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1話 プロローグ

初投稿です。不慣れなため、設定や更新日時など雑だと思いますが、暖かい目で見守ってください。

たくさん指摘やアドバイスをお願いします。

 いつも通りの変わり映えしない朝、僕こと寿奏(ことぶき かなで)は教室の隅でいじめられていた。

 いじめの張本人は運動はできるが頭は悪い、そのくせ悪知恵だけは冴えている八重沼公太(やえぬま こうた)だ。家が教育委員会のお偉いさんとかで先生達は見て見ぬふりをしている。


 そしてそれに便乗しているのが野球部でガタイのいい近藤、上の奴に媚びへつらうしかできない大隈、そして不良の成田だ。


 こいつらは僕が中学2年の時から毎日飽きもせず1年もいじめてくる。いつも殴られたり蹴られたり。その理由は僕の幼馴染みに関係している。


 自慢じゃないが僕は顔は中の上はあるほうだと思うし、運動は人並み以上にできるし頭も中間ぐらいだ。そして性格も悪いほうじゃないと思っている。いじめられるようなことは何もしていないのに理不尽だと思う。

そのため友達も多かったが、いじめが自分に向かわないようにみんな関わらないようにしていた。


「おはよう、みんな」

「お、おはよう」

「うす」


 今やってきたのはみんな話せば友達になれると思っているバカとその取り巻きの女子と今も仲良くしてくれる僕の幼馴染み二人だ。


 最初に入ってきたのはイケメンで運動、勉強もできる藤堂勇真(とうどう ゆうま)だ。いつも女子が誰か傍にいる。藤堂は卑怯なことが嫌いで困った人を見過ごせないような性格をしている。

 ただご都合主義的思考をもち、厄介ではあるが。


 次に入ってきたのはかわいい上に引っ込み思案な性格から守ってあげたいと男女問わず人気の高い小動物的存在の僕の幼馴染みの香川桃華(かがわ ももか)だ。

 桃華は茶髪をツインテールにした子だ。悔しいことに僕は桃華と身長があまり変わらない。しかも僕がすこし女顔なため街で男に話しかけられたりするのは嫌な思い出だ……。

 八重沼は中学2年で同じクラスになって以来桃華のことが好きらしく桃華が僕に構うのが許せないみたいだ。

 ちなみに桃華が僕に構うからと言って桃華が僕のことを好きだと思っていない。そういうことは言われたことはないし、あいつ俺のこと好きなんじゃね?って思うとかどんなナルシストだよ。ただただキモいだけだと思う。


 そして、最後に入ってきたのが柔道と空手をしており、クラス一体がでかく、僕のもう一人の幼馴染みで脳筋の谷北隼人(たにきた はやと)だ。八重沼たちも隼人は怖くて手が出せないでいる。


 はぁ、これで今は終わる。


「八重沼、またか!いい加減にしろ! 寄ってたかっていじめてはずかしくないのか?」

「チッ、うるせーやつがきたぜ。あーあなんか冷めたな」


 藤堂の一言で八重沼たちは興ざめして自分たちの席へ行ってしまった。


「おい、寿お前もお前だぞ。いじめられる奴にだって何か原因があるはずだ! わかってるのか?」


 意味わからない事を真面目な顔で言って藤堂は満足したのか自分の席へ向かった。そして同時に僕の所にオロオロした顔の桃華と少し心配したような隼人が近づいてきた。


「か、かなちゃん、大丈夫?痛くない?」

「ふぅ、大丈夫、心配いらないよ」

「で、でも……」

「桃華は心配しすぎ。大丈夫だから、ね」

「相変わらず桃香は奏にべったりだなぁ」


 僕と桃香のやりとりを見てニヤニヤする隼人をスルーしつつ桃華の頭をなでながらできるだけ優しく言っても、桃香はまだ納得いかないようだが、何も言ってこなかった。


 キーンコーンカーンコーン


「おーい、お前ら、さっさと席に着けよ。もうチャイム鳴ったぞ!」


 僕たちの担任である体育教師、岩川義信(いわがわ よしのぶ)が副担任である早水美奈子(はやみ みなこ)と共に教室へやってきた。そして今日の予定や模試の説明をしていた。


 そのとき、教室の床から変な模様光を帯びてが浮かび上がった。みんな反応する間もなく光に包まれていった。


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 光が消え、目を開けるとまわりは真っ白な空間で僕らは宙に浮いていた。

 そして僕らの目の前には腰まで綺麗な黒髪を伸ばした薄い布1枚だけ身に着けた女性がいた。女性の後ろは何やら漫画などのように後光が差しているようだった。みんな彼女の姿を驚いて凝視していると頭の中になにかが響いてきた。


『みなさん、こんにちは。わたくしは世界をつなぐ役割を担う女神です。あなたたちは元いた世界とは違う世界、すなわち異世界へ召喚されました。ですが、今のままでは召喚時のステータス補正はかかりますが、いろいろと不便でしょう。そこでわたくしからいくつかスキルを授けます。では、そろそろ時間です。……あなたがたに祝福を』



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 気づくと僕たちはお城のような建物でローブを着たたくさんの人と僕らと同じくらいの赤い髪を腰まで伸ばしたした女の子と少し小さい青くショートカットの女の子二人に囲まれていた。

 ちなみに女の子二人は物語に出てくるお姫様のような恰好をしている。


 生徒たちの何人かは「ここどこ?」「これって勇者召喚!?」「おお、きたぜ!」「何が起こっているの?」「うわっ、綺麗」など困惑していたり歓声をあげているものがいた。また、八重沼たちのようにお姫様みたいな女の子を見て下卑た目を向ける者もいた。


 僕はこの状況になんとなく心当たりがあった。これはラノベなんかによくある異世界召喚に似ている。

 僕はラノベなんかは読むし、この手の妄想もするが、実際召喚されたいとは思っていなかった。だってチートもらえなかったら嫌だし、危険な目にもあいたくないし。


 そう考えていると制服を軽く引っ張られた。振り向くと桃華が不安そうに制服をつまんでいたから微笑ましくて和んでいたら桃香の親友の今村渚(いまむら なぎさ)支倉奈央(はせくら なお)がこちらを見てなにやら話している。

 気になって話しかけようとしたら遮られ、僕らを囲んでいた女の子の一人の燃えるような綺麗な赤い髪の子が前に出てきた。


「皆様、この度は私たちの勇者召喚に応じていただきありがとうございます。私はリエラ王国第一王女アイア=リエラです。色々と思うところはあるでしょうが、まずは国王に謁見していただきますので私についてきてください」


 そしてアイアが歩いていくのをクラスの一人が止めて、召喚に応じたとはどういうことか尋ねた。


「私達は勇者召喚を行いましたが必ず成功するというものではありません。貴方がたが応じて下さらなければここに召喚されることはありません」


 そういってアイア出ていったので色々と疑問に持ちながらも僕たちもその後ろをついていった。

 途中光る石が壁についていたりメイドや騎士の格好をした人たちとすれ違い、ヨーロッパのお城のような雰囲気にのまれたりしていたら、大きな扉の前についた。

 扉が開くとアイアが


「お父様、勇者様方をお連れいたしました」


 そういっていかにも国王だというようなひげもじゃのおじさんの後ろへ行った。まわりには貴族ような人や先ほどすれ違った騎士たちと同じ格好をした人がいる。 僕らが立っていると


「おお、そなたたちが我々の召喚に応じた勇者たちか。まずは礼を言う。わしはリエラ王国国王ロイドだ。さて、さっそくだが力を貸してくれ」


 国王は頭を下げてそう言った。


 こうして僕らは異世界へ召喚された。

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