「確かにベルさんの言う通りこの紋様の出所を探さないとダメですね」

「その紋様知らない間かかるもんなの?だったらやばいじゃん!!もしこれ使うやつと知らない間に接触してこの呪いかけられたらもう終わりじゃないの!!」

「あぁ、正直危険な捜索でもある、だからこれは···」

「とりあえずこれ僕やっていい?」

「ちょっ···あんた話聞いてた!?これかかったら死ぬことはもう確実なのよ!?」

「聞いてたよ、だからこそ余計に僕がやりたい」

「はぁっ!?」


 ···やっぱりこっちに来てから徹が色々とおかしい、目の前でこの紋様の恐ろしさを聞いたところで自分から行くなんて


「待ってくださいトオルさん、いくらあなたでも今回ばかりは危険すぎます!!」

「そうだトオル、迂闊に接触して呪いなんかかけられたらもう死ぬ事は確実なんだ、寄りにもよって徹がかかってしまったらそのあと誰がこのグラントラスを守るというんだ!!!」

「···まぁまぁ落ち着いてよ」

「なんであんたそんなに余裕なの!?下手したら死ぬのよ!?」

「···喧嘩する時もさ、必ず相手は僕の事を殺すつもりで来てるんだよ、だから僕を本気で殺そうとするならすぐわかると思うんだ」

「喧嘩って、あんた今の状況がそれと全く違うってわかってんの!?失敗したらホントに死ぬのよ!?」


 徹とその事で言い争っていると···


 ···ザワッ


『!!!』

「な、何どうしたのよ急に···」

「···ベルさん感じた?」

「あぁ、さすが私の師だな」

「な、何が起こったのよ」


 急にバーダン(だったもの)の方を警戒した徹とベル、何を感じたのか知らないけどとりあえず言えるのはこの二人が反応したって事はバーダン(だったもの)がただの仏では無いって事だ


「···ウルさん、この紋様って追加効果みたいなのある?」

「···呪いの紋様は危険な魔法の為に研究が進んでいないんですが···」


 カタカタカタカタ···


「呪いの紋様を受けた者は···」


 カタカタカタカタ···ドゥルンッ!!!


「魔物として復活する···!!!」

「なっ···!?」


 爆裂した箇所から出てくる強力な魔力、あたしでも感じれるくらいに膨れ上がった瞬間に再び爆裂しそこにあったバーダンの仏は原型を失っていて代わりに強力な魔力を持った巨大な手を持つ魔物がいた


「···バーダン、お前···!!!」

「ウル!!!何なのこいつ!!!」

「···魔族はこうやって侵食してきているんですね···!!!」

「···」

「だからこいつなんなの!?」

「ギガントハンズ、魔法にも物理にも特化した上級の魔物です···!!!」

「頭がキレるやつで討伐にはかなりの労力と時間がかかるんだ、白ランクの冒険者なら最低でも10人は必要だ···!!」

「10人!?」

「···」

「···だが10人投下したところで五体満足で帰ってくる人間は約半数、残りはその巨大な手で握り潰されるんだ」

「半数!?こんなん相手してたらあたし達の誰かは必ず握り潰されるって事じゃない!!!」

「ベルさん!!!ここは早めに片付けましょう!!!でないと···」

「しかし元は同じギルドの仲間なんだぞ!?」

「そんな事言ってももうこいつは死んだのよ!?今更どう足掻いたって戻っては来ないのよ!?」

「だがそれを打ち消す何かがあるかもしれないだろう!?」

「ベルあんた···」


 やたらとベルが動揺している、魔物と対峙する時はいつも冷静に対処するくせに紋様から魔物になったバーダンと対峙すると心做しか体が震えているような気がする


「目を覚ませバーダン!!!お前はギルドNO.1の冒険者だろう!?」

「ベルさん!!もう彼に何を言っても無駄です!!!紋様から魔物になってしまえば人間だった頃の記憶は全てなくなります!!!」

「だが···!!!」

「ーーーーーーッ!!!」コォオオオオオッ

「ベル避けて!!!」

「!?バーダン目を覚ませ!!!」


 ギガントハンズ···基バーダンがその巨大な右手を振り上げてベルを潰そうとした時だった


「···」タンッ

「!!」

「ーッ!?」

「···望み通りにするから、ちょっと痛いけど我慢してね」

「トオルさん···?」

「···っ!!」ブンッ


 ドスッ!!!ズズズッ···


「ーーーーーーッ!!?」ブランッ,ガクンッ

「···まず左手···!!」ズボッ,ブシュゥッ!!


 今まで事の成り行きを黙って見ていた徹がギガントハンズ─バーダンの左肩に飛び乗りその肩に鉄パイプを深く突き刺した、その衝撃で肩が外れたのかギガントハンズはバランスを崩しベルへの攻撃を解除した


「トオ···ル···?」

「···次は···右手···!」ブンッ···,ドスッ!!!ズズズッ

「ーーーーーーッ!!?」ガクンッ,ズズゥン

「···最後に···」ズボッ,タンッ

「ーーーーーーッ!!!」ボッ!!

「徹!!!火炎弾が来るわよ!!!」

「···だったら、先に倒すまでだ···!!!」ブンッ


 ドスッ!!!


「ーーーーーーッ!!?」

「···おやすみ」ブチブチッ···ズボッ!!ボトッ···

「···ーウ···」


 ズズゥン···


「···ふぅ、ベルさん大丈夫だった?」


 流れるように右肩も外し、そのあと徹はギガントハンズの左胸辺りに鉄パイプの曲がってる方を突き刺し、それに心臓を引っ掛けて千切るように引っ張り出した、どう考えても徹の魔物の倒し方は普通じゃない気がする、ベルの倒し方は魔物を傷付けて倒す感じだけど徹のは明らかに魔物を殺すやり方だもん、こんなにグロい討伐の仕方ギルド内でもコイツだけなんじゃないか?


「···トオル···お前バーダンを···!?」

「···」

「なぜ殺した!!!助かる方法は必ずあるはずなのに!?」

「···聞こえたんだよ、最後の最後に僕に助けを乞うバーダンの声が」

「声···ですか?」

「うん、僕に"早く俺を楽にしてくれ"、"俺より強いお前ならできるだろ?"ってね」

「あいつ泥酔してた癖に徹にやられたって意識はあるんだ」

「意外といい人だったんですね···」

「···なぜ諦めたんだバーダン···助かる可能性はあったのかもしれないんだぞ···!?」

「···で、そろそろ僕達にも話してくれないかな、ベルさんがこの紋様に過剰反応している理由を」


 やっぱり徹も気づいていたみたい、ベルがあの紋様を見た時からおかしかったのってのは、まぁあたしが気づくんだから徹も···いや、あいつ結構鈍いんだった


「···わかった、だがそれはこの紋様の解析をしてからにしよう、ウル、鑑定スキルは使えるか?」

「もちろんです」

「じゃあ頼む」

「この心臓はどうする?」

「あんたなんでそんなん素手で持てんのよ···」

「それも一緒に供養する、だから近くに置いておいてくれ」

「じゃあ解析終わったら火葬で天に返そうか、残らないから広がるって可能性は無くなるでしょ?」

「あんた火も使えないのにどうすんのよ」

「そこはさっちゃんよろしく」

「ふざけんな!!」


 ···火葬を済ませ、あたし達はリビングでベルが過剰反応していた理由を聞くことに


「···これを誰かに話すのは初めてなんだ」

「ふーん、で?」

「さっちゃんさん、そんなに催促しなくても」

「···私がメルと共にこの屋敷を作ったとは言ったな、そしてここが元は小屋だったことも」

「聞いた」

「···なぜ私がこの屋敷を建てたのか、なぜメルを使用人に預けているのかわかるか?」

「···親がいないから?」

「そうだ、私の親はあの紋様で殺されたんだ」

『!!!』

「···だからあんなにも取り乱していたんですね」

「あぁ、目の前であの紋様にやられ、魔物として復活する瞬間も目にした、幸いまだメルは幼かったからその瞬間を覚えていないが、私はハッキリと覚えている」

「···」

「···目の前で魔物になった私の父親と母親は私達の事を完全に覚えておらず襲いかかってきた」


 スッ···


「···これが、その時に着いた傷だ」

『!?』


 着ていた服の左腕を捲ると、その下からは大きな焼けたような痕が入っていた


「···これヒールは使えないの?」

「私の特注ベッドでダメだったんだ、ヒールをやっても意味は無い」

「やって見なきゃわかんないじゃない!!ちょっと腕貸して!!」

「あぁ」

「···"ヒール"」ポワッ

「さっちゃんさん"ヒール"を使えるようになったんですね」

「···っ!!」

「···」

「···ダメだ、全然治る気がしない···」

「やはりな···」

「···この傷を着けた両親は?」

「討伐されたよ、バーダンによって」

「バーダンここで出てくんのか」

「少なくとも当時の私にとってはバーダンは憧れだった、あいつに助けられたから私は冒険者をやろうと思ったんだ、そして冒険者になってクエストをこなし白ランクのNo.2とまで呼ばれるようになり、追いつこうと思った矢先に···」

「両親を葬ったあの紋様にやられたってわけね」

「あぁ···親と憧れという大きな存在を同じ紋様で失ってしまったんだ」

「···よし、話はわかった、ならとっととその紋様を使うやつを探しに行こうか」

「全然わかってないじゃない!!!あんた死ぬって言ってんのよ!?わかってんの!?」

「だから二度とそれを出さないように動けばいいんでしょ?」

「そうだけど···」

「なら早めの方がいいよ」

「でも対策をしないともし紋様にやられたらそれで終わりなんですよ!?」

「あー」

「ほんとあんた頭いいのか悪いのか···」

「んー···まぁその辺は皆で考えてよ」

「あんたも頭キレるほうなんだから考えなさいよ」

「えぇー···どこで誰にかけられたかわかんないんだったら対策のしようがなくない?」

「それは···そうですけど···」

「ならもう警戒していくしかないよ、···なんならこれ僕一人でも」

「それはダメだ、徹は殺気を感じることは出来るが魔力は感じないのだろう?」

「まぁね」

「なら一人で行動はしないでくれ」

「わかった」

「···」


 ···だいたい徹が"わかった"って言う時は言われた通りに行動をしない、昔から徹はそういうやつだ


「···まぁとりあえずさ、今日はもうこのまま寝ようよ」

「あんたほんとお気楽ね」

「いやだって帰ってきたばっかで色んなことがいっぺんに起きてるじゃん、さすがにそう頭も回らないって」

「···確かにそうだな、ましてやトオルとサユミには衝撃的すぎることだものな」

「まぁ僕はそうでも無いけど、さっちゃんは大丈夫なの?吐いたりしない?」

「なんであたしゲロるのよ」

「大丈夫ならいいけど、じゃベルさん、寝る前に手合わせしよっか」

「そうだな、いつも通り頼む」

「おっけー、じゃあさっちゃん、ウルさんおやすみ」

「あ、おやすみなさい···」


 ガチャッ···バタンッ


「···」


 あんだけの出来事が起こってても徹はいつも通りで正直に言って気持ち悪い、あれほどの事を目の前でやってなんでいつもどおりでいられんのだろうか


「···ねぇウル、あの紋様はかかったら必ず死ぬのよね?」

「はい」

「···そんなんチートじゃない」

「さっちゃんさんとトオルさんも十分チートですけどね」

「紋様はそれ以上でしょうが」

「まぁそうですね···」

「···あの紋様に対抗できるのは本当に無いの?」

「今のところ探している最中ですけど···唯一あるとすれば、効果が一回のみですが"呪術人形"っていう自分にかかった呪いの効果を移す魔法があります」

「なんで一回だけなのよ」

「これには全魔力の五分の四ほど使うため、一度しか使うことが出来ないんです」

「魔力回復の道具とかあれば···」

「私やさっちゃんさんの魔力量では五分の三の魔力を道具で戻す事はできません、それこそ魔力量の少ない人なら別ですがこの魔法は上級魔法です、魔力量の少ない人が覚えられる魔法ではありません」

「そんな···てことは」

「ベルさん、私、さっちゃんさんはそれでどうにでもなりますが、魔力がからっきしのトオルさんは自分でかけることができません」

「···終わってんじゃないそれ···」


 呪いの紋様に対抗する術は徹だけが助からないというある意味残酷なもので目の前で徹を殺すというまるであの夢のような状況下にある


「···もうでもこれしか方法は無いですよ」

「···念の為に覚えておくわ、ウル、教えろ」

「わかりました」


 ···何があろうとおかしくない世界だ、この魔法を使わない事を願わないと


 ···カンッ!!


「っ···!!」

「···」

「はぁっ!!!」ブンッ!!

「···」ユラッ···カンッ!!

「ちっ···!!」

「···ベルさん、あの猪倒したあの技使ってみてよ」

「正気か!?」

「うん、ちょっと受けてみたくなったからさ」

「···後悔するなよ!!!」

「···」

「"凰牙···亀甲斬"!!!」ブンッ!!

「···」




 ···翌日、ギルドでバーダンの弔いをやってあたし達は呪いの紋様を使う人物を探ることに、···未だあたしの中ではあの紋様に対抗する術について葛藤があるけど


「とりあえずさ、あの紋様って着けられたら浮かび上がるの?」

「あぁ、すれ違いざまにかけるって言うのが大半だが···」

「ってなるとさ、結構絞られてくると思うよ」

「なんでよ」

「無差別に呪殺したいんならギルドよりも街中の方がいいじゃん、でも街中でそういうのは出てない、てことはさ、呪いの紋様を使うやつってのはギルドの人間なんじゃないかな」

「それって···!?」

「ギルドの人間の中に、魔族がいるって言いたいのか?」

「まぁそういうことかな」

「で、でも魔族がいる事なんて魔力量を見れば普通にわかりますよ!?外見は変えられても魔力量なんて変えられませんし···」

「じゃあこういうのはどうかな、魔族側に魂を売ったって人物は?」

「それならありえるが···」

「ならその線でいこう、対象は昨日一昨日とギルドにいた人全員だ」

「···なんであんたはやんないのよ」

「やるよ、で僕がやんのは外から皆を見ること」

「あんたが発案なんだからあんたも聞き込め」

「ムリだって、僕話せても受付のアンジーさんだけだもん」

「コミュ障治すための特訓だっていってんでしょ!?」

「えぇー···」


 コミュ障の徹のケツを蹴り上げ昨日のバーダンの行動パターンを聞いていく事に、あたしがまず聞いたのは受付のお姉さん─アンジーだ


「···で、昨日あたし達が帰ってくるまであいつは何やってたかわかる?」

「そうですね···バーダンさんは一昨日クエストから帰ってきて、いつも通りそこでお酒飲んでいましたね、そのあと酔っ払ってギルド内で一泊して、昨日はクエストに行かずスキルポイントを振っていましたし、その後はどこかに出かけようと外に出たら···」

「あぁなったと」

「はい」

「なんかあいつに絡んだ奴いた?」

「バーダンさんにはいつも慕ってくれている人が何人もいるんです、確かに酒癖は悪いですけどお酒を飲んでいない時は頼りになる冒険者ですので、色んな方がバーダンさんと話されてましたよ」

「ふーん、慕われてたのねあいつ」

「はい、このギルドでNO.1冒険者でしたし」

「なーる、あんがとねアンジー」

「いえ、···お願いしますねさっちゃんさん···!!」

「徹に言うのよそういうのは」


 ···頼りになるねぇ、まぁあのベルが憧れるんだからそうなんでしょうね


「···難しいわねこれ」


 その後も色んなやつに色んな事を聞いていったが特に変わった様子は無いみたいでコレといった情報は集めらんなかった、それはあとの三人も同じなようで


「···そうか、何も変わったことは無かったか」

「というかさっちゃん酷くない!?なんでアンジーさんと先に話しちゃうの!?」

「コミュ障治療」

「結局誰もバーダンさんがあの紋様を着けられる所を見ていないそうですね」

「そっか···」

「どうすんのよ徹」

「なんで僕?」

「あんたがやるっつったんじゃない」

「んー···」

「···思ったことがあるんだが」

「なに?」

「誰か昨日バーダンを最初に見つけたやつに声をかけたのはいるか?」

「え?ウルが相手したんじゃないの?」

「え、私はトオルさんが聞いてるものだと」

「え、僕顔わかんないのに、さっちゃんが話したんじゃないの?」

「え、あたしはベルが聞いてると思って聞いてないわよ?」

「···そうか、てっきりいなかったから···」

「···あのさぁ一つ聞いていいかな?」

「なんだ?」

「昨日のそのバーダンを見つけた人ってさ、本当にこのギルドの人間なの?」

「あ、あぁ」

「···え、トオルさんはもしかして、その人がギルドの人間じゃないって言いたいんですか?」

「あくまでも予想だけどね、人が爆裂してるんだ、冷静に誰が見つけたなんて判断はできないでしょ?それこそ判断できる人間はよっぽど周りに興味のない人か呪いの紋様を使える人間だけだと思う」

「···じゃあ何?あんたは今ベルの言ってる奴が呪いの紋様を使ってバーダンを殺したやつって言いたいの?」

「平たく言えばそういうことかな」

「···とにかくそいつを探しに行こうか」

「徹、あんたアンジーに聞いてきなさいよ」

「だから僕知らないから」


「昨日バーダンさんを見つけた冒険者ですか?」

「えぇ、あんたなら覚えてると思ってね」

「そうですねぇ···昨日···ごめんなさい、私もあの人は見た事がないですね」

「ほー、おっけーさんきゅー」

「···どうですって?」

「見たことがないってさ」

「となると、そいつを探すのが先になるね」


 その時だった


 バンッ!!


『!!!』

「いやだ···俺はまだ···死にたく···!!!」


 カッ···ブヂュヴッ!!


『!?』

「きゃあああああっ!!!!?」

「呪いの紋様···!!!お前ら全員この場から離れろ!!!近くにいるぞ!!!」


 突如何かから逃げるように男がギルドに飛び込んできて喚いた瞬間に身体か光りそのまま体の内側から爆裂しした、飛び散る肉片には昨日あたしがベルと見たあの紋様が入っていてそれを見た瞬間ギルド内はパニックになった


「ちょっ···落ち着きなさいよあんた達!!」

「皆さん落ち着いてください!!!ここでパニックになってまた誰かがかかってしまったら呪術者の思うツボです!!!」

「落ち着くんだ皆!!!パニックになったらダメだ!!!」


 あたし達を含めギルド内にいる誰もがパニックになる中たった一人だけ違う行動を起こした人物が···


「···」ダッ

「ちょっと徹!?あんたどこ行くの!?」

「トオルさん!?」


 何かを見つけたのか慌てふためくギルドの冒険者をかき分けて外へと飛び出していった


「私達も追うぞ!!」

「ちょっとどけあんた達!!!」

「さっちゃんさんもう少し綺麗に言いましょうよ···」

「あ!?何!?」

「もう怖いですこの人···」


 ···前を走る徹を追いかけると別に誰を追ってる訳でもないみたい、だって徹の前には誰も走ってないもの


「···トオルさんは何を感じたんでしょうか」

「魔力感じないんでしょあいつ、じゃあなんで走ってんのよ!!!」

「恐らく殺気だろうな」

「殺気?」

「あぁ、昨日の特訓でトオルは前のクエストで私が魔物を倒したあの技を受けたんだ、···ただ、確かに放った攻撃はトオルの前でその威力を失った」

「それと殺気と何が関係あんのよ」

「これは仮説なんだが、トオルの殺気は何もかも打ち消す効果があるんじゃないか?」

「···確かに、でもそれはまだ確かではないからわかりませんね」

「なんにせよ、今はトオルを追いかけるのが先だ」

「ちょっと徹!!!あんたどこに行くのよ!!!」

「···」


 ···あたしの呼びかけも無視かあのコミュ障···!!!


「っとにどこまで行くのよあいつ!!!」


「···さて、次はどのギルドを潰すか···」

「···そうも行かないよ、これ以上あんたの思うようにはさせない」

「!!だ、誰だ貴様!?」

「···やっぱりあんただったんだね」

「徹ー!!!」

「お、さっちゃん達も追いついたんだ」

「···お前は···!!!」


 とある路地裏で止まった徹に追いつき、徹の奥を見るとそこに立っていたのは···


「···ベルドッド、お前も来たのか···!!!」

「お前が···バーダンを···!!!」


 バーダンが爆裂した時ギルド内に助けを頼んだ男だった


「···ちっ、バレちまったか」

「···なんであなたが呪いの紋様を使えるんですか···!?魔力量もあの呪いには遠く及ばないのに···!!!」

「なぜ使えるか?そんなもん簡単だ」バッ

「!!!」


 脱ぎ捨てた上着の下には明らかに同じ人間のものとは思えない角と翼が生えていた


「···俺は魔族に魂を売ったんだよ、強大な力を得るためにな!!!」

「···なぜバーダンを···」

「!!待っ···」


 ダッ!!


「!!」

「よくもバーダンをぉおおおおおおおおおおおおおっ!!!」チャキッ

「ちょっ···ベル!!!」

「···」

「"散滅凰牙"!!!」

「···ベルドッドもこの程度か」スッ···

「(ガクンッ)なっ!?」

「ベル!!!」

「"エアークッション"!!」ブオッ

「(ボフンッ)くっ···すまない···!!」

「···お前の目的はなんだ···!!!」

「魔族に魂を売ったんだ、俺も魔族側に奉仕しなければならないだろう?そう、世界征服を目指す魔族の王、レンドハグウス様にな!!!」

「!!!貴様レンドハグウスの手下になったのか!?」

「王を呼び捨てにするな!!!」ギュンッ

「ベルしゃがんで!!!」

「っ!!!」


 ゴォオオオオオッ!!!


「っ、なんなんだその魔力は···!?」

「···レンドハグウス様を討伐しようとする愚かな冒険者がいるとは聞いていたがまさかお前ら青ランクの冒険者だったとはな、間違えてあのギルドのNO.1冒険者を殺してしまったよ」

「···」

「だが、この俺に見つかった以上レンドハグウス様に仇を成すものを好き勝手に行動させるわけにはいかない、お前達にはここで死んでもらおうか」スッ

「皆さん!あの紋様の魔法が来ます!!!」

「死のカウントダウンだ、"デスリボン"!!」


 ···放たれた呪魔法"デスリボン"に対抗すべく構える、···けどその矛先は


「···っ」ヴォンッ

「!?徹!?」


 寄りにもよって対抗策も何も無い徹だ、腕にあの紋様が浮かび上がってきた


「フハハハハ!!!貴様が魔法を使えない事は既に知っていた!!!魔力のない貴様がこの呪魔法から逃げる術など存在しない!!!」

「貴様よくもトオルを!!!」

「トオルさん!!!今すぐに···」

「やんなくていいよ」

「でも!!早くあんたにかかった呪いを解かないと···」

「僕にやるんなら三人が一回分取っといた方がいいよ」

「あんた何言ってんのよ!!!その呪いは一度かかったら必ず死ぬのよ!?」

「···ならその前に」


 ダンッ!!!


「!!」

「···お前を殺すまでだ···!!!」ブンッ


 ザクッ!!!


「がバッ···!?」

「···お前に殺されたバーダンの分、僕が引き継いでお前に当てる···!!!」


 ブチブチッ···ズバァッ!!!


「ガッ···!?」

「···」ブンッ

「···フフフフ···俺が殺されたところで···その呪いは止まらない···結局貴様は三秒後に死ぬんだよ!!!」

「···」カッ!!

「徹ぅううううううううううううううううううううっ!!!」


 さっきギルドで見たのと同じく徹に浮かんだ紋様が光り始めた、もう魔法は間に合わない···!!!


 ···シュンッ


「···」

「···」

「···え···?」

「···」

「···は?」


 紋様が光ったのに徹が爆裂していない···?


「ちっ、知らぬ内に解呪魔法を使っていたか、···だが二度は使えんだろう!!"デスリボン"!!!」

「···」ヴォンッ

「!?徹!?」

「三秒後に爆裂しろ!!!」

「···」カッ!!


 再び徹にかけられた呪いの紋様が光り出した···けれど


 シュンッ


「···」

「···え?」

「···どう···なっているんだ···?」


 やっぱり徹は爆裂していない


「どういう事だ!!!!?この魔法は必ずかかった人間を殺す呪魔法なんだぞ!?」

「···呪いだかなんだか知らないけど」


 ドスッ,ズズズッ


「ぐぁあああああああああぁああああああああああっ!!?」

「···そんなんで僕を殺せると思ったのか?」

「っ!?」


 その瞬間徹から放たれた言葉にはあたしでも感じる重み、その場にいる誰もがその言葉に動けなくなる


「···ベル、これがあんたの言っていた···!!」

「···トオルの殺気だ、やはり私の仮説通りだったのか···」

「え、ということは殺気であの呪魔法の効果を消したんですか!?」

「そういう事だろうな」

「···な、なんだこいつは···体が動かない···!?」

「···レンドハグウスに言っておけ、これ以上マノウハルスに···ウラヌスに手を出すんなら僕が相手になってやるってな···!!!」

「ぐっ···!?」

「···まぁでも」


 ブチブチッ···ズボッ,ボトッ···


「···ぇっ···?」

「レンドハグウスに生きて謁見できるんならな」スッ···


 グシャッ!!!


「ぁっ···」ズ···ズシャッ

「···お前は魔族側やこっち側にいるよりも、冥界の方があってるよ」


 一度キレた徹はもう止まらないのだろうか、あの時バーダンを倒した時と同じ方法で心臓を抉りだし、今度はその抉りだした心臓を踏み潰した、その瞬間相手はまるで存在がなくなったかのように崩れ始め、風化していった


「···討伐完了、かな?」

「徹あんた···」

「さて、ギルドに戻って報告しよっか」

「え、えぇそうですね···」

「···」


 前を歩く徹からはもう殺気は出ていなかった、それどころかいつも通りの徹に戻っていた


「···なんなのよあんたは」


 ···GO TO NEXT ADVENTURE?

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