トリップしまして
···戸浦紗弓17歳
「···」
「···っとになんなのよここはァあああああああああぁぁぁっ!!!」
あたしは幼馴染みといつもとは明らかに違う世界で目を覚ました
「···」
「あんたもここがどこなのか調べなさいよ!!!」
「···ムリムリムリムリ、何語喋ってんのかわかんないもん」
「緊急事態なんだから人見知り発動してんな!!!」
···よりにもよってあたしの幼馴染みはコミュ障だ
···数時間前まであたし達は学校で普通にすごしていた
「···で?あんた達はあたしに何の用なの?」
「今日こそこの間の落とし前つけてさせて貰うぞ戸浦!!!」
「落とし前って···そんなんあんた達が勝手に自滅したんじゃない」
「う、うるせぇ!!!やっちまえお前ら!!!」
『おう!!!』
「···ったく、めんどくさいわね」
···まぁあたしの学校はちょっと普通より低脳サルが多いけど、現に今もいきなり男子四人くらいに囲まれて因縁付けられてるし、あたしホントこいつらに何したっけ?
「くたばれ戸浦ァアアア!!!」
「···せーのでっ···!!!」
殴りかかってくる四人組のリーダー格に思いっきり金的を入れようとした時だった
···ガシッ
「!?なっ···お前また···!?」
「···」
「離しやがれ海堂!!!お前に用はないんだよ!!!」
「···」グッ···
「(ミシミシミシッ)あっぎゃああああああああああああぁぁぁ!?」
「お、おい!!!海堂相手したらダメだ!!!逃げるぞ!!!」
「お···おう!!!」
「だっお前らちょっと待て!!!俺を見放すな!!!」
「···」パッ···
「(ドシャッ)うっぐ···覚えてろよ戸浦!!!」
「誰が覚えてるもんか!!!」
あたしの前に入ってリーダー格の拳を真正面から掴み、のまま握り潰したのはあたしの幼馴染みの海堂徹、あたしと身長変わらない癖に喧嘩は負けたことがない、簡単に言うと最強で周りのやつは普段から滅多に喋らないこいつを少し恐れている
「···ったく、徹もあたしの問題なんだから首突っ込んでくんじゃないわよ」
「···」
「···おーい徹?」
「···今の人達僕の事凄い睨んでた」
「あんた強いんだからその人見知り癖やめなさいよ」
···っていうのは建前で、ほんとの徹は人見知りの激しいコミュ障であたし以外のやつとは絡まないんじゃなくて絡むことができないだけ
「てっ···てかさっちゃん怪我してない!?」
「してないわよ、する前にあんたが来たんだし」
「よかったぁ···あ、ほら早く教室戻ろ」
「戻ろっつってもあんたどうすんのよ」
「きょっ···教室に戻るくらいはできるよ、自分のクラスなんだし、···ただ」
「ただ?」
「···教室に入る時のみんなの目線が怖いんだよ」
「それにビビって黙るから余計見んのよあんたの事」
「さっちゃんの後ろに隠れれば···!!!」
「あたしが面倒なことになんでしょうが」
「えぇ···」
···結局あたしの後ろにつくように教室の中に入った
「···ふぅ」
「おかえり紗弓ー、なんだったの?」
「なんだったのってそんなのあたしが聞きたいわよ」
「まぁあんた顔はいいけど性格キツいもんね」
「大体あたしが何したってのよ、因縁つけられる意味がわかんないし」
「あれじゃない?海堂と絡んでるから」
「あいつはあたしがいないと喋ることもできないから」
「そうよねー、私もあんたから聞くまでは海堂が好んで一匹狼になってると思ってたし」
「ほんっっと···治して欲しいわ」
「···徹ー、帰るわよー」
「···」コクッ···
「誰もいないんだから喋れ」
「隣に人いたから···」
「別にいいでしょうが」
誰もいなくなったのを見計らって徹を迎えに行くと案の定一人で窓の外を見ていた、場所なの?場所が違うとこうなるの?
「あ、さっちゃん荷物持つよ」
「いいわよ別に、なんも入ってないんだし、ほら行くわよー」
「あ、待ってって、置いてかないで」
高校から自宅の最寄りまではバスか自転車だけど、今日は自転車がパンクしてたからバスで帰ることに
「···あんたのそのあたし以外への人見知りは治らないの?」
「頑張れば治るとは思うけど···」
「じゃあ頑張んなさいよ」
「無茶言わないでよ、僕の周りにいるのってさっちゃんしかいないんだし」
「あたしの友達練習相手にしたげよっか?」
「さっちゃんの友達ってあの人でしょ?僕あの人苦手っていうかなんていうか···」
「つべこべ言ってないで練習する!!!」
「さっちゃん、一応バスの中なんだから」
···運命の歯車ってもんはこの時から狂っていたのかもしんない
キュルキュルキュルキュル!!!
「うわっ!?」
「(ガシッ)っと、さっちゃん大丈夫?」
突然普通に走っていたバスがタイヤの音が車内にはっきり聞こえる程けたたましい音を上げながら急ブレーキをかけ始めた、一番後ろに座ってたあたしはその衝撃で前のめりになりそうだったけど徹に支えてもらったから顔をぶつけずにはすんだ
···だけど、それで終わりじゃなかった
グググッ···
「さっちゃん危ない!!!」
「っ!!!」
···掛けすぎた急ブレーキの影響で車体が傾き、あたしは徹に手を引かれて···
···そこから先のどうなったかという記憶は無かった
···で、目が覚めたら何故か草原に生えてる大きな木の下にいて、隣に徹もいたから叩き起して···この時点で叩いてる手に痛みを感じたから夢じゃないのがわかる、···で、今に至るってわけ、なんで今いる場所が見た事もない世界だっていうのがわかったのかなんだけど
「···あんなん飛んでないもんね」
「まぁそうだね」
空を飛んでいるのは飛行機じゃなくてなんか細長い胴体に羽が生えたみたいな生き物だったり···
「···あれなんで浮いてんの?手品?」
「···には見えないかな?」
目覚めたところの近くにあった村みたいな場所は物が浮いていたり、あと人にしては何語喋ってるのかわかんないし
「···っとにどこなのよここは!!!」
「···とりあえずこれはどうしたらいいんだろ···」
ひとまず目が覚めた時にいた木の下に戻って来たけど、言葉も通じず所持してた物も全部ないという状況でどうすればいいか考えることに
「···まずあたし達は目を覚ますまで学校帰りのバスに乗ってて、んでそのバスが事故って···」
「···さっちゃんどうしたの?」
「···え···?じゃ、じゃああたしって···もう死んでるの···?」
「···」
「嘘でしょ···?だ···だってあたしさっきまでバスに乗ってて···え?じゃあ今ここにいるあたしはなんなの···?」
「···さっちゃん」
「バスの中であたし達は死んで···じゃあここはあの世って事なの···?だとしたらあたし達···!?」
「落ち着いてさっちゃん」
「!!!」
ここまでの事を思い出してる内に自分が死んだという事実に一人でパニックになっていると徹はいつもよりも冷静さを保っている声であたしに呼びかけてきた
「···とお···る···あたし達もう···!?」
「···まぁそうなっちゃったのはしょうがないよ」
「!?」
冷静な声の次に出てきたのはなんというかすごく気の抜けたような声だった、その差にあたしは今の状況を忘れそうになった
「しょうがない···って、あんたそれ本気で言ってんの!?あたし達もう死んじゃってんのよ!?」
「そりゃあ悔いは残ってるけど、死んだとしても今まだ自分でいれるんだからよくない?それにここでは僕の本性知ってる人いないし」
「そりゃあ···そうだけど」
「一時的に意識が遠のいてるっていう線もあるだろうし、本体が目覚めるまでゆっくり待とうよ」
「···ほんっっとあんたはコミュ障の割にお気楽よね」
「こっ···コミュ障関係無くない?」
「···なんかパニクってたのがアホらしくなってきたわ、とりあえずお気楽にすごしてやろうかね」
「···じゃあまずは」
「何よ」
「この先どうやってすごしていくか考えないと」
「あんたさっきの今で言ってること違うじゃない!!!」
「とりあえず言葉が通じないとなんもできないからなぁ···」
「待てコラ徹!!!あたしの話をスルーすんな!!!」グイーッ
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!さっちゃんモミアゲ引っ張んのやめて!!!それすっごい痛いから!!!」
バカやりながらこの先どうするか考えていると···
「···やっと見つけましたよ」
『?』
あたし達の目の前に歩み寄ってきたフードを目深に被った一人の少女···つっても同い年ぐらいか、てかやっと見つけたってなにを?
「···」
「···徹あんたコミュ障発動すんな」
「いやだって知らない子が話しかけてきたから」
「だとしてもよ···ん?ねぇ徹今なんてった!?」
「え?だから話しかけてきたって···」
「てことは···あなたあたし達の言葉がわかるの!?」
「···ここでは人目につきます、場所を変えましょう」スッ···
パチンッ,シュンッ
『!?』
フードを被った少女が指を鳴らした瞬間あたし達はいつの間にかどこか小屋のような場所に移動していた、その小屋には分厚い本が本棚に並んでたり、机の上には沢山の紙とペンと···まぁ色々なものが置いてあったり、あとは小屋の床に書かれた円状の模様だったり、そして漂うインクの匂い、まるで魔女みたいな···
「残念ながら私は魔女ではありません」
「っ!?あんた人の頭の中を読むな!!!」
「···あ···の···い···」
「あんたはあんたで緊張してんじゃないわよ!!!あぁもうそれで!?あんたは一体何者なの!?」
「···単刀直入に言います」
そう言いながら被っていたフードを取るとその子はあたしよりも背の高い女の人に変わっていた、どこか少し神々しさを感じる
「···え?今の何?」
「···この世界を救って欲しいんです」
「···」
···はぁ?
「疑問に思うのは当たり前だと思いま···」
「だからあんた人の頭の中を読むなつってんでしょ!?まず色々質問するけどあんたは結局何者であたし達はどうなって、ここは一体どこなのよ!!!」
「···この世界はあなた方の住んでいた世界とは異なる世界、グラントラスです、そしてあなた方はこの世界に召喚されたという形になっています」
「···てことは···ぼ、僕とさっちゃんは死んでないんだ···?」
「だからコミュ障発動すんなっての」
「···そして私はあなた方をこの世界に召喚した者、この世界では女神として讃えられているウラウスと···」
バチィイイイン!!!
「ぶっ!?」
「ささささっちゃん!?なにしてんの!?」
「あんたがあたし達をここに放り投げたせいであたしパニックになったじゃないの!!!こういうのってまずあんたの所に召喚するのが礼儀ってもんでしょ!?何をいきなり放り投げてんじゃコラァあああ!!!」
「落ち着いてさっちゃん!!!すすすいませんウラウスさん!!!あ、女神だから様か?さっちゃん頭が混乱してて!!!」
「い、いえ···その点に関しては完全に私の手違いです」
「あんた神なんだからそこんとこしっかりしなさいよ!!!うっかり!?うっかりなの!?」
「いや流石にうっかりはないんじゃ···女神様なんだし···」
「すいませんうっかりです・・・」
「しっかりしなさいよ女神!!なんでちょっと残念なのよあんたはァアアア!!!」
数分後・・・
「···さっちゃん落ち着いた?」
「はぁー···はぁー···」
「すいませんすいませんすいませんすいませんほんとすいません···」
···なんであたし女神に説教なんかしてのかしら
「···で?なんであたし達なのよ、バスの中には他の奴とかいたじゃない」
「あ、はい、あなた達二人に秘められた力がこの世界を救うかもしれなかったからです」
「女神様、僕らにそんな畏まらなくても」
「いえそういう訳には···」
「あ?」
「ほんとにすみませんほんとにすみませんほんとにすみません···」
「女神様にトラウマ植え付けちゃダメだよ」
「あたしは不満をぶつけただけよ」
「···それで女神様」
「もう名前でいいですというか名前にしてください、あなたが女神様と呼ぶ度にさっちゃんさんの私を見る目が怖いんです」
「しっかりしてウラウスさん」
「お、というか徹あんた人見知り治ってるじゃない」
「さっちゃんに怒られてたウラウスさん見てるとなんか可哀想になってきたから」
「···じゃああんたのコミュ障治すにはあんたと話す相手をあたしが脅せばいいのか」
「やめなさい、話が進まないから」
「えー」
「···それでトオルさんが聞きたいこととは?」
「そうだった、さっき僕らの力がこの世界を救うかもしれないって言ったんですよね?」
「そうですね」
「···じゃあその僕達にある力ってなんなんですか?」
「!!!」
そういえばウラウスはあたし達になんかの力があるからあたし達をここに呼んだんだっけ、徹は喧嘩最強だからわかるけど
「···あなた達二人にある力はトオルさんが戦闘系全スキルの数値異常、···そしてさっちゃんさんは···」
「なんでウラウスあんたあたしの事さっちゃんにさん付けてんのよ」
「あ、えっと···サユミさんは···」
「さっちゃんさんでもよくないかな?」
「徹あんたあとで覚えときなさいよ」
「さっちゃんは僕がなだめとくからウラウスさんは話進めて」
「あ、はい···さっちゃんさんは全魔法系スキルの数値異常です」
「···魔法系?」
「魔法系ってあたしなんか生まれて此方魔法なんて一度たりとも使った事ないわよ」
「あ、あともう一個いい?僕のその戦闘系スキルってさっちゃんと何が違うの?」
「戦闘系スキルは攻撃魔法は含まない全ての戦闘法の事です、今までこの世界を救うためにあなた達の世界を見て全ての人のスキルを観察してましたがトオルさんのはありえないほどでした」
「···それであんた喧嘩最強なんだ」
「関係あるのかなそれ···」
「それとさっちゃんさんのは魔法系スキルと言ってますけど、簡単にいえば魔力異常の事です」
「···あー、だからさっちゃん怖いんだ」
「あんたほんとぶっ飛ばすわよ」
「魔法に関しては私が教えますので心配はしないでください」
「···一つ聞きたいんだけどさ、なんであんたは世界を救おうとしなかったの?」
「···私は一度この世界の窮地に立たされ、力を半分以上失っているのです」
「···それで僕達を···」
話を聞いててわかったけど、よっぽどこの世界···なんだっけ?グラントラスだっけ?それが危険な状態に合ってるってのはよくわかった
「···それ終わったらあたし達帰れるんでしょうね?」
「あ、そこは心配しないでください、ちゃんと元の世界に私が帰しますから」
「ウラウスが?さっき召喚失敗してんのに?」
「うぐっ!!」
「余計なこと言わないの」
「···まぁそれでしか帰る方法が無いんならやるしかないわね、ほらとっとと魔法教えなさいよ、んでもってあたし達のガイド役やんなさい」
「えっ、それはちょっと···」
「何?できないってーの?」
「喜んで務めさせていただきますさっちゃんさん!!!」
「よし、あとウラウスって呼びにくいからウルって呼ぶわよ、いいわね?」
「はい!!!」
「えぇー···」
【ウラウス(女神)が仲間になった】
「何よこのテロップ」
「あ、さっちゃんにも見えるんだね」
「あ、そういえばさっちゃんさんもトオルさんも御自身のステータスはまだ見ていませんよね?」
「見方なんか知らないもん、つか見れるもんなの?」
「ステータスを見る時は"開示"と言えば···」
ヴゥン···
「このように見る事ができます」
「···いよいよ異世界にいるって感覚がするわね」
"開示"の言葉と共にウルの目の前には一枚のモニターみたいなのが出てきた、それには確かにウルのステータスみたいなのが書いてある···が
「···まぁ何語なのかはわからないけどね」
「ウルあんたこれあたし達にどう読めと」
「あ!?そうでしたすみません!!!あなた達二人に翻訳スキルを譲渡していませんでした!!」
「そういうのは先にやるんでしょうが」
「本当にすみませんでした!!!」
「さっちゃんそれやめてあげなよ、ウラウスさん泣きそうになってんじゃん···」
「JKに泣かされる女神なんか聞いたことないわ」
「···では、"全知全能の神よ、この者達に能力─翻訳を授け給え"」パァアアア···
『···っ』
シュウウウウッ···
「···はい、完了しました!!」
「い、今ので?」
「はい!!」
「んじゃウル、あんたのステータスもっかい見せて」
「あ、はい、"開示"!」ヴゥン···
翻訳のスキルを貰ってからもう一度ウルのステータスを見ると、さっきまでのなんかわけわかんない文字が全部日本語に見える、そういえば散らばってる紙とかに書いてある文字も全部日本語に見えるや
「···おぉ···ウラウスさんのレベル25なんだ」
「あんた女神の癖にレベル低いのね」
「うぐっ、それは先の大戦で力を失ったので」
「他の数値もさすが女神様なだけあって高いけどどうして威厳が67なんだろう···これ高いのかな低いのかな」
「···ウルあんたドジにポイント振ってんじゃないわよ、何よドジ221って」
「それはその···忙しかったのでつい振るポイントの場所を間違って」
「バカかあんたは」
「ま、まあまあさっちゃん、とりあえず僕らのも見てみようよ」
「···」
『"開示"』ヴゥン···
自分のステータスを開くのなんて生きてる間にやるなんて思ってもなかったけど、とりあえず出すことは普通にできた
「···あ、ほんとだウラウスさんの言う通り僕の戦闘系スキルの数値異常だ、···あと固有スキルコミュ力になってるや」
「なんでコミュ力なのよ、いくつになってんの?」
「3」
「ひっく」
「さっちゃんのは?」
「あたしのは···うっわあたしウルより魔力多いじゃん」
「私と比較しないでください」
「さっちゃんレベルいくつになってる?」
「あたし1」
「あ、そこは共通なんだね」
「これどうやってレベル上がんのよ」
「レベルはギルドにあるクエストをクリアするか、モンスターを倒すと経験値が貰えますのでそれで上げられます」
「ほーん」
「···ギルドって事は人がいるの?」
「コミュ障」
「とりあえず冒険者ギルドに向かいましょうか」スッ···
「あたしもその瞬間移動覚えられんの?」
「覚えられますよ」
「ならいいや、早く飛ばして」
「はい」
パチンッ・・・
・・・シュンッ
「っと、ここが冒険者ギルドなのね」
「はい」
「···人多そうだなぁ」
「シャキッとしろ」
ウルの瞬間移動であたし達はウルの言う冒険者ギルドの前にやってきた、ちなみに冒険者ギルドの名前は···
「···"ウラヌス"?」
「ではまず冒険者登録をしましょうか」
「ウルあんたこれ自分の名前何じゃないでしょうね?」
「断じて違います」
「あっそ、···んで、なんであんたはあたしの後ろに隠れてんのよ、まだ入ってすらないでしょうが」
「いやもう入る前から僕らの事見るのが想像できるもん」
「襲ってはこないでしょうが」
「いやわかんないよ!?新人潰しとかありそうだし!!現に僕去年あったし!!」
「あったとしてもあんた全員叩きのめしてんじゃないのよ!!!」
「ふ、二人共、とにかく入りましょう!!」
「ウルは冒険者登録してんの?」
「あ、はい、私は一応"ウル"の偽名を使って···」
「結局ウルかい」ギィイイッ
ギルドのあっても意味なさそうな扉を開けると、一応それっぽいのか広間には受付と酒場と掲示板みたいなのがある、掲示板の上にはクエスト募集って書いてあるからあれがクエストなんだろう
「···ほぁー、ほんとにあたし達の世界とは違うわね」
「···」
「トオルさん?」
「ごめん今話しかけないで、周りの目が怖くて言葉が出ない」
「コミュ障発動すんなっての」
···まぁ確かに?ガラの悪い男達が昼間っから酒飲んでるけど?あんなん高校にもいたじゃない
「···では、まず受付で冒険者登録しましょう」
「え、一人ずつ?」
「そんぐらいあんたでもできんでしょうが」
「無理だって!!人と対面で話すことすらできないんだよ!?」
「克服する努力をしろ!!!」
ということで···
「···では、こちらが冒険者の証となりますので大事に所持してください」
「あ、は、はい···」
「緊張しすぎだっての」
無事(?)に冒険者登録を済ませこれであたし達も冒険者というわけか、元の世界に帰るための一歩が小さすぎるわー、いつまでかかんのかしらこれ
「···それでは冒険者登録も終わったので早速クエストに向かいましょうか!!」
「え、早速なの?」
「さっちゃんさんに魔法を教えたいので」
「ポイント振るだけじゃダメなの?」
「スキルポイントは魔法を強化するためのものなのでまずは基礎魔法を覚えてもらわないと」
「僕は?」
「トオルさんには私から教えられる事はないので···」
「えぇ···」
···まぁ確かに徹にウルが教えられる事なんてなさそうだけど、そんなこと思いながらもクエストの貼ってある掲示板の前に向かう
「···じゃあまずこの緑ランクのクエストをやりましょうか」
「何よ緑ランクって」
「クエストを受けるにはそれなりの条件がいるんです、緑ランクはルーキー冒険者からでもできるクエストで一ランク上がるにつれ難易度は難しくなってきます、そしてクエストの最上ランクは王族から直々に依頼されます」
「···僕らはどこを目指せばいいの?」
「もちろん最上ランクです」
「···ちなみにウルはどこまでできんのよ」
「私はまだ緑ランクより二つ上の青ランクです」
「すごいのか普通なのかよくわかんないわよ、大体何ランクまであんのよ」
「クエストのランクは全部で15です」
「あんたほんと女神なのに低すぎるわよ」
「うぅっ···」
「さっちゃんそれだけは言っちゃダメだって」
「···んー、ウルーこれなんかどうよ」
「ちゃんと緑ランクですよね?」
「あんたあとで覚えておき···」
「すいませんでした」
「···こりゃあ確かに威厳無くなるかな」
「んで、これどうなのよ」
「あ、はい···」
とりあえずぱっと目に入ったクエストを選んでみたけど内容がなんか物を届けてほしいってやつだった気がする
「···これなら大丈夫ですけど···」
「なんか問題あんの?」
「いきなりモンスターのドロップするアイテムを探すというのは初めてにしたらキツいんじゃないかと···」
「魔法覚えんのには丁度いいじゃない、試し打ちできるんだし」
「試し打ちって言わないの」
「···そうですね、じゃあこのクエストを受注しましょうか」
「どうやってよ」
「まず掲示板の下にある紙に受注したいクエストを書いて受付に持っていきます、その後は受付の人が手続きをおこなってクエストペンダントが支給されます、それを着けたらクエストスタートです」
「ほーんじゃあ徹、これ書いて出してきなさいよ」
「僕なの!?また僕がいったらおかしくない!?」
「コミュ障治すためにやるんだからはよ行け」
「えぇ···」
「···こちらのクエストでよろしいですね?」
「は···い···」
「では、ただいま手続きをおこないますので少々お待ちください!」
「はい···」
「···さっちゃんさん、ちょっと無理させすぎなんじゃ」
「あいつはあれくらいやんないと治んないのよ、アレでも優しい方よ」
「そうなんですか」
「···」
「···」
「···クエストの受注受付が完了しました!こちらがクエストペンダントです!初めてのクエスト頑張ってくださいね!!」
「···(コクンッ)···いってきます」
「いってらっしゃいませ!!」
「徹ー終わったー?」
「···ぶぇふぁ、き、緊張したぁ···」
「しっかりしなさいよあんたもー」
「とりあえず、これでいいんだよね?」
「ですね、では行きましょうか!!」
異世界での初めてのミッションが始まろうとしていた···ところに
「···うぉいガキ共ぉ〜今からクエストかぁ〜?」
「···あ?」
せっかくの勢いを止めたのは酒場スペースにいたガラの悪い大男達だった、思わず声出したけど大丈夫よね?
「私達は今からクエストをこなしにいくので邪魔をしないでくださ···」
「んなこたぁどぅぉでもいぃんだよぉ〜さっきから見ててこのヘナちょこが一緒で大丈夫かぁ〜?」
「···」
「こぉ〜んなヒョロガキ連れてくなんたァ見る目がねぇなぁおまえら、どうだ?この俺様が着いてってやろうかぁ?」
「···まぁ確かに徹は見た目こうだけどあんたよりは確実に強いから必要ないわよ、つか酒臭いからとっとと失せろ」
「あぁんっ!?」
「さっちゃんさん!?」
「それとも何?そんなでかい図体してて頭にはなんも詰まってないの?」
「てめぇルーキーの癖に生意気な態度取ってんじゃねぇよォ!!!」
酔っ払ってるから煽るのも簡単だわー、うまいことあたしの口車に乗った酔っ払いの男はあたしの事を殴ろうとしていた、···まぁその先はもうわかるでしょ?
···パシッ!!
「あ!?ぁんだヘナちょこ!!!邪魔すんじゃ···」
「···」スッ···グイッ!!
「(ブワッ!!)!?」
「···っ!!」ブンッ
ダァアアアンッ!!!「ゲハァッ!?」
「···」
「カッ···この···ガ···キ···」ズズゥン···
「···トオル···さん···?」
「···なっ···!?」
···まぁさすが徹よねーうまいこと腕持って背負い投げして気絶させてるし、···まぁ相変わらず喧嘩する時相手に絡みたくないから黙ってるけど
「さんきゅー徹ー」
「···だからさっちゃんは相手にそういう事しないでよ!!!僕が全部それやってるから僕の変な噂が立ってまた人が来るんじゃん!!!」
「いーじゃない、コミュ障克服するためにやったげてんだから」
「こんなんさらに悪化するよ!!!」
「なんだ今の!?ヘナちょこみたいなのがすげぇ力だしたぞ!?」
「これが···トオルさんの力···!!これなら···!!!」
「お願いだからさっちゃん大人しくしてて!!!」
「じゃああんたコミュ障治す?」
「それは努力するけど!!!」
元の世界に帰るためにグラントラスの危機を救うための冒険が···
「···トオルさん?」
「もうやだ···ホントさっちゃん僕にどうなってほしいの?」
「コミュ障治せ、あとあんたがやったこの床直せ」
「床は無理だって」
「あ、そこは私が直しときますね」
今始まろうとしている
GO TO NEXT NEW ADVENTURE?




