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Ambassador rain  作者: 輝ぽてと
第1章 選ばれし者
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第6話

 あれから数週間後のある朝。何度もリハビリを繰り返し、遅いが1人で立って歩けるようになったので退院することになった。


「今までありがとうございました」


 病院の先生方に頭を下げ、迎えに来てくれていたインミ先生の魔法でナイト学園へと帰る。

 久しぶりのナイト学園。それは少し大きくなったように見えた。


「皆なら食堂にいるわ。私は他の先生に伝えてくるから、先に行ってて」


 僕はインミ先生にお礼を言い、1人廊下を歩いていた。

 次第に聞こえてくる笑い声。扉をゆっくりと開けると、懐かしい光景がそこにはあった。


「お、スリク!退院したんだな!おめでとう!色々技教えてやるからな!」


 真っ先にカリスが僕の元へと駆けてきた。いつものように頭を撫でられる。


「この後の授業実戦らしいから、頑張ろうぜ!」


 リスクもいつもと変わらぬ笑顔で親指を立ててきた。

 僕は嬉しくなって大きく頷いた。




 授業は基本的に主に使う武器により分けられている。剣の実戦の授業はルーラ先生という女の先生が担当している、試合形式でやる授業の事だ。

 因みに僕は見学だ。そんな動き回れる自信がない。


「よーし!準備出来たわね!早速やってもらうわよ!」


 ルーラ先生により僕達にバリアがかけられる。なぜ僕もかというと、気をつけて戦ってはくれるが万が一僕にあたっても大丈夫なようにだ。

 ルーラ先生の「始め!」という合図と同時に2人は動き出した。

 どちらも短剣2本。しかしそれぞれに特徴があり、カリスは多少遅いがかなり正確な切り、リスクは多少不正確だがかなり速い切りと突きだ。


「はぁっ!」


 丁度隙のできていたリスクのお腹の辺りを横一線に切ろうとしたカリスの剣が虚しく空を切る。


「危なかったー!」


 苦笑いを浮かべながら、飛び去った時に崩したバランスをすぐさま整えるリスク。そこを狙って間髪を容れずにカリスは剣をもう一振りした。

 剣と剣がぶつかり合い、激しく火花が散る。

 リスクは素早くカリスの剣を前に押し出し、片足をカリスの足に引っ掛けた。その拍子によろめくカリス。

 そして持ち前の瞬発力でリスクはカリスを下から袈裟懸けに切り上げた。


「くっ ー 」


 カリスは剣でそれを受け止めるも、リスクの素早いもう1つの剣を避けることが出来なかった。

 ガラスが割れたかのような音と共にカリスを守っていたバリアが崩れ落ちる。


「うおっしゃーっ!」


 リスクはよほど嬉しかったのかその辺を駆け回り始めた。どこにそんな余力があるのか。

 一方カリスは体育座りをしていじけだした。大人なんだから…やめて欲しい。


「今回はリスクね!じゃあ昨日の技をスリクに教える先生係はリスクに決定ね!」


 そんな賭けをしてたんですか。だからカリスはそんなに落ち込んでいるのか。

 というかその賭け程度でそんなに落ち込んじゃうんですか。


「結構時間かかると思ったんだけどねぇ」


 ルーラ先生が腕組みをしながらそう呟く。


「カリス今日なんか弱かったわ」


 リスクは得意顔でそう言った。リスクいつも負けてるだろ。

 どうやら、僕が授業に参加できないだろうと考えていたらしく、長く戦えるように賭けをしていたらしい。

 そのため、これから何をするか考えなければいけないようだ。


「あーじゃあ、一昨々日にやったゲームやろうぜ。スリクも多分楽しめるよ。あれなら皆で出来んじゃん」

「こら、リスク!それだからアシス先生に注意されるのよ!」

「へーい」


 分かっているのか分かっていないのか、リスクは気の抜けた返事をした。今ここにアシス先生がいたら叩かれていることだろう。


「まぁ…取り敢えず、一旦教室に行きましょう」


 ルーラ先生は溜め息をついて教室に向けて歩き出した。


「だってよ、カリス。行こうぜ!」


 リスクがまだ体育座りをしているカリスに声をかけた。

 しかし、一向に動こうとしない。


「いつまでいじけてんだ!ほら行くぞ!」


 リスクがカリスに近付いていく。


「カリス…?」


 僕も心配になって近付いた。

 リスクが「おい」とカリスの体を叩こうとした時だった。

 カリスの体が、音を立てて地面に崩れ落ちた。


「おい、どうしたカリス!しっかりしろ!」


 カリスの顔は苦しみに耐えているような、そんな顔だった。


「僕、ルーラ先生呼んでくるね!」


 僕は背中が段々と痛くなっていくのもお構いなしに先を行くルーラ先生の元へと走った。

 凄く苦しい。カリスの痛みが、ズキズキと伝わってきているようだ。


「ルーラ…先生っ!」


 肩を叩いて呼び止めようとして、そのまま背中の痛みに転がった。


「あ ー !」

「スリク!?」


 ルーラ先生がすぐに気が付き、倒れている僕を抱き上げた。


「先生…僕じゃなくてカリスが…」


 僕が痛みにつっかえながらそう言うと、ルーラ先生は強く頷いた。


「分かったわ。取り敢えずあなたも運ぶから、インミ先生を呼んでくるわ」


 僕は小さく頷いた。

 まだズキズキと痛みが続く。

 この背中の痛みがなければ…僕が怪我してなければ…。悔しくて仕方が無い。カリスは、あんなに苦しそうにしていたのに。


「くっ ー 」


 僕は一層強くなる痛みに意識を手放した。



読んで下さりありがとうございました!

感想や御指摘ありましたら是非お願いします!


予告より遅くなってしまいすみませんでした。

土日の予定は前もって分かっていたのですが…

もう少し余裕をもって設定すれば良かったと思います。

本当にすみませんでした。


次回更新は12/25(水)になると思います。

早く書き終えれば12/24(火)には出したいですが…

よろしくお願いします!

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