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【書籍化】帰れない聖女は、絶対にあきらめない!  作者: 真弓りの


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ニャア~~~ニャ、ニャウ~……

まあ、今は女将さんの言葉に地味に傷ついているみたいで丸まったままそっぽを向いて、イライラと尻尾の先だけが床を打ちつつ大人しくはしてるけどね。耳だけはピーンとたってるあたり、話の行方はかなり気になってるらしい。


いつになくくってかかる事無く我慢してるのは、ここで言葉を発したらマズイことが分かってるんだろうね。それとも、お鼻がぴくぴくしてるから、よっぽどここのお料理が食べたいのかな?



「ハクエンちゃん、ダメって言われてるの?」



抱き上げたら不機嫌そうに「グルルルル……」と小さく唸られてしまった。



「ねえ、酷いよねハクエン。ここが美味しそうだってハクエンが気に入ってたから入ったのにさあ。あ、ハクエン、お返事はニャーかワンで言うんだよ」


「ニ、ニャア!?」



目を真ん丸にして、抗議するように声を上げたハクエンちゃんは、呪の効果かすでにニャーしか言えてない。多分意訳すると「な、なんだと!?」とかそんなことを言ったんだろう。



「ニャー、ニャニャニャニャ、ワン!」


「うんうん、だよねー、ここのお料理食べたいよねー」



絶対違う事言ってると思うんだけど、賢者サマが強引に適当な通訳してる。アルバもこらえきれないように、後ろを向いて肩を震わせていた。



「ニャー!!!!ニャア~~~ニャ、ニャウ~……」



よっぽど悔しいのかめっちゃ抗議してるけど、ついに語尾が小さくなってきた。


可愛いけど、ちょっと可哀想。


お耳がへにゃっと垂れて、尻尾からも体からもダランと力が抜けたハクエンちゃんが「……ニャー……」と小さく小さく鳴いたところで、店の奥から豪快な笑い声が響いた。



「いーじゃねえか、喰わせてやろーぜ!」


「あんた!」


「砂幻豹にまで気に入られたなんざ、ハクがつかあ。ようそこのちまいの、美味そうだって思ったんなら食っていきな」



店の奥からおっきな男の人がのしのしとやってきて、私の腕の中のハクエンちゃんの頭を乱暴に撫でたと思ったら「ありがとよ、こりゃあサービスだ」とお肉がたっぷり入ったお皿を手近なテーブルに置いて行ってくれる。


その後ろ姿にハクエンちゃんが「……わん」と鳴いたのは、いったいなんと言いたかったのか。



それからはやり取りを見守っていたお客さんからも陽気に声をかけられながら、賑やかに美味しくご飯をいただいて、私達は満腹満足でお店をあとにした。



「ああ、満腹だねえ。じゃあ僕はここでおいとまするよ」


「えっ!?」



賢者様の突然の帰る宣言に、思わず驚愕の声をあげてしまった。


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