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7話 夜の訓練とダンジョンの話

 午後になると魔法の練習となった。奏も初級魔法は威力は弱いがある程度コントーロールもついてきた。皆は中級も使えるがそこは気にしてはいけない。


「あ、か、カナちゃん、美咲ちゃんから聞いたんだけど、だ、大丈夫?」

「寿、身体大丈夫なのー?」

「僕達何も気づいてなくてごめんね!」


 そう言って桃華、今村、支倉さんが近づいてきた。


「うん、大丈夫だよ。心配かけてごめんね。美咲に回復魔法をかけてもらったから」

「ご、ごめんね、私が気づいてあげられなくて。それに今の私じゃあまり治療できないと思う」

「仕方ないよ。昼休みのことなんだし。だから顔をあげて、ね?」

「う、うん。でも」

「奏君も何かあったら僕たちに……ううん、少なくとも桃にはちゃんと伝えなよね!」

「そうだね。これからはそうするよ。ありがとう、支倉さん」


 その後はいつも通り魔法の制御のコツを教えてもらった。



 夜、昼間の喧騒が嘘のように静かな訓練場の1つで2つの影が忙しなく動いていた。


「はっ!」

「あまいですよ!」

「くっ!」


 長剣で受け流して間合いを詰めて短剣で攻めた奏だが、相手のクリスはそれを読んでいたようで上体をわずかにそらし、すぐさま剣で突いてきた。

 そのままではまずいため、奏は一度下がり、間合いをあけた。しかし、少しの隙をクリスは見逃さずそのまま突っ込んできた。

 奏では右手に持った短剣をクリスに投げ、懐から2本の短剣を取り出しまた投げた。最初の短剣はクリスの剣に防がれ、残り2本はまだ練習中だったため、1本しかクリスに向かわなかった。


 だがクリスはその1本の対応に僅かに意識を向けたため、奏は可能な限り全力で間合いを詰め横なぎに振るった。


 それを見たクリスはニコリと笑い、奏の剣を上から叩きつけた。筋力のない奏は手がしびれ、つい意識を痺れに持って行った。気づくと首に剣を突き付けられていた。


「フフ、私の勝ちですね。」

「あーもう、また負けたぁ。もうずっと負けっぱなしだ」

「最初に短剣を投げた時は驚きましたが、もう慣れました。でも、今日は2本のうち1本正確に私を捉えていましたよ」

「そーなんだよ。今日は上手くいったから勝てると思ったのに」


 そういって地面に寝転がる奏。その横に腰掛けるクリス。


「でも、だいぶ剣術も上がったと思いますよ! 戦闘のバリエーションも増えましたし」

「そりゃね、魔法がうまくいかないしステータスも弱いから少しでも早く強くならないとね。それに筋力がないから隙を作るために投擲を練習してるけど、まだ使えないや」


 クリスは褒めるが自嘲気味に笑う奏。その後しばらく世間話をしていた。


「そういえば私の弟のラズベルトが最近ダンジョンに行きたいと言っているんですよ。もともと行ってみたかったようですが、勇者召喚されてずっとそのことで困ったものです」

「へぇ、第一王子が」

「あの子はダンジョンや勇者に憧れがあるんですよ。勇者は物語では英雄なので特に、ですね。憧れの勇者とダンジョンへ行ってみたいのでしょう。私も勇者にはあってみたいという思いはありましたが、わざわざ召喚してまで会いたいとは思っていませんでした」


 クリスは困ったような笑みを浮かべていた。


「なんでだい?」

「だって召喚ということはその人の今までの生活を奪うということでしょう? 元の世界には家族たちもいるはずですし。それに戦争と言っても争っているのは基本的に王家ぐらいですし。国民はよく知らないので他種族を悪だと思っているだけです。魔人でも人間や獣人の国と隣接する魔国で魔人至上主義を唱えているのは少数と聞きます。普通に種族が異なっても商人や冒険者たちはわずかですが行き来しています。まぁどこも他種族への差別はあるようですが。」

「意外だな、王族にもそこまで客観的に考える人間がいたなんて。傲慢な人しかいないと思っていたよ」


 奏の言葉に最初キョトンとしていたクリスだったが次第に笑っていった。


「それだと、あまり最初にいい印象を持たれない奏様を私は相手にしませんよ」

「それもそうかー」


 と軽口をたたいてきた。


「あっ! いずれダンジョンに行かれると思いますがもし王都の近くにある始まりの迷宮と呼ばれるダンジョンに行かれる場合は気を付けてください。そこは基本騎士や冒険者になりたての方が強くなるため攻略するので上層は弱いですが、5階層に『始まりの終わり』と呼ばれる封印指定区域となっている場所があります。そこはレベルが段違いで今まで帰ってきたものはいないと言われていますので、間違って入らないようにしてください」


 ダンジョンは奏達のいる大陸と周りにある島などに多くあり、ほとんどは未攻略で、攻略されたダンジョンはほとんど20階層までしかない。ダンジョンは出現するモンスターは様々だが、上層は弱く下層に行くにつれて強くなっていくらしい。現在の最高到達階層は46層だと言っていた。


 クリスが真剣な顔で忠告したので気になることを尋ねた。


「封印指定区域って何か封印されているの?」

「はい、真偽はともかく奥に昔何かが封印され、その封印が解かれないようガーディアンがいるそうです。まぁ、そこに行きつくまでのモンスターが強すぎて誰も近寄りませんが」

「それだと強いモンスターがダンジョンを彷徨って中は危険じゃないの?」

「それがなぜか一定の場所から出てこないのですよ。結界が張られており強い魔物は出てこれないのではないかと宮廷魔術師の一人が言っていました」


 その後奏たちは別れて自分の部屋に戻った。

そろそろダンジョンの予定です

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