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第一話 幻か夢か

初めての長編小説です。

至らない所もあるかと思いますが、どうぞお楽しみください。

まだ日が昇ったばかりの時間。

小さな丘に立つ一つの木の下で、一人の青年が赤い鳥と戯れていた。そこへ、赤いリボンで長い髪を結んでいる一人の少女が向かって来た。足を一歩前に出し歩く度、空のような色の髪が風になびいている。

「何してるんですか?」

青年は声に振り返り、少女を見た。同時に、青年の腕に留まっていた鳥は、腕を離れ、空高く飛び立ってしまった。その姿を惜しむように女は目で追ったが、青年はお構い無しに勢いよく立ち上がる。

「この町の情報を得ていたんだぜ!」

とニヤリと笑って見せ、自慢げに腰に手を当てた。少女は青年を疑っているのか、腕を組み眉間に皺を寄せる。

「そうには見えませんでしたけど。また遊んでたんじゃないんですか?」

「そんなことない!…ぜ…」

徐々に距離を詰められる青年は、後退りをしながら目を逸らした。どうやら心当たりがあるらしい。いつまでも疑いの眼差しを向けられ、青年は冷や汗が止まらない様だ。

そこへ、丘を小走りで駆け上がってくる人影があった。

「ヒメル!フリーゲンさん!」

「お二人とも、ここにいたんですね」

その少年は先程の男女よりも小柄で、青空に映える白い雲のような髪を持ち合わせていた。肩に着きそうな長さの髪をちょこんと結んでいる。

その白髪の少年は、長く、空のような髪を持つ少女をヒメル。深い海のような髪色の青年をフリーゲンと呼んだ。

「なぁ聞いてくれよウォルケ!」

「俺、ちゃんと情報収集してたんだぜ!?なのにヒメルが疑ってくるんだ!」

フリーゲンは白髪の少年、ウォルケに物凄い速さで駆け寄り、同情を買おうとした様だった。だが、先程のフリーゲンのような仰け反った体勢になったウォルケは突然の事で困惑していた。

「あなたには前科があるからです!前、鳥に探索させるって言っておいて、ずっと鳥と世間話してたでしょう!」

その間にヒメルはゆっくりと力強く地を踏みしめ二人の近くに向かう。そして、フリーゲンに対し指をさした。

「悪かったって!それは反省してるんだ!」

フリーゲンは慌てて向かい合い、額の前で手を合わせてヒメルに謝罪した。ヒメルは相変わらず腕を組み、唇を尖らせている。

目の前で争う二人を見ていたウォルケは、大きく息を吸い、大きな溜め息をついた。

「いい加減喧嘩はやめてください。いつからそんな仲悪くなったんですか」

「それで、今回は何か情報が掴めたんですか?」

ウォルケの声と同時に二人はハッとして普段の顔に戻った。フリーゲンは片手を腰に当てニヤリと笑い、もう片方の手でウォルケに向け親指を立てた。

「あぁ!俺の生物会話でバッチリだぜ!」


〈 能力 〉生物会話

生物との意思疎通を図れる


能力。それは、人間が生まれながらにして持っている、人それぞれの特殊な力だ。一人二つ所有しており、内容は人と重複することは無いため、とても個性的なものと言える。

しかしそれ以外の詳細はわかっておらず、いつから発現したのか、遺伝性があるのかなど、不明な点が多い。

「なら大丈夫ですね。それでは始めましょうか」

「あぁ!アインザーム探偵団、出動だ!」

強く握った拳を空に高く掲げる。そう。この三人は一つの小さな町、アインザームの探偵団だ。リーダー、情報収集担当のフリーゲン。行動担当のヒメル。考察担当のウォルケで構成されている。しかし、探偵と言えど、まだ未熟な大人と子供の為、町民の小さな事件、困り事を解決し、一日の生活費を何とか稼いでいる程度だ。

探偵団の三人は、フリーゲンの情報をもとに、美術館の戸を叩き、仕事を終えたところだった。三人は一言も発さず、静かに美術館前の階段を降りる。よく見るとフリーゲンが赤子を抱えるように布袋を抱えているようだ。階段を降り終えると三人の視線が布袋に集まる。その視線に応えるようにフリーゲンがゆっくりと布袋を開ける。三人は息を飲んだ。

「「「やったぁぁああ!!」」」

突然、町中に響くような大きな声で叫ぶ探偵達。通り過ぎる人々の目線が一箇所に集まる。

「やりましたね!こんなたくさん貰えるなんて!」

「これなら、二週間はもちますよ!」

どうやら布袋には報酬金が通常より多く入っていたらしい。ウォルケはその布袋に入った館主のまごころを神のように崇めている。

「せっかくなら、今日のご飯は、豪華にしちゃいます?」

「「やったー!!」」

ヒメルはニヤリと企んだように言葉を発すると、その言葉に食いつくように男子が大きく反応した。朝昼晩パン生活をしていた彼らにとってその言葉は救世主だったのだ。

「その為には買い出しに行ってこないとですね。2人はどうしますか?」

「…僕は、いつも通り本でも……」

「俺は、いつも通り生物会話を……」

少し悩んででたそれを聞いてヒメルは溜め息を着いた。

「も〜、それじゃつまらないじゃないですか」

ヒメルの言う通り何ともつまらない返答だ。折角手に入った金を使うという思考には至らず、『いつも通り』を貫こうとしている。しかし金に飢えている者の返答にしては模範解答なのだろう。貰った金をすぐ使い切ってしまえば元も子もない。

「そんな事言ってもな……町の中で何もすることないし」

フリーゲンの返答も一理ある。生まれてからずっと住んでいる町でやれる事はやり尽くした。なんならひとつの事を何十周もした。この町の事をこの三人に尋ねれば教科書のように答えられるほどだ。

「じゃあ、今日は私の買い物が終わるまで事務所に戻るの禁止です!久しぶりに町を散策しててください!」

「えぇ……?一応聞くけど、どのくらいで終わりそう?」

ウォルケは怪訝な顔してヒメルに尋ねた。

「うーん。二時間半かな!」

軽く悩んで出た単語は『二時間半』。買い物ごときで二時間半は長すぎだと思うだろう。しかし、ヒメルにとってはこれが『いつも通り』だ。例え買う金が無かったとしても、そのくらいは余裕でかかる。時間を一応聞いたウォルケは納得しつつも眉をひそめた。

「やっぱり!そんなに時間潰せないよ……」

「じゃあ私に着いてくる?」

突然のヒメルの提案がウォルケに刺さった。提案を呑んだ時の未来を想像したのだろうか。徐々に顔が曇り始めた。

「いや、町を散策します……」

と、ウォルケの答えを聞くと同時にヒメルは売り場に向かって走り出した。

「じゃあ決まり!二時間半後くらいに売り場近くに入れば私が見つけるから〜!」

遠ざかりながらもこちらに手を振って、明るい笑顔を見せている。フリーゲンは大きく手を振り返すが、ウォルケはそれを見て苦い笑みを浮かべるだけだった。


「はぁ……。ヒメルに着いて行った方が良かったかな。でも着いて行っても人混みで迷子になるだけだし……いやでも……」

ヒメルに残された二人は、町を歩いていた。歩き始めて10分が経ったが、ウォルケはずっとこんな感じだ。ずっとブツブツと独り言を言っており、歩いているというより、なんとなくフリーゲンに着いて行ってるといった方が正しい。そんな姿を不思議そうに見つめていたフリーゲンは、いきなりウォルケの背中を手の平で叩いた。ウォルケは「うっ」と痛がるような声をあげた。

「何ブツブツ言ってんだよ。任せとけって!俺に考えがあるんだ!」

ウォルケは叩かれた背中を擦りながらフリーゲンを見て首を傾げた。


数分後、苦しそうに息をする音が聞こえる。それもそのはず、あの男子二人は、町の端にある山を登っているのだ。

「どうして!」

「山を!」

「登ってるんですか!?」

ウォルケは呼吸の合間にできるだけ大きな声を出し前にいるフリーゲンに投げかけた。手元にはその辺に落ちている枝を持っており、杖代わりにして何とか登っているようだった。疲れからか体は震えており、杖にも振動が伝わって震えている。

「町が退屈なら町の外に行ってみようと思ってな!」

ウォルケとは対極的にフリーゲンは元気そうに登っている。杖も無しで息も切れていない。

「えぇ!?何で急に!町の外がどうなってるか、わかってるんですか!」

フリーゲンの回答に驚き、一瞬動きが止まった。

「グロティーアが居るんだろ?でも見つからなきゃ平気だって」

「無理ですよ!グロティーア人より遥かに大きい獣、まるで怪物なんですよ!」

グロティーア。それは通常よりも大きな体と凶暴さを持ち合わせる動物の事だ。人間に懐く犬や猫もグロティーアの個体ならば狼や虎のようだと言われる。いや、それ以上に凶暴かもしれない。

「でもウォルケも見たことなくて詳しくはわからないんだろ?もしかしたら意外と仲良くなれるかもしれないぜ!」

「で、でも……」

フリーゲンは生物会話を持っているからか強気だったが、ウォルケは不安がっている。情報の少ないものに立ち向かっていくのがどんなに無謀かウォルケにはわかっていたのだろう。そんなウォルケは気にせず前を向いて進もうとした時、

声が聞こえた。

「おやおや。こんな山奥に子が二人とは珍しいですね。どうしましたか?」

二人は声の方へ振り向いた。それは少し登ったあたりに立っている人物から発せられたもののようだ。その人物は発した台詞とは裏腹に不気味な雰囲気を漂わせている。口角を限界まであげたような笑みを浮かべており、鼻から上におかしな模様の白い仮面を着けているのだ。不審者と言っても過言では無い。そのためかウォルケは疲れで荒く息を吐きながらも仮面の人物を警戒しているようだ。しかしフリーゲンはそんな事は気にせず、駆け足で仮面の人物のところまで登っていく。話しかけられたのだから返さなければと思ったのだ。

「俺たちこれから町の外に行こうと思ってるんだぜ!」

何故か自慢げに笑顔で答える。屈託のない笑顔で仮面の人物の笑顔とは対照的だ。その仮面の人物は返答を聞いてもなお相変わらず笑顔のままだ。

「ほう。何故町の外へ?」

「町がつまらないから面白い場所を見つけに行こうと思ったんだ!」

「おやそうですか。町が退屈ですか。なら私が貴方方を楽しませて差し上げましょう」

仮面の人物はより一層不気味な笑みを浮かべ、身体を曲げ、グイッとフリーゲンに顔を近づけた。

「『楽しませる』……?」

やっと二人の元へ辿り着いたウォルケは仮面の人物の言葉を不思議に思ったようだ。

「えぇ。一つゲームをしましょうか」

そう言うと、体勢を戻しパチンと指を鳴らした。

「はぁ!?何だ、これ?」

目の前に広がるのは真っ黒な闇。先程居た山の景色は指の音と共に消えたのだ。どこを見ても見えるのは黒だけ。流石のウォルケも困惑しているようだ。そんな二人を横目に仮面の人物が声をかけてきた。

「隠れんぼをしましょう。鬼はフリーゲンさんです」

それを聞いてフリーゲンは耳を疑った。何故隠れんぼという単語が出てきたのかというのも不思議だったが、一番は仮面の人物が『フリーゲン』と名指ししたという事だ。いつ名乗ったか思い出すフリーゲンだが記憶の何処にも仮面の人物に名乗った覚えは無い。それに気づき、背筋が凍った。

「何で、俺の名前を……」

「そして、逃げる側は貴方以外全員です」

フリーゲンはお構い無しに仮面の人物は続ける。そして先程と同じように指を鳴らすと、

ウォルケが、消えた。

「!ウォルケ!?」

フリーゲンの横にいたはずのウォルケが一瞬にして消えた。慌てて周りを見渡すが何処にもウォルケの姿は無い。ただあるのは黒い影のみ。

「勝利条件は私を見つける事です」

目の前で人が消えた。いや、恐らく消した仮面の人物は慣れているのかいつもの笑顔で隠れんぼの説明を続けている。それどころでは無いのに説明を淡々とする仮面の人物に怒りが湧いてきた。

「おい!どういう事だよ!ウォルケをどこにやった!!」

仮面の人物に近づき、左腕を掴み思いっきり引いた。その勢いで仮面の人物は体を傾けフリーゲンに顔が近づいたが驚いたような仕草は見せなかった。しかし、フリーゲンの顔を見て何か感じ取ったようだ。

「ああそうでした。まだ名乗っていませんでしたね」

話がまるで通じない。唖然としてつい掴んだ腕を離した。名前なんて今更どうでもいい。ただ、ウォルケが何処へ行ったのか知りたいだけだ。フリーゲンのその思いは届い仮面の人物は一歩後ろへ下がると、右足を斜め左後ろへ引き、右手を腹の辺りに添えた。

「私は自由に世界を駆け回る道化師、ゲファーでございます。以後、お見知り置きを」

と、左腕を横に広げ深々とお辞儀をした。パーティーや正式な儀式で使う様な綺麗なお辞儀。こんな状況じゃなければ見惚れてしまう程だ。すると突然ゲファーが笑った。

「フフフ。早く見つけてくださいね。ウォルケさんがどうなるか、わかりませんよ?」

そう言うと風に吹かれた砂のように消え去った。

「おい!待て!!」

フリーゲンが手を伸ばした頃には何も無くなっていた。辺り一面闇に包まれた空間でただ一人。ずっとここに居れば気がおかしくなりそうだ。しかし、すぐに闇が晴れ、先程まで居た山の景色が帰ってきた。ふと、我に返り、ウォルケを見つけようと急いで辺りを見渡す。

「ウォルケ!ウォルケ!」

叫びながら山を駆け下りる。何度転びそうになっても、木を掴んで立ち上がり、辺りを見渡しながら名前を叫び続けた。全速力で走ったからか、焦りからか、段々と息が荒くなり、名前を叫ぶのが辛くなる。

「おい!ウォルケ!お前の能力でどこかに行っただけだろ?早く出て来いよ!」

森を抜け、街に出たフリーゲンは目を疑った。街に誰も居ないのだ。一人も居ない。何処を見ても居ない。あるのはいつも通りの建物だけ。それがフリーゲンの焦りを増幅させる。フリーゲンは速くなる心音に耐えきれず走り出した。

【1人は嫌だ】

ウォルケを探しながら、そんな考えが過る。誰も居ないという非現実的な現状に不安を覚えたからだろうか。この感情の出処を探ろうとすると靄に包まれたように何もわからなくなる。ただ悲しみが波のようにどっと押し寄せてくるような感覚だ。意識してもいないのに涙が出そうになる。これは、ウォルケが一向に見当たらないからだろうか。

(…そうだヒメルは…!)

フリーゲンはいつの間にか売り場に近くに来ていた。そこでヒメルの事を思い出した。悩む時間が長いあいつなら、まだ売り場にいるはず。売り場なら商人や客でごった返しているはずだと考えたのだ。


しかし、その考えはいとも簡単に打ち砕かれた。


「誰も、居ない……?」

売り場に着いたフリーゲンはその光景に絶句する。毎日1000人はざらに居る売り場に人っ子一人居ないのだ。

その光景を目の当たりにして、またおかしな考えが頭に浮かぶ。

【また独りぼっちにはなりたくない】

今回は段々と靄が晴れそうな気がする。だが靄が晴れれば、全身が何かに打ち砕かれそうな気がする。

「こんな事、あるはずないよな?みんな、どこかに隠れてんだろ?」

フリーゲンは足りない頭で考えに考え抜いて理解不能な回答に辿り着いた。しかし、その答えが一番現実的であり、非現実的なものだった。ゲファーが始めたのは"隠れんぼ"。隠れんぼなら鬼以外は隠れるのが当たり前。そう、これが当たり前なのだ。

「今、見つけてやるから……」

何とか一人でも人を見つけようと震える手を口にくわえ、口笛を鳴らす。これは、フリーゲンがいつも戯れている赤い鳥との集合の合図だ。地上からだけでなく空からも探せば効率的で確実だと思ったのだろう。

しかし、赤い鳥が伸ばした腕に留まることは無かった。いくら待っても、さえずりすら聞こえない。今思えばこの町にはありとあらゆる音が消え去っていた。

「何で、来ないんだ?静か過ぎる」

ついにフリーゲンの不安は限界に達した。

【消えたくない】

その言葉が身体中を支配する。最早、フリーゲンには考える事などできなくなっていた。希望を見失い、常に一点を見つめる人形と化した。体の力は抜け、膝から崩れ落ちた。膝に走る痛みなんてどうでもいいくらい、何も考えられなくなった。

「…そうだ、町長さん……」

少しの沈黙後、思い出したかのように呟いたフリーゲンはふらふらと立ち上がり、ゆっくりと歩み始めた。

小山の上に繋がる長い階段。いつもなら何も思わないが、今は足が重く、いつもより長く感じる。それでも一歩、また一歩と登っていく。目線の先の屋敷に向かって、一歩ずつ。


整えられた生垣に囲まれた大きな庭園。その中心には白く輝く噴水が佇んでいる。整った石畳を辿るように歩き、屋敷の扉の前に立った。

扉に縋り付き、拳で3回叩きノックをする。

「町長さん……!」

「アインザーム探偵事務所のフリーゲンだ!いるか……!」

町長さんなら居るはず。という考えの元訪れた町長の屋敷。しかし、今になって町長すら居ない考えが浮かんで来て、フリーゲンの心は押し潰されそうだった。町長に会うために必死で声を上げるがその声は震えていた。

何回も扉を叩く。回数なんか関係ない。いつまで経っても開かない扉に縋るしか方法が無いのだ。

何分経っても現れない町長を諦めかけて扉を叩かなくなった。その時

「おぉ、フリーゲンか。どうした?」

扉が開き、見覚えのある顔が見えた。町長さんだ。フリーゲンは町長を見ただけでも安心し、表情が緩み自然と笑みが浮かんだ。しかし、ウォルケ、ヒメルと出会えない事を思い出し、瞳に決意を灯した。

「町のみんなが、居なくなったんだ!ウォルケも、ヒメルも居ない!」

町長はそれを聞いて目を大きく見開いた。しかし、フリーゲンの一言と、街の様子から察したようだ。

「それは大変だ。こちらでも探してみよう」

と、フリーゲンにとって安心する言葉を言ってくれた。そのお陰でフリーゲンの表情が明るくなった。

「事務所まで送ろう。外は危険かもしれないからな」

「いや、俺はまだ探すぜ。町長さんだけに任せちゃ悪いからな」

「そうか、ならば共に探そう。少し待っておれ」

「あぁ、わかった!」

町長は屋敷へと戻って行った。フリーゲンの顔は嬉しさで溢れ返っていた。人を見つけた事、いや、町長に会えた事がフリーゲンにとって何よりも幸運だった。これでヒメルとウォルケを見つけられるという事で頭がいっぱいになった。そのため、ゲファーとしていた遊びの事など、

すっかり忘れていた。

「いけませんね。鬼が助けを求めるのは」

フリーゲンが声の方へ振り向こうとした時には既に遅かった。フリーゲンは首に衝撃を感じると全身の力が一気に抜け、地面に倒れた。気絶する瞬間何とか見えた人物はゲファーだった。ゲファーは不気味な笑みを浮かべていた。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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