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第7話 ケイト

カーラ 公爵令嬢

レフ  転生者 琥珀狐 カーラの相棒


ロナルド(ロニー) カーラの兄

シーミオ カーラの母

ロイル  カーラの父


ジャスミン 町の料理店の店主

ケイト ??


 どうして、こんなことになったんだっけ。


 ケイトは思案する。

 

 野犬にあったのが、運の尽きだった。

 

 逃げ回っているうちに、本来なら来るはずもなかった森の奥に、入りこんでしまった。


 足に合った靴を選んで履いてきたのに、あちこち走り回ったせいで、踵の皮が剥けている。


 むやみやたらに、歩くよりも。

 休憩しながら、森の外に出られる方角を探す方が、良いかもしれない。


 時間と共に、背中の行李も、ずしりと重たく感じていく。

  

「せっかく採った山菜だけど、捨てていった方が、良いのかなぁ…………」


 この重さすべてを背負ったまま、森の外まで、帰れるだろうか。


「食べ物、無駄にはしたくないなぁ…………」


 こんなふうに思うようになったのは、この国に来てからだ。


 昔の自分は、物に困ったことが、なかった。


 食べ物なんて、家にもお店にも、たくさんあった。


 同じ国の中にも、日々の食べ物に困る人がいる事は知っていたけど、どこか他人事だったーーーー。


 ガサガサッ


「!」


 草の隙間から、尻尾が見えた。


 撒いたと思った野犬が、帰ってきたのだろうか。

 ケイトは身構えて、背中の行李をおろし、盾のように持ち直した。


 ひとりぼっちで、遠い異国にやってきて。

 優しいオーナーに、拾ってもらって。

 役に立とうと、頑張ってきたけど。

 こんなところで、終わるのだろうか。


 最後に、美味しいケーキが食べたかった。

 この国のケーキはもそもそして、甘さも物足りない。

 

 最後に、大好きな人の顔が見たかった。


 故郷で別れた、大好きな人。


 もう会えない。


 会いたい。


 故郷にいても、届かない思いだったけど。


 もういちど、あなたと視線をかわして、あなたに手を振ってほしかったーーーー。


 ケイトの頭の中に、走馬灯が流れる。


 草むらの向こうから飛び出した、琥珀色のかたまりは、ケイトの顔めがけ、飛びかかってきた。


「ひっ!」


 やられる!


 そう思った、瞬間。


 ケイトの顔に、琥珀色のかたまりが、へばりついた。

読んでくださり、ありがとうございます!

見ていただけるのが嬉しくて。

はりきって書いています!


もうしばらく続きます。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

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