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世界調整

「さてと…」

行商のレオガルドと別れた後に彰は街をぶらぶら歩いていた。

世界調整チートか…よくアニメとかではあるけどここまでご丁寧にステータス画面に出るとね…信じられん」

世界調整の名前の通り、基本的には何でもできてしまう。

例えば…

「コマンド、INFINITE HP」

体力の横に無限のマークが着いた。

「はは…笑えねぇぞ…これ」

つまり俺はこの世界で最強になれるのだ。

(なら、アニメみたいに俺は勇者になってやる!)


その考えが甘かったことを10分後に痛感した。

確かにHPは減らない。

故に死なない。

しかし彰は知らなかった。

「くっそ…超いてぇ…」

経緯はこう。

街を出る→ゴブリンのようなモンスターに会う

→調子にのって剣を受けてみる→超いてぇ

→現在に至る

「確かにHPは減ってねぇ…減ってねぇけど…!」

この世界では、ダメージと痛覚は別物。

つまり『痛み』という状態異常が存在するのだ。

「痛覚を消すコマンドとかないのかよ…」

そんなものがあったらとっくに頭のなかに浮かぶだろう。

エリアウインドウを放ったときだって頭に浮かんだから射てたのだ。

つまり頭に出てこないということは初めから無いのだ。

「とりあえず…」

「お前らは殺す」

殺すためにコマンドを。

数百、数千、数万と可能な手段が頭に浮かぶ。

その能力の多さに俺の中二病が疼いた。

「clock up」

身体、脳、感覚全てを研ぎ澄ませる覚醒系の技。

「終わらせる!」


ゴブリンの群れが血潮を上げて死ぬのは一瞬だった。

それこそ虐殺だ。

…だが彰は知らなかった。

「…いっっってーーー!」

clock upは感覚を研ぎ澄ませる。

それは痛覚も。


無駄にダメージを覚醒させたところで彰はやる気をたっぷりと削がれ街に帰った。

「今後能力を使うときは気を付けよ…」

この能力は万能だがどこか無駄に繊細な部分がある。

考えて使わねば…

と物思いにふけっているといつの間にか路地裏に入っていた。

「…」

能力の使い方を学んだからこそわかる。

路地裏に1人ローブを被った老人がいる。

普通の人なら不思議に思うことはない。

…が彰は能力自動発動で気付く。

「結界まで張ってご挨拶とはな」

「ほー…やはりそなたはただ者ではないかえ」

この老人もただ者ではない。

表現するなら歪み。

世界調整を使ってすら抗ってくる。

「まてまて、そう警戒するな、わしはどうせ消え行く存在。そなたのような強き物にこれを渡したくてな」

懐から出したのは1冊の本。

「…これは?」

「それはそなたの方が知っておるのじゃないかね」

「どういうことだ」

「わしもその本もそなたのような存在がこの世界に現れたときに同じく現れるように作られた存在。わしは知らぬがその本はそなたが知っている知識で構成された物。そなたの人生を書き記してくれる物じゃ」

「あー、理解した。セーブ機能か」

「ほら、そなたの方が知っておるじゃろ。わしには分からぬものであったがようやく役目を果たした。潔く消えることとするわ」

そう言うと老人は消えていった。

「つまりあの老人は俺以外とは接触するわけにはいかなかった。存在しないもの…だから結界か」

ただ渡すだけに生まれた存在。

「なんか…悲しいな」

もらった本を開くと今日の出来事が既に書かれていた。

そこに老人と出会ったことは書かれていなかった。

「…この空白はなんだ?」

今日の出来事が記されている真ん中に不自然な空白がある。

そこを指でなぞる…

「……‼」

その瞬間本に吸い寄せられた。

「くそ!」

抗う暇なく吸い込まれた。


意識が覚醒する。

すると腹部に激痛が走る。

「超いてぇ…」

目の前にゴブリンの群れ…

空はまだ青い。

「なるほど…ロード機能って訳か…」

そしてあの空白…

「さしずめあの空白は、本来の俺が行動をするはずではない別の選択肢があったってことか」

つまり分岐ルート。

しかし最後はそのまま書かれていて、その部分だけ空白だった。

つまり…

「なにかフラグを取り損ねたか」


ゴブリンの群れに血潮を上げさせて街へ帰る。

当然路地裏へは行かない。

あるとすれば…

「あそこか…」


「いらっしゃい!」

商店街の武具屋を訪れた。

「お、さっきの兄ちゃんじゃねーか!」

「どうも、言われた通り来ましたよ」


店主のレオガルドの店、武具屋の2階に上がらせてもらい食事をごちそうになった。

「ところで兄ちゃん」

「彰でいい」

「彰は泊まるところとかは決めてるのか?」

「宿でもとろうかと思ったが…」

「なら、うちの部屋を貸してやるよ!」

「いいのか?」

「もちろんさ!ただで使ってくれ‼」

彰はその言葉に甘えることにした。


借りた部屋に入りベットに倒れ込む。

「本の空白は…埋まってるな」

1文、行商レオガルドの部屋を借りた。

「疲れたな…」

それも当たり前か。

同じ時間を繰り返したのだから。

「コマンド、完璧解読」

本に使ってみた。

「この本…出来事を記すだけじゃなくて魔法とかも射てるんだな…」

画面をスクロールしていると…

「固有名称『グリモワール』…か」

「お呼びになられましたか?」

…?

今、確かに声が…

その瞬間、本から光が溢れた。

「な…!」

光が収まってくるとそこには女の子が座っていた。


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