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【書籍化】帰れない聖女は、絶対にあきらめない!  作者: 真弓りの


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古い言い伝え

ヴィオが『古い言い伝え』と言う賢者の話は、本当に古い古い話で『おとぎ話』と言ってもいいくらい昔の話だ。


昔々、この大陸はもっともっとたくさんの魔獣やドラゴン、手が付けられない程の凶獣で溢れかえっていたのだという。ここは『魔王』が統べる『魔の都』を擁する大陸だったのだと。


別の大陸からやってきた『勇者』が魔王を倒し、長い長い年月をかけて魔族を駆逐したんですって。


荒れきったこの魔の地を拓き、浄化し、人々が暮らせる地にしたのは、勇者と行動を共にしていた賢者。その後に入植した人々が今の都を作り、繁栄を極めた時、賢者はふらりと姿を消した。数百年にもわたり老いる事すらなかった賢者は、人々の安寧を見て安心し、姿を隠したに違いない。


今でも世界のどこかで我々を見守ってくれているだろう……そう、言い伝えは締めくくられていた。



最初に聞いた時は「うわ、ここ魔王の土地だったわけ? ヘヴィな設定だな」と思ったし、「それなら魔に侵されやすいとかいうのも分かるわー」と思っただけだった。


賢者に関しては在り得ない長寿だとは思ったけど、よくある国の興りを神秘的に見せるための誇張した伝承なんだろうな、と思っていた。



でも、今となってはその伝承だけが頼りだ。


もしかして、聖女の私が特別な能力を貰ったように、賢者にも長寿をもたらすような能力があったのかも知れない。


今は伝わっていない『送還』も、古の時代の賢者なら、知っていたりはしないだろうか。



もちろん今もなお生きているだなんて思っちゃいない。でも、彼が残した文献や子孫などの話が、慎重に探れば出てくるかもしれないと、私はそう思っていた。


最後に賢者が立ち寄ったとされるこの港町なら、なんらかの手がかりが得られるかも知れない。


正直、最も文献が残されているのは王城だとは思っている。誇張されていたり、都合のいいように脚色されている可能性は高いけど、いくばくかの真実はあるはずだ。


でも、さすがに認識阻害の魔法があれど、あの場所には多くの優れた魔導師達が常駐しているだけに、いつ正体を見破られるともわからない。軽々には近づきたくない。


あと……そうね。あの古い伝承を信じる前提で行けば、魔王城跡地でも何か参考になるものが見つかるかも知れない。


説明は受けなかったけれど、最後の最後に浄化した場所は崩れてボロボロになった遺跡のような場所だった。苔むして、陰気で、魔がこもった気持ちの悪い遺跡。


他のところに比べて、浄化しても浄化しても、地中から魔があふれ出すように思えて、浄化しきるのが大変だった。


あの場所……もしかして、魔王城跡地だったんじゃないのかしら。

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