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助けられまして

『···どおっ···!?』

「少し狭いかもしれないが···」

『いやいやいやいやいやいやいやいや!!!』

「お兄ちゃん達どうしたの?」

「え!?これ普通なの!?」

「···メル、あんたのとこって···」


 帰ってこなくなったメルのお姉さんを救助してギルドに戻ってきたのが夕刻、またウルがヘマをやらかしこっちの世界でのあたし達の拠点が見つからないと嘆いているとメルのお姉さん─ベルドッドがあたし達についてこいとの事、そんでついてった先にあったのは···


「···すごいお屋敷···これが二人のご実家なんですね」

「実家じゃないんだがな、元々は小さな小屋だったんだがクエストの報酬でここまでにしたんだ、一応使用人もいるぞ」

『お帰りなさいませ、ベルドッドお嬢様、メルお嬢様』

「ふ、ふへー···あたしモノホンのメイドと執事なんて初めて見たわ」

「···さて三人共、私の救助で疲れてるだろうからゆっくり休むといい、三人を浴室まで案内してくれるか?」

「かしこまりました、それではウルさん、サユミさん、トオルさん、こちらへ」

「え、あ、はい···」

「···」

「だからあんたはコミュ障発動すんなっての」

「いや、使用人何人いんの?見えるだけでも十人はいるじゃん···」

「あんたがベルを救ったんだからもっとしっかりしなさいよ···」

「どっ···りょっくはするけど···」

「というかさっちゃんさんもうベルドッドさんの事を略して呼んでるんですか···」

「···それでは、トオルさんはこちらに」

「ァハイ···」

「じゃ徹あとでねー」

「ではサユミさんとウルさんはこちらへ」


 めちゃくちゃ広いベルとメルんちをメイドに案内され、徹とは途中でわかれてあたし達は浴室へ向かう


「···にしても久々にお風呂入るわね」

「そうですね、特にお二人はこっち来てから大冒険でしたもんね」

「特にあんたのポカのせいでね」

「うぅ···言わないでくださいよ···」

「···それではこちらが浴室となっております、お召し物はこちらで綺麗にしておくので用意してあるものを使用してください」

「あ、どーも」

「···浴室というより浴場じゃないですかね?」

「もうあたし突っ込まないわ、疲れるし」

「そ、そうですか···」



 ···チャプッ


「んー!生き返るわぁー」

「ほんとですねぇー」


 二日ほど溜まったままの汚れと疲れを一気に洗い流す、にしてもほんと広いわねこの浴場


「···ぁー、こんな広いと手入れも大変そうねぇ···」

「確かに」

「···」

「···さっちゃんさん?」

「ねぇウル、あんたはあたしと徹にグラントラスを救ってくれっつってたけどさ、あんたが戦ったっつーやつはどんなやつなの?」

「···そうですね、まだ言ってませんでしたもんね」

「なんでところどころ抜けてんのよあんたは」

「···グラントラスを陥れようとしているのは魔物をこのグラントラスに放ったそちらの世界で言う魔王です」

「あたし達の世界に魔王なんかいないわ」

「···ただ」

「おい聞いてんのか人の話」

「私と対峙した魔王─レンドハグウスは想像以上の強さを持っており全開の私の力でも掠り傷しかつけられませんでした」

「!!そんなやつと戦わなきゃなんないの···!?」

「···幾らお二人が能力を持っていたとしても今の状態では門前払いで終わってしまいます、だから時間はかかるかもしれないですけどこうするしかなかったんです」

「···」


 改めて聞かされたあたし達が倒すべき敵の名前、そしてその強さ、今の力でも簡単に倒せんじゃないかって思ってたけどそう簡単にはいかないみたい、ましてや一応女神のウルが全盛期でも勝てないって···


「···すみませんさっちゃんさん」

「···今更謝られてもどうせ知らなきゃいけない事なんだからしょうがないでしょ、あたし達が元の世界に戻るにはその魔王を倒さなきゃなんないんだし」

「···」

「···さてと、あたしもう上がるけどウルどうすんの?」

「あ、じゃあ私も上がりますね」

「···」

「···な、なんでしょうか?」

「···なんかあんたの身体女神の癖にやらしいわよね」

「やらしいってどういう事ですか!!はっ!!まさかさっちゃんさん···」

「よし頭出せポンコツ変態女神、一発殴ったるわ」

「えっ」




 用意された服に着替えて浴場を出るとさっき案内してくれたメイドが立っていた


「···あんた今までずっとここで待ってたの···!?」

「いえ、そろそろ上がる頃かと思ったので」

「あっそう···」

「いったぁ···さっちゃんさんなにもグーで殴らなくてもいいじゃないですか···」

「あんた女神の癖にあたしの打撃大ダメージってどういうことよ」

「さっちゃんさん無意識に魔力付与がかかってんですよ」

「んなわけあるか、···で、用意された服これなんなのよ」


 なんでちょっと豪華なドレスみたいなんがあんのよ、メルと一緒のでいいのよ動きづらいから


「お気に召しませんでしたか?」

「動きづらい、ジャージみたいなんはないの?」

「それでしたらベルドッドお嬢様のものがございます」

「じゃあそれ着るから持ってきて」

「かしこまりました」パチンッ

「(シュンッ)うおっ!?」

「こちらでよろしいでしょうか」

「···充分よ、それより今のも魔法?」

「はい」

「ウル、こういうのは教えてくんないの?」

「こういうのはジョブが違うので···」

「それではベルドッドお嬢様が待っていますのでリビングの方に向かいましょう」

「リビングはあんのかい」

「···なんか不釣り合いですね」

「なにが?ジャージが?」

「えぇ···」

「いーじゃないの、ホントは短パンが良かったけど絶対ぶかぶかだし」

「まぁベルドッドさん私より大きいですもんね」

「今のあんたはあたしより小さいけどね」

「言わないでくださいよもう···そりゃあ元の姿はさっちゃんさんより大きいですけど」

「喧嘩売ってんなら買うわよ」

「え」



 ガチャッ···ギィイイイッ···


「···お、ようやく来たか」

「お嬢様、サユミさんとウルさんを連れてまいりました」

「ご苦労さま、もう休んでくれ」

「あ、徹もいんじゃん」


 案内されたリビングには既にベルも徹も席に着いている、さっきまで鎧を着ていたベルはあたしと似たようなジャージを着ている


「···さっちゃんその格好何?」

「動き重視」

「あっそう」

「いうてあんたも動き重視じゃない」

「執事さんが貸してくれたんだよ」

「話せたの?」

「え?あー···まぁうん···」

「話せてませんねこれ」

「お、ウルわかってきたじゃない」

「そうですかね?」

「···にしてもまた豪華な食事用意してるわね」

「メルはもう寝てしまったが三人にはまだ聞きたい事があったからな、食べながらでも聞かせて欲しいんだ」

「あっそう···徹テーブルマナーとか分かる?」

「一応···」

「あぁ、気にしないでいい、この部屋には私しかいないから」

「そですか···そんじゃいただきまーす」

「···まずウル、君人間じゃないだろ?」

「うぇっ···な、なんのことでしょうか···?」

「隠さなくてもいい、別に誰にも言うつもりは無いよ」

「ど、どうして···わかったんですか···?」

「君から感じる魔力が今まで私が感じた魔力よりも神々しさを感じたからね」

「へーわかるもんなのね」

「···私はウラウス、この地を創世し女神です」

「···ほう、女神だったのか」

「知ってたの?」

「もちろん、グラントラスという世界を創造した神々の一人として語り継がれているからね」

「あんたそんな偉大な事してたんだ」

「女神ですからね」

「ドヤ顔してんじゃないわよポンコツ変態女神」

「···それで、サユミとトオルは一体何者なんだ?」

「あたし達?」

「サユミからは今まで感じたことの無い膨大な魔力を感じるがトオルからは魔力が一切感じられない、それでもテンタクルズや魔物に寄生された私を倒しているのだろ?」

「ま、まぁ···うん、それ僕がやったんだけど」

「だから余計気になるんだ、魔力ゼロの人間が倒せるような代物じゃないテンタクルズをなぜ倒せたのか、そしてサユミから感じられるその膨大な魔力はいったいなんなのかが」

「···ベルドッドさん、この事は他言無用でお願いします」

「···待て」スッ···


 パチンッ···コォオオオオッ


「今何したの?」

「少しこの部屋だけ周りから遮断させた、これで外から中の音は誰も聞こえない」

「···今グラントラスは魔王レンドハグウスの脅威が迫っているんです、私は先の大戦でレンドハグウスと対峙しましたが全開の私の力でもレンドハグウスに掠り傷しかつけられない···それほど強い魔王が現れたんです」

「···」

「さっちゃんレンドハグウスって何?」

「あたし達が帰るためにぶっ倒さなきゃいけないやつよ」

「その魔王レンドハグウスを倒すために私は別世界からこの二人を召喚しました、戦闘に長けたトオルさん、そして膨大な魔力を保有するサユミさん、彼らがそうなんです」

「···なるほど」

「正直最初は失敗したんじゃないかと思いましたがトオルさんの戦闘能力とサユミさんの魔力を見て改めて思ったんです、この二人ならレンドハグウスを倒せるんじゃないかと、ただ今はまだその力を得ていない為にこうやって基礎を固めています」

「···そうか、私の鎧が砕けていたのもトオルがやったからなのか」

「僕···っていうよりさっちゃんの魔力付与かな、さすがに木の棒だけじゃ鎧を壊すことなんて出来ないだろうし」

「···ちょっと待て」

「え?」

「今、木の棒と言ったか···?」

「言ったけど···」

「···テンタクルズもか?」

「同じ木の棒でテンタクルズは魔力付与無しよ、徹が触手切ってウルが燃やしたって感じでその後もっかい徹がトドメ刺してたけど」

「···私の聖剣を木の棒で受け流していたというのか···!?」

「え、なんかまずかった?」

「···いや、後にしよう」

「?」

「君達の拠点はここを使うといい、魔王を倒す二人の勇者の為だ、それくらいしか今は手伝えることは無いからな」

「そんなことないでしょ、あんた白ランクなんだし」

「いくら白ランクと言えど私にも限界がある、現に今魔力は寄生されてたせいか弱まっているんだ」

「そうですか···」

「魔力が回復次第私も君達に協力をしよう」

「ホントですか!?」

「なに、救助してくれたお礼だ、それにこの近辺で私の顔を知らないやつはいない、全体的にバックアップしようじゃないか」

「ありがとうございますベルドッドさん!!」

「···その代わりと言っちゃあなんだが、トオル」

「へ?」

「私はお前に決闘を申し込む」

「···はい?」


 ···どうしてこうなった


「···準備はいいか?」

「い、一応···」

「寄生されてた時の私と対峙した時の力で来てくれ」


 なんか知んないけどベルと徹が決闘をおこなうことになった、···まぁ決闘と言っても真剣でやる決闘じゃなくて木の棒でチャンバラするようなやつだけど、てかこの家石畳の訓練場まであんのか


「···なんでこうなったかなぁ···」

「徹、あん時ので行きなさいよ」

「あの時のって?」

「寄生されてたベルと手合わせした時」

「無茶言わないでよ···」

「···本気で来てくれ、私も本気でやる···!!!」

「!!!」


 意気込んだ瞬間ベルの周りの空気が変わり本気さが目に見える


「···はぁ···やらなきゃダメなんだね···」

「構えろトオル」

「···わかった、けど後悔はしないでね?」

「なにを···」


 刹那···


 シュンッ···


「!?」

「···」コォオオオオ···

「速い···!!!」サッ

「···っ!!」ブンッ


 カァンッ!!!


「っ···なんて速さと力だ···!?」


 木の棒を構えた瞬間徹の姿はその場から消えいつの間にかベルとの間合いを詰めていた、なんとか反応できたベルは徹の一打目を受けきったが全部受けきれなかったのか間合いを広げている


「(シュタッ···ダッ)···」

「···それなら私も···!!!」ダッ

「···」

「ハァアアアッ!!!」ブンッ···

「···」ガッ···タンッ

「何!?」

「···」コォオオオオッ···

「!!!」タンッ


 ガンッ!!!ミシミシミシミシッ···


「···おー、あれを避けるか」

「トオルさんあんな力ありましたっけ?」


 ベルの一振が終わる前に徹は持ってた木の棒を石畳の間に挿しその反動で自身の体を宙へと浮かべベルの攻撃を躱した、そのままベルに踵落としを浴びせようと足を振り下ろすけどその前にベルが後退し踵落としは空を切った、···その勢いは石畳に行き半径2mを陥没させてんだけどこいつ


「···確かにその実力は本物みたいだな」

「···」

「···だが」タンッ

「···」

「私も一応の面子というものがあるんだ···!!!」コォオオオオッ

「···」ブランッ

「!!!」


 踵落としを避けた反動を生かしまた徹の方へ特攻するベル、その向かってくるベルに対して徹がとった行動は防御でもなく受け流そうとするでもなく腕を力無く下ろして無防備にただ立っているだけ


「···舐めているのか···!!!」

「···」

「ならばお望み通り···!!!」 

「···」ヒュッ···

「!?」


 間合いを詰めてきたベルに徹は持っていた木の棒を目の前に放り投げた、模擬の決闘とはいえ使っている武器を手放した事と目の前に木の棒が投げられた事によりベルの動きが一瞬だけ鈍くなる


 ···そこを見逃す徹じゃなかった


「···」タッ···

「しまっ···!!」サッ···

「···」ヒュン···


 パァン!!


「!?剣が!?」

「···」タンッ···パシッ!グイッ!!

「!?」グワッ···

「···っ!!」ブンッ


 ダァン!!!


「ガハッ···!!!」

「···」コォオオオオッ···

「っ!?」

「···」ブンッ


 ピタッ


「···ふう、これで満足ですか?」

「···ハァ···ハァ···」


 怯んだベルに攻撃をしかけ木の棒を盾替わり構えた所を下から蹴り上げた徹、武器を失い焦るベルの手をジャンプしながら掴んでそのままの勢いで石畳にベルを叩きつけグーパン決める寸前で決着が着いた、···あんたホントに人間なの?


「···その気持ちはわかりますけど」

「だから頭ん中読むなっつってんでしょ」

「ベルドッドさんの実力は確かなものです、あの動きや立ち回りは並大抵の冒険者が身につけられるものではありません、···けどそれ以上に徹さんの実力があると···」

「···んとになんなのよあんたは」

「···これがトオルの本気なのか」

「あー···の、本気···っていうよりは普段通りというかなんというか···」

「ハッキリしなさいよ」

「これ言っちゃああれだけど僕まだそんなに本気出せてないんだけど」

「···なん···だと···!?」

「あの時の僕覚えてるでしょ?」

「あの時って寄生ベルと対峙してた時?」

「そう、絶対僕その時顔ニヤけてたでしょ」

「覚えてるんですか?」

「普段無口でやってると口角が上がるのとかわかるし、でも今やった時は口角上がらなかったから」

「···そうか、私はまだトオルの足元に及ばないという事か」

「いやそういう訳じゃないよ、ベルさんの身のこなしなりなんなりは間違いなく本物だし」

「···なら、乗じて頼みたいことがあるんだが」

「何···?」

「···私の事を鍛えてはくれないか?」

「···」

「···」

「···」


 ・・・


『はぁっ!?徹/トオルさん が!?』

「···えっと···なんでまた僕に?」

「···今の私では足でまといにしかならない、協力すると言った人間が当事者達より弱ければそれは協力じゃなく邪魔だ」

「いやいやいやいやいやいやいやいやベルドッドさんは充分強いですって!!!」

「···それに私も長年白ランクから上にいけないんだ、実力がそこで滞っている」

「···だから徹に手解きを受けたいってことね、今思ったけどベルは魔法使えんの?」

「魔法はもちろん使えるが専門分野は魔法では無く実戦なんだ」

「···で、どうするんですかトオルさん」

「どうするって言われても僕どうすればいいの?」

「どっちにしろレンドハグウスぶっ倒さなきゃいけないんだから引き受けるべきじゃない?両刀持ってる人間がいるならこっちも心強いし」

「簡単に言うけどさぁ···生まれてこの方人になにか教えたことなんてさっちゃんに勉強教えるぐらいしかした事ないんだよ?それでしかも実技なんて···」

「いいじゃないですか、人と話す事に慣れるいいチャンスですよ!!」

「えぇ···」

「···ダメか···?」

「···わかった」

「ホントか!?」

「でも過度な期待はしないでね?さっちゃん以外に人に教えたことなんて無いからうまく出来ないかもしれないけど」

「構わない、これからよろしく頼む」

「あ、うん」

「っしじゃああたしもう寝るから、ウル明日もクエストでしょ?」

「そうですね、ではトオルさんおやすみなさい」

「ちょっと待って今からやんの?」

「いや今日はもう大丈夫だ、次はトオルがクエストから帰ってきてからで構わない」

「あっそう、···教えるってどうやるんだろ···」

「···」


 ···翌日、あたし達はクエストボードの前で次のクエストを何にするか決めていた、てかベルんちのベッド超フカフカなの、あんなん疲れどころかありとあらゆるものが回復するわ


「···では次のクエストは何にしますか」

「今まだ深緑なんだっけ?」

「そうですね」

「···んじゃあ」

「ねぇ、それよりひとつ聞いてもいい?」

「何よ」

「なんでベルさんも着いてきてるの?」

「いやギルド同じなんだから来るでしょ」

「そうだけど、なんか僕達と一緒にクエスト選んでない?」

「···お、サユミ、これなんかどうだ?」

「だからちょっと待ってって」


 ···白ランク冒険者のベルが深緑ランクのあたし達と一緒にクエストを選んでる、昨日の今日であんた体大丈夫なん?


「どうした?」

「どうしたじゃなくて、あんた自分のクエスト選びなさいよ」

「だからこうやって選んでるじゃないか」

「だからそれあたし達の···」

「···もしかしてベルドッドさん」

「あぁ、昨日も言っただろ?魔力が回復次第君達に協力するとな」

「え、昨日の今日でそんなすぐ回復する?」

「私の寝具は普通のものよりも早く全てが回復するエンチャントがついているんだ、どんなに大怪我でも少し手当をして寝れば一晩で治る」

「だからあそこまでクエストをこなす事が出来たんですか···」

「まぁ一応な、メルには内緒で頼む」

「は、はぁ···」

「···それに、トオルの···いや、師の戦闘技術を知る為には共に行動するのが一番じゃないかと思ってな」

「あーそういう」

「ねえ待って、ベルさんお願いだから公の場で僕の事そういう呼び方しないで」

「何故だ?」

「僕パッと出の冒険者でベルさんは白ランクの冒険者だからだよ」

「ランクなど関係無い、トオルは私に二度地に膝をつかせたのだからな」

「だからそういうこと大声で言わないでって!!」

「···で、どうすんの徹」

「なにが?」

「状況見ればわかんでしょ」

「···なんで全部僕なのかな···」


 スッ···


「!!」

「···ベルさん、これからよろしくお願いします」

「(···ガシッ)それはこちらのセリフだ、私の師よ···!!!」


 【ベルドッドが仲間になった】


「あ、またなんか変なテロップ出た」

「···それにしてもなにか騒がしいですね」

「ほら僕の事師なんて呼ぶから、僕こういうの慣れてないんだし」

「そ、そうか···それはすまない」


 ウルの言う通りあたし達がクエストボードの前で話し込んでいるとやたらとギルド内が騒がしい


「···なんでこんなに騒がしいのよ」

「お、お前らあのベルドッドとパーティーを組めたのか···!?」

「は?」

「ベルドッドっていやぁこのギルドのナンバー2なんだぞ···!?」

「ナンバー1誰よ」

「ナンバー1は···そこの兄ちゃんがブン投げたやつだが···」

「ならいいじゃない、なんか問題あんの?」

「ベルドッドは今の今まで誰ともパーティーを組んだことは無いんだ、組んだとしても何らかの理由でパーティーは長く続かねぇんだよ」

「···ベルが強すぎるからでしょ?そこは別にどーでもいーわ」

「···まぁお前んとこの兄ちゃんがいるなら大丈夫か」

「なんで徹なのよ」

「お前んとこの兄ちゃん上から四番目のランクだったあいつをブン投げてたからな」

「···てーと、このギルドの一番の実力者でそれなのね」

「お、おぅ···」

「ならいーわ」

「···なんで騒がしかったんですか?」

「ベルと組んだからだと」

「まぁ私と過去組んだ冒険者達は皆私についていけずに切ったからな···」

「そうだったんだ···」

「けど、サユミ達とは私が足を引っ張らないように気を付けないとな」

「だからそういう事を大声で言わないでっての!!!」

「む、すまない···」


 ···傍から見たらおかしな光景よね、白ランクが深緑ランクに怒られてんだもん


「···それで、どのクエストにするんだ?」

「深緑ランクの···あ、これなんかどうですかね?」

「どんなん?」

「護衛の依頼なんですけど···」

「あたしそれヤダ、大抵そういうの我儘なやつばかりだし」

「さっちゃんが言うかな···?」

「徹なんか言った?」

「ナンデモナイデス」

「···なら、これはどうだ?荷物を届けるというやつだが」

「あ、これならいいんじゃない?途中でベルさんの相手も出来るし」

「じゃあこれね、徹GO」

「また僕なの?」

「頼みますよリーダー」

「···わかったよ···」


「···クエスト受注の受付が終了しました!!それではこちらクエストペンダントとなります、依頼主にこちらを見せてクエストを始めてください!!」

「あ、ハイ」

「ではトオルさん、さっちゃんさん、ウルさん、ベルドッドさん、クエスト頑張ってくださいね!!」

「あ、ハイ···イッテキマス···」

「···トオルはなんであんな硬いんだ?」

「あいつ人と話すのが苦手なのよ、あたし達の言葉で言うとあぁいうのはコミュ障って言うのよ」

「コミュ障···それがトオルの強さの理由か?」

「違いますから、あの部分は真似しちゃダメですからベルドッドさんはそのままでいてください」

「わかった」

「ぶふぁっ、やっぱり緊張するよ···」

「あんたあの受付と顔合わすの初めてじゃないんだからしゃんとしなさいよ···」

「頑張ってはいるけどさぁ···ねぇなんで僕リーダーなの?なんでさっちゃんがリーダーじゃないの?」

「あんた一番強いから」

「ベルさん入ったじゃん···」

「ランクで言えば私だが実力はトオルの方が上じゃないか」

「ベルさんまでさっちゃんの方につかないでよ···」


 ベルが仲間になった事であたし達のパーティーは前衛で戦う徹とベル、後衛で二人をサポートするあたしとウルっていうバランスのいいパーティーとなった


「···さっちゃんさんどちらかというと前衛じゃ···」

「頭ん中読むなっつってんでしょうがポンコツエロ女神が」

「エロって、私エロくなんてないですよ!!!」

「ポンコツは認めるのか···」

「ポ···ンコツなのはもう自覚してますけど私絶対エロくないですよ!!!」

「何の話してんの?」

「トオルさんは聞かないでください!!!」

「それよりトオル達は装備品は買わなくてもいいのか?」

「装備品かぁ···そういや考えたこと無かったな」

「···もしかして今までずっと無装備で行ってたのか···!?」

『うん』

「···今すぐ装備を整えに行こう」

「え、必要?」

「命を落とすよりかはマシだろう」

「そういえば装備の事に一切関心ありませんでしたもんね」

「まぁ僕とさっちゃんに至っては未だに制服だしね」

「えー、あたし鎧とかは嫌よ?動きづらいし」

「さっちゃんさんは魔法のローブとかがいいですかね、トオルさんは···」

「んー···僕動きやすければなんでもいいかな、当たらなきゃいい話だし」

「···それを普通に言えるのがすごいな、さすが私の師」

「だからその呼び方やめてって···」

「それじゃあこの町の防具屋に行きましょうか」

「それなら私の行きつけがある、そこならこの街に置いてない装備も揃っているからな」


 装備という概念が全くなかったあたし達はベルの行きつけで防具等を揃えることに、これもレベルアップに繋がんのかね


 なんにせよあたし達はまだ見ぬ敵─レンドハグウスをぶっ倒すために前に進むしかない


「···あ、こんなのどうでしょうか?」

「えぇー···柄がダサいじゃんそれ」

「そうですかね?」

「そこもポンコツか」

「···僕ホントに木の棒みたいなのでいいって」

「そうはいかない、トオルには最適な武器を持ってほしいんだ」

「えぇー···真剣とかホントに嫌なんだよ使ったことないし···」

「剣は冒険者の武器として基本中の基本なんだぞ?」

「それでもなぁ···じゃあ鉄パイプみたいなのでいいや」

「鉄パイプは武器になるのか?」

「あれ?こっちでは使わないの?」

「え?」

「え?」

「じゃあこれはどうですか?」

「だから柄がダサいのよあんたはもう!!!女神がセンスゼロってどういう事なのよ!!!」

「これもダメなんですか!?」

「人がつけるからってダサいのばっか選んでくんな!!!」


 ···GO TO NEXT ADVENTURE?

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